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カルト的な人気を誇る映画をビル・スカルスガルド主演でリブートした『ザ・クロウ』を鑑賞。ダークヒーローの壮絶なるリベンジストーリー!

  • 2026.3.26

2026年3月6日より全国公開された『ザ・クロウ』は、1994年に公開された『クロウ/飛翔伝説』を人気俳優ビル・スカルスガルド主演でリブートした作品。公開前に試写で観た本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。

映画『ザ・クロウ』メイン写真 (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画『ザ・クロウ』メイン写真 (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

【ストーリー】

恵まれない家庭環境に育ち、非行を繰り返す青年エリック(ビル・スカルスガルド)。彼は、更生施設で同じく暗い過去を持つ女性シェリー(FKA ツイッグス)と出会う。

瞬く間に燃えるような恋に落ちた彼らは脱走を成功させ、誰も知らない場所で二人だけの時間を過ごすうちに、お互いの中に生きる意味を見出して深く愛し合っていくのだった。

しかし、謎の組織が隠れ家を襲撃し、二人は惨殺されてしまう。やがて命を落としたエリックの怨念に引き寄せられるように、彼の魂のもとへ死の国の使者であるカラスが現れ、“復讐のための力を持って生き返る代わりに、目的を遂げた後は魂を永遠に捧げる”という取り引きを持ち掛ける。

激しい憎悪に駆られたエリックはこれを承諾してよみがえり、シェリーを凌辱した組織を滅ぼすことを強く誓って夜の闇へと飛び出していくのだった。

【写真】恋人と共に惨殺され、死の国からよみがえった青年エリック(ビル・スカルスガルド) (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
【写真】恋人と共に惨殺され、死の国からよみがえった青年エリック(ビル・スカルスガルド) (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

恐怖のピエロ・ペニーワイズ役で有名なビル・スカルスガルドがリベンジアクション大作に挑戦!

監督を務めたのは、『スノーホワイト』(2012年)や士郎正宗さんの傑作漫画『攻殻機動隊』のハリウッド実写化作品『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017年)で脚光を浴びたルパート・サンダーズ。カルト的な人気を誇る『クロウ/飛翔伝説』(1994年)のプロデューサーであるエドワード・R・プレスマンを含む豪華製作陣がその才能を認め、今回正統リブート作品の監督としての大役を命じられた。

『クロウ/飛翔伝説』は、ブルース・リーの長男であるブランドン・リーが主演を務めた映画で、鑑賞後は誰もがブランドン演じるエリックに夢中になった。ただ、この映画の銃撃シーンの撮影中にブランドン・リーが事故で死亡するという悲劇が起きているため、鑑賞後、ファンになったときにはもう彼はこの世にはいないというつらい経験をしたのを覚えている。

(C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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主人公・青年エリックを演じるのは、北欧の名優ステラン・スカルスガルドの四男ビル・スカルスガルド。彼はスティーブン・キング原作の『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』(2017年)と続編『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019年)で恐るべきピエロ、ペニーワイズ役を演じ注目を集めた。

ペニーワイズ役では恐ろしいピエロメイクだったが、ジョン・ウィックシリーズの4作目『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023年)では高級なスーツに身を包んだグラモン侯爵を演じて美しいビジュアルを存分に活かしていた。

個人的には、『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』(2025年)で主演を務めたビルが、パワフルな肉弾戦に挑戦していて好きだったが、『ザ・クロウ』では、銃撃戦での銃の撃ち方がキマっていて最高にクールだった。

今回ビルが演じたエリックは、恵まれない家庭環境で育った複雑なキャラクターだ。これまで幅広い役柄に挑戦してきたビルだからこそ、成立させることができたのだと感じる。また、『ザ・クロウ』は彼がこれまであまり挑戦してこなかったラブストーリーの要素も盛り込まれているため、恋人にメロメロなかわいい男性を演じるビルの姿を存分に楽しめたのもよかった。

