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医師「救急受診が必要です」→実は『大腸がん』のサインだった…見逃すと危険な“便の変化”とは?

  • 2026.4.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「健康診断の便潜血検査で陰性だったから大丈夫」そう安心していませんか?実は、その検査結果だけで大腸がんの可能性を完全に否定することはできません。大腸がんは、腫瘍ができる部位や進行度によって、便の形や排便パターンに独特のサインが現れることがあります。

便潜血検査は非常に重要な検診項目ですが、なぜ陰性でも油断してはいけないのでしょうか。そして、日常生活で具体的にどのような変化に注意すべきなのでしょうか。専門家の見解をもとに、大腸がんの「隠れた兆候」と、今日から実践できる正しい自己管理方法について解説します。

便潜血検査の陰性はなぜ「安心」とは言えないのか

---毎年行っている便潜血検査で「陰性」でした。これなら大腸がんの心配はないと信じて良いのでしょうか?

松岡雄治さん:

「便潜血検査が陰性でも安心はできません。便潜血検査は、腫瘍の表面が擦れて血が出ないとわからないためです。

大腸がんからの出血は常にあるわけではなく、間欠的なものです。腫瘍ができる位置によっては、『鉛筆のように細い便』や『下痢と便秘の繰り返し』といった初期サインが現れることもあります。検査結果の陰性を盲信せず、日々の便の形や排便パターンの変化に目を向ける姿勢はとても大切です。」

便が細くなる理由とは?大腸の部位による変化のメカニズム

---腫瘍ができる場所によって、便の状態が変わると聞きました。具体的にどのような変化に注意すればよいのでしょうか?

松岡雄治さん:

「大腸は一本の管ですが、右側から左側へ進むにつれて便の性状は異なります。右側の大腸がんは便がまだ液状のため隙間を通過しやすく、形の変化に気づきにくい傾向があります。一方で左側の大腸がんは、硬く固まった便が狭い通り道を無理に通過するため、細く押し出されるのが特徴です。

また、細い便と便秘、下痢を繰り返すこともあります。これは、狭い部分に硬い便が詰まった際、腸がそれを押し流そうとして腸液を大量に分泌するためです。硬い便は通れませんが、隙間から泥水のような腸液だけが漏れ出て、下痢のような症状を引き起こすのです。」

放置は厳禁。受診の目安と「便を見る」重要性

---もし便の異常を感じたら、どのように判断し、いつ受診すべきでしょうか?

松岡雄治さん:

細い便や残便感が2週間以上続く場合は、消化器内科を受診し、大腸内視鏡検査を検討してください。

直腸にがんができると、腫瘍を『便が残っている』と神経が錯覚し、常に便意を感じる『残便感』というサインが出ます。
さらに、腹痛や嘔吐を伴う、おならが出ないといった症状は、腸閉塞の危険があるためただちに救急受診が必要です。

大腸がんの兆候を見逃さないためには、トイレを流す前に数秒間だけ自分の便を見る習慣をつけることが有効です。太さや硬さ、色などを日々チェックし、もし変化があればスマートフォンのメモなどに記録しておきましょう。気になる段階で受診することで、安心して健康に過ごすことができれば、それだけでも受診した甲斐は大いにあります。」

便の変化は自分を守るサイン。今日からできる「セルフチェック」

便潜血検査はがん検診として重要ですが、それがすべてではありません。大腸がんの兆候を見逃さないためには、自分の目で日々の便の状態をチェックすることが、身近で確実な自己管理となります。

「太さは以前より細くなっていないか」「コロコロ便や泥状便が交互に出ていないか」「赤黒い色が混ざっていないか」「排便後に残便感がないか」。これらを週に数回でも振り返って確認し、以前との違いを感じたら記録しましょう。毎日完璧に記録する必要はありません。ブリストル便形状スケールなどを参考に、数字で記録するのも客観的で良い方法です。

自分での判断が難しい場合や、こうした変化が続くときは、迷わずその記録を持って専門医を受診してください。「大袈裟かな」とためらう必要はありません。あなたの健康を守る第一歩として、今日からトイレで「流す前の確認」を始めてみませんか。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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