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「なんでこの病院なんだ!」救急搬送先で息子が激怒…元救急隊員が語る、家族間の"認識のずれ"

  • 2026.5.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

80代女性の発熱で救急要請が入った際、現場には夫がいて、そのまま救急車にも同乗していました。

救急隊は受け入れ可能な医療機関を調整し、傷病者の状態を踏まえて搬送先を決定。

夫へ必要な説明をしながら対応を進め、医療機関へ引き継ぎました。

ところがその後、病院へ到着した息子から「なんでこの病院なんだ」と強い口調で問われました。

その場では大きな問題がなく見えても、あとから別の家族との間で認識のずれが表に出ることがある。

そんなことを感じた事案です。

夫が同乗する中で、搬送先を調整していった

今回の要請は、80代女性の発熱によるものでした。

現場には夫がいて、そのまま救急車にも同乗していました。

救急隊は傷病者の状態を確認しながら、受け入れ可能な医療機関を調整。

そのうえで、搬送先を決めて対応を進めていました。

搬送の途中も、同乗している夫へ必要な説明をしながら進めており、その場で大きな混乱が起きていたわけではありませんでした。

夫も不安はあったと思いますが、やり取り自体は落ち着いたまま進んでいた印象です。

現場だけを見れば、そのまま搬送が進んでいく流れでした。

病院に着いたあと、息子から強い口調で問われた

空気が変わったのは、病院に到着したあとでした。

駆けつけた息子から、「なんでこの病院なんだ」と強い口調で問われたのです。

救急隊としては、受け入れ可能な医療機関を調整したうえで搬送先を決めていました。

ただ、息子にとっては、その経緯よりも「なぜここに運ばれたのか」という思いのほうが強かったのだと思います。

家族の間では、その病院に対してよくない印象や抵抗感があったようでした。

現場では見えていなかった家族の思いが、病院に着いてから表に出た形でした。

夫には説明していたが、息子には十分伝わっていなかった

この事案では、現場にいた夫へ説明しながら対応を進めていました。
救急隊としては、その場にいる家族に必要な説明をしていた認識です。

ただ、その内容や搬送先を決めた事情が、息子には十分伝わっていなかったようでした。

夫が理解していても、それがそのまま家族全体の共通認識になるとは限りません。

高齢者搬送では、あとから別の家族が病院へ来ることも少なくありません。
そのときに初めて、搬送先への不満や戸惑いが強く出ることがあります。

現場では問題がなく見えても、家族の中では説明が共有されきっていないことがある。そこに難しさを感じました。

家族それぞれで、病院への印象が違うこともある

搬送先は、救急隊として受け入れ状況や傷病者の状態を踏まえて決めていきます。

ただ、家族にとっては、それだけでは割り切れないことがあります。

病院への印象や過去の経験に対する受け止め方は、家族それぞれで違うからです。今回も、夫へ説明しながら進めていた一方で、息子の中には別の受け止めがありました。

その場では問題がないように見えても、あとから別の家族との間で認識のずれが表面化することがあるのです。

高齢の家族を前にすると、それぞれの不安や思いが強くなりやすく、同じ場面でも受け止め方に差が出ることがあります。

同乗している家族に説明していても、それで家族全体に伝わるとは限らない。

高齢者搬送では、そうした家族間の認識のずれも意識する必要があると感じた現場でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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