ちなみに、売れっ子俳優のビルは、アンソニー・ホプキンスと共演したスリラー映画『Locked(原題)』、ガス・ヴァン・サント監督の新作『Dead Man's Wire(原題)』、ヒュー・ジャックマン主演のロビン・フッド映画『The Death of Robin Hood(原題)』など、今後も続々と話題作の公開が控えている(日本での公開は未定)。

(C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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更生施設でエリックと出会い、恋に落ちるシェリーを演じたのは、第68回グラミー賞でアルバム『Eusexua』が最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞を受賞したアーティストのFKA ツイッグス。彼女は長編映画デビュー作『ハニーボーイ』(2019年)で重要な役を演じており、この作品でも素晴らしいお芝居を見せていた。

シェリーの最初の登場シーンは更生施設で、施設用のスウェットを着ているにも関わらず、圧倒的なオーラを放っていたのはさすがだった。エリックとは種類が違うが、シェリーもつらい過去を背負って生きていて、劇中では過去に何が起きたのかが明かされる。鑑賞後は“こんな難しい役、よくチャレンジしたな”と驚き、俳優・FKA ツイッグスの今後の活躍が楽しみになった。

暗い過去を持つ女性シェリー(FKA ツイッグス)と恋に落ちるエリック(ビル・スカルスガルド) (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
暗い過去を持つ女性シェリー(FKA ツイッグス)と恋に落ちるエリック(ビル・スカルスガルド) (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

巨大企業を動かす大富豪で、シェリーの“元・後援者”であるヴィンセントを演じたのは、マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』(2004年)、アルフォンソ・キュアロン監督『トゥモロー・ワールド』(2006年)、ティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』(2015年)などに出演している名優ダニー・ヒューストン。若き才能を特殊なやり方で潰すヴィンセントの姿は震えるほど怖いので、彼の登場シーンにも注目してもらいたい。

巨大企業を動かす大富豪・ヴィンセント(ダニー・ヒューストン) (C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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ピュアなラブロマンスとバイオレンスアクションの両方が楽しめる超エンタメ作!

物語の冒頭、更生施設で出会い恋に落ちたエリックとシェリーは、いとも簡単に施設を脱走して愛を燃え上がらせていく。先ほども書いたように、がっつりラブ要素のある作品にビルが出演してくれたことがうれしかったし、タトゥーだらけなのにピュアピュアなエリックがビル自身のキャラクターやビジュアルにばっちりとハマっていたのもよかった。

脱走してからの二人はしばらく幸せな時間を過ごすことに。その途中でシェリーが歌声を披露するシーンがあり、FKA ツイッグスの贅沢使いに感謝した。二人のイチャイチャシーンはどれもすてきで、“この二人に幸せな未来があったらいいのになぁ…”と、先の展開を知っていながらもそう願わずにはいられなかった。

(C) 2024 Yellow Flower LLC (C) 2024 LIONS GATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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隠れ家でひっそりと暮らしていたエリックとシェリーは、謎の組織に襲撃されて惨殺されてしまう。死んだあと、なぜかエリックだけ天国と地獄のどちらにも属さない“中間の世界”で生きるクロノスという人物に出会う。エリックはクロノスと取り引きし、復讐するために生き返るのだ。

復活したエリックは不死身な体となり、自分とシェリーを殺害した組織を突き止めて復讐を始める。ただし、不死身でいられるのはシェリーに対する愛が純粋である間だけという謎ルールがあるため、物語の後半で、ある出来事をきっかけにエリックがシェリーへの愛を試される展開もあった。

“真実の愛”をテーマにしながらも、エリックが次々と容赦なく組織の人間を殺していく姿は最高にクールでテンションが上がる。もちろん、壮絶なバイオレンスシーンもあるが、アクションシーンに関しては『ジョン・ウィック』シリーズのようなスピード感とスタイリッシュさがあり大興奮した。

ピュアなラブロマンスとバイオレンスアクションの両方が楽しめる『ザ・クロウ』をぜひ劇場で鑑賞してもらいたい。

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文=奥村百恵

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