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友人とジムに入会した50代女性→「あれ?」数ヶ月経っても体重が減らず…管理栄養士に相談すると、判明した“思わぬ原因”

  • 2026.5.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

健康のために近所にできたスポーツジムに友人と入会。有酸素運動を中心に取り組んでいる56歳女性のFさん。運動後の友人とのランチも楽しみで、ジム通いが定着していました。

ただ、このジムで運動をした後、習慣化したあるルーティーンによって、気づかないうちに摂取カロリーが増えていきました。運動による消費以上に食事量が上回り、「運動しているのに痩せない」状態に。さらに加齢による代謝低下も重なり、体重は停滞〜増加傾向となっていたケースを解説します。

「ちゃんとやっているのに」の違和感

56歳のFさんは、健康診断の結果をきっかけに「そろそろ体を動かさないと」と感じ、友人と一緒に近所のスポーツジムへ入会しました。通うのは主に午前中。ウォーキングマシンやエアロバイクを使った有酸素運動を30〜40分、ストレッチや軽い筋トレを合わせて1時間ほど体を動かす習慣をつくっていきました。息が上がりすぎないよう負荷を調整しながら、じんわりと汗をかく感覚も心地よく、無理なく続けられていたといいます。

通い始めてしばらくすると、ジムに行くこと自体が生活の一部になっていきました。運動後のほどよい疲労感や達成感もあり、「今日は体にいいことをした」と思える時間に。以前よりも体を動かすことへの抵抗感が減り、日常の中に自然と運動が組み込まれていきました。体調面でも「なんとなく調子がいい日が増えた」と感じており、取り組みとしては順調そのものでした。

ところが、数ヶ月経っても体重にはほとんど変化が見られません。それどころか、わずかに増えていることに気づき、Fさんは「あれ?」と違和感を覚えます。これだけ継続して運動しているのに、なぜ結果につながらないのか。むしろ増えているという現実に納得がいかず、ジムのトレーナーに相談。紹介を受けて、食事内容も含めた見直しをすることになりました。

見えてきた“痩せない理由”―無意識にできていたルーティーンの落とし穴 

食事内容を振り返る中で、まず前提として見えてきたのが、年齢による体の変化です。Fさんは56歳。若い頃と比べると基礎代謝は緩やかに低下しており、同じ生活をしていてもエネルギーを消費しにくい状態になっています。これまで問題にならなかった習慣でも、今は結果に影響しやすい、そんな土台の変化がありました。

そのうえで浮かび上がったのが、朝食の少なさです。Fさんは「朝はあまり食べられない」と、トーストとコーヒー、あるいはコーヒーだけで済ませることがほとんど。その状態で午前中に30〜40分の有酸素運動を行っていたため、体はエネルギー不足のまま動いている状態でした。すると、脂肪だけでなく筋肉も分解されやすくなり、結果として代謝が上がりにくいコンディションに。さらに、運動後には強い空腹感が生まれやすく、「しっかり食べたい」という流れが自然とできていたのです。

加えてポイントになっていたのが、運動直後の食事内容でした。体を動かしたあとは血流が高まり、栄養の吸収効率が上がるタイミングです。そのタイミングでFさんは、友人とのランチでパスタや丼ものといった糖質中心のメニューを選ぶことが多く、さらに帰りにコンビニでスイーツを買うことも習慣になっていました。「頑張ったご褒美」「運動してきたから大丈夫」という感覚もあり、無意識のうちに糖質や脂質をしっかり摂る流れができていたのです。

こうして、もともと消費しにくくなっている体に対して、エネルギー不足での運動と、運動後の偏った補給が重なることで、体は「消費する」よりも「取り込む」方向に傾いていきます。Fさんの場合、この“体の土台”と“ルーティーン”の組み合わせこそが、結果に大きく影響していたのです。

運動効果を活かす“食べ方の設計”

運動後のエネルギー補給は、何を食べるかだけでなく「何のための運動か」 という目的別に考える必要があります。ここが曖昧なままだと、せっかくの運動効果を打ち消してしまうこともあります。

たとえば部活動に励む成長期であれば、消耗したエネルギーをしっかり補うために、糖質とたんぱく質をバランスよく摂ることが重要です。筋トレで体づくりをしたい場合は、筋肉の修復を優先してたんぱく質を中心に、必要に応じて糖質を組み合わせる。一方、ダイエットが目的であれば、運動後に糖質や脂質を重ねすぎると脂肪として蓄積されやすくなるため、たんぱく質をベースに、糖質は控えめに調整する視点が欠かせません。 

そこでFさんに提案したのが、まずは朝食に少量でもたんぱく質を加えエネルギー補給をしてから運動に取り組むこと。さらに運動後は、まずは水分補給をいつもの1.5倍は意識してとるようにお願いしました。そして、ランチ自体を楽しみながらも、主菜でたんぱく質をしっかり確保し、糖質の量や組み合わせを見直す方向へ。コンビニでの選び方も甘いスイーツ中心から高たんぱくのヨーグルトへシフトしてもらいました。

こうした小さな調整を重ねることで、Fさんの体は徐々に変化していきました。体重の増加は止まり、安定へと向かいます。「運動しているのに痩せない」状態から、「運動がきちんと活かされる」状態へ。大切なのは、活動内容に合わせて設計し直すこと。日々の選択を整えることが、結果につながっていくのです。 


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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