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空との真剣勝負!天気の世界にもある「空振り」と「見逃し」気象予報士が怖いのは?

  • 2026.3.27

「空振り」や「見逃し」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
野球を知っている方にはおなじみの言葉ですが、実は、気象の世界でも使われることがあるのです。

天気予報は雨だったので傘を持っていったけど、使うことがなかった。

晴れの予報だったけど、突然の雨で洗濯物が濡れてしまった。

このような予報と実際の天気のズレを「空振り」や「見逃し」と表現することがあります。

今回は、気象の世界で使われる「空振り」や「見逃し」の意味、そして実は怖い「見逃し」について、HBCウェザーセンターの気象予報士・篠田勇弥が分かりやすく解説します。

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連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」

天気の「空振り」と「見逃し」とは?

気象の世界でいう「空振り」と「見逃し」は、冒頭の例にもあったように、雨や雪など降水の予想が外れたときの言葉です。

・雨と予想したのに、実際には雨が降らなかった→空振り

・晴れや曇りと予想したのに、実際には雨が降った→見逃し

野球に例えると、雨が来ると思って振ったのに、実際には降らなかったのが「空振り」。

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逆に、雨というボールが来たのに振れなかったのが「見逃し」です。

北海道の予報は難しい?

気象庁では「空振り」や「見逃し」に関する確率の統計はありませんが、降水の有無が当たった割合を「適中率」として地域や季節ごとに公表しています。

ちなみに「的中率」ではなく、「適中率」なのは天気予報や臨床検査などの専門分野で使われる精度の指標を示す言葉です。

そのデータによると、適中率は全国の年平均が86%なのに対し、北海道の年平均は82%、冬は75%で、全国平均と大きな差があります。

その理由のひとつ、北海道に暮らすみなさんなら身をもって感じていることかと思いますが、冬は比較的近い場所でも天気が大きく異なることがあるためです。

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適中率の北海道と全国平均の比較(気象庁のデータより筆者作成)夏はわずかに全国平均を上回る一方、冬の適中率が低い傾向があります。

気象庁の適中率は予報区(石狩地方、上川地方など)の中で、どれだけ多くの観測地点で予報が当たったかを示しています。
そのため、同じ石狩地方でも石狩や江別で雪、札幌や千歳が晴れ、というように天気が分かれると、予報区全体としての適中率が下がってしまうのです。

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国土地理院ウェブサイトをもとに加工して作成 石狩湾の雪雲の流れの一例

例えば冬型の気圧配置の場合、札幌市、石狩市、江別市、千歳市など、同じ石狩地方でも、風向きによって雪雲が流れ込む場所が変わります。
こうした地域差が、北海道の予報を難しくしています。## 「空振り」より怖い「見逃し」

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予報が外れるという意味では、「空振り」も「見逃し」も同じです。
ただ、気象予報士として、より怖いと感じるのは「見逃し」です。

例えば「雨は降らないでしょう」と伝えたのに実際は強い雨になってしまうと、通勤や通学、子供の送り迎えや屋外のイベントなどに大きな影響の出るおそれがあります。

一方、「雨が降るでしょう」と伝えて、実際に降らなかった場合は、備えをしていた分だけ被害を防げることがあります。

特に大雨や大雪、暴風雪など、災害につながる現象の「見逃し」は命に関わる可能性があります。

だからこそ、私たち気象の現場では危険な兆候を見逃さないことを大切にしています。

伝え方の一つの例としては、危険度がひと目で伝わるよう、色分けの工夫をしています。

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2025年7月14日放送JNNニュースより

たとえば、右上アイコンの赤は「警戒」、黄色は「注意」を呼びかける際に使用しています。
さらに、厳重警戒は「紫」、そして特別警報など数十年に一度レベルの災害が予想される、または発生している場合には「黒」を使います。

まとめ

天気予報は、日々の服装や持ち物を決めるだけではなく、時には交通機関の運行や学校を休校にする判断など、暮らしを支える重要な情報です。

だからこそ、予報に「見逃し」も「空振り」もないのが理想ですが、自然を相手にしている以上、難しい場面があるのも事実です。

それでも私たち気象の現場では、危険の兆しをできるだけ見逃さず、暮らしに役立つ形で伝えることを大切にしています。

これからも、多くの方が安心して日々を過ごせるよう、道民の日々の暮らしに寄り添える天気予報をお届けしていきます。

連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」

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文: HBCウェザーセンター 気象予報士 篠田勇弥
札幌生まれ札幌育ちの気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。 気温など気象に関する記録を調べるのが得意。 趣味はドライブ。一日で数百キロ運転することもしばしば。
HBCウェザーセンターのインスタグラムでも、予報士のゆる~い日常も見られますよ。

※掲載の情報は記事執筆時(2026年3月26日)の情報に基づきます。

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