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「要注意です」眼科医が警告。実は『網膜剥離』の症状かも…“年のせい”と放置しがちな「危険なサイン」とは?

  • 2026.5.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ふと空を見上げたときや、白い壁を見たときに、目の前にゴミや糸くずのようなものが漂って見えた経験はありませんか?多くの人が一度は経験する「飛蚊症(ひぶんしょう)」ですが、「年のせいだろう」と放置している方は少なくないはずです。

しかし、その「飛蚊症」が、実は網膜剥離という深刻な目の病気のサインである可能性をご存じでしょうか。単なる加齢による変化なのか、それとも早急な受診が必要な危険な兆候なのか。その見分け方を知っておくことは、将来の視力を守るために非常に重要です。

今回は、飛蚊症のメカニズムから、絶対に見逃してはいけない緊急のサイン、そして強度近視の方に知っておいてほしいリスクまで、専門家の見解をもとに詳しく解説します。

なぜ飛蚊症は起こる?加齢との関係を解説

---多くの人が経験する飛蚊症ですが、なぜ起こるのでしょうか?また、どのような仕組みでゴミや糸くずが見えてしまうのでしょうか?

モイモイさん:

「多くの人が経験する飛蚊症は、40〜50代ごろから起こりやすくなる、加齢に伴う眼の中の変化が原因です。

眼の中には、もともとゼリー状の『硝子体(しょうしたい)』という透明な物質が入っていますが、年齢とともにこのゼリーが少しずつ水のように変化していきます。すると