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友人の勧めで“18時以降のプチ断食”をスタート→「体重はちゃんと減ってる」のに…50代女性が見落としていた“隠れた異変”

  • 2026.5.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

ダイエットや、体のリセットのためにプチ断食の考え方が広まっていますが、やり方を間違えると体重が減っても体脂肪率が上がる「隠れ肥満」状態になることがあります。特に50代以降は筋肉が落ちやすく、プチ断食に有酸素運動を加えることでさらに筋肉分解を加速させるケースも。体組成計の数値に驚いて相談に来られた56代女性の事例をもとに、断食の注意点と、筋肉を守りながら体脂肪を落とすための食事・運動のバランスを解説します。

友人の勧めで始めた16時間ダイエットの効果

「体重はちゃんと減ってるんです。でも、痩せたらなんだか老けた気がして…」

そう言って少し笑いながら話してくれたのは、56歳の女性でした。

きっかけは、お友達に勧められたダイエット法。実際にその方が成功したという16時間のプチ断食を、自分も試してみようと思ったそうです。夕食は18時までに済ませ、翌朝まで何も食べないというシンプルな方法。それまで夕食後にフルーツやスナックをだらだら食べてしまっていた習慣がなくなり、食事量も自然と減りました。その結果、体重はすぐに2kgほど減少。「やっぱり効果あるんですね」と、手応えも感じていたといいます。体も軽くなり、「体調はむしろいい気がする」と話していました。

けれど一方で、気になる変化もありました。鏡を見るたびに「前より疲れて見える気がする」「肌の調子はいいけれど、なんとなく老けた気がする」と違和感があるのです。周囲に指摘されたわけではないものの、自分の中で小さな引っかかりが残り続けていました。

「食べる量を減らしているだけだし、悪いことはしていないはずなんですけど…大丈夫なのかなと思って」

そう不安を感じ、体の状態をきちんと確認したいと相談に来られました。体重は減っているのに、どこかすっきりしない。その背景には、見た目だけではわからない体の変化が隠れていたのです。

「痩せたのに老けた気がする」その違和感の正体

栄養相談では、まず食事内容を一緒に振り返ることから始めました。このダイエットを始めてから、夕食後にだらだらと間食してしまう習慣がなくなっていたのは、とても良い変化です。遅い時間に食べなくなったことで、「胃腸がすっきりした感じがある」という実感にもつながっていました。

ところが、お話を進めていく中で、もう一つ気になる習慣が見えてきました。
「最近は、朝ごはんの前にウォーキングもしていて…」

詳しく伺うと、この1か月ほど、朝いちばんに30分のウォーキングを継続し、さらに週1回通っているジムも午前中に予約を取り、空腹のまま利用しているとのことでした。
「そのほうが脂肪が燃えると思って!」
と、少し誇らしげに話されていたのが印象的でした。

ここで、女性が感じていた違和感の正体が見えてきました。体組成計で測定してみると、体重はこの1か月で約2kg減少していたものの、体脂肪率は30%を超え、ダイエット前よりわずかに上昇していたのです。

「体重は減っているのに、なぜ?」と、とても驚かれていました。

この背景にあるのは、「筋肉量の減少」だと考えられます。ご本人が感じられていた、「疲れて見える・老けて見える気がする」といった違和感も、これで説明がつくのです。

なぜ筋肉が落ちたのか?16時間ダイエットと有酸素運動の落とし穴

今回のケースでまず押さえておきたいのは、この16時間ダイエットが彼女にとってとても合っていたという点です。

実際、朝・昼・夕の3食はバランスよく摂れており、夕食後の間食がなくなったことで余分なエネルギー摂取が自然と減少。体重減少にもつながっていました。さらに、夜間に胃をしっかり休められるようになったことで、長年感じていた胃の不快感も軽減されていたのです。

では、なぜ筋肉が落ちてしまったのか。大きな要因となったのが、空腹状態での運動習慣です。

エネルギー自体は足りていても、朝食前という“何も入っていない状態”で運動を行うと、体はその場で使えるエネルギーを確保するために、筋肉を分解して補おうとします。特にウォーキングのような有酸素運動は長時間続けやすく、この影響を受けやすいのが特徴です。

さらに50代以降は、加齢により筋肉を維持する力そのものが低下しやすい時期です。若い頃と同じ感覚で「食事を整えて運動する」だけでは、筋肉を守りきれないケースも少なくありません。

つまり今回は、自分に合った良い食習慣に、タイミングのずれた運動が重なったことで、意図せず筋肉の減少につながってしまったと考えられます。

50代以降で16時間ダイエットを取り入れる場合は、ウォーキングなどの運動はできるだけ食後、もしくは軽くおにぎりやサンドウィッチなどの炭水化物を口にしてから行うのがおすすめです。加えて、筋肉に刺激を入れる軽い筋トレを組み合わせること、そしてたんぱく質をこまめに摂ることも意識したいポイントです。

「何を食べるか」だけでなく、「いつ動くか」まで整えることが、筋肉を守りながら無理なく痩せるための鍵になります。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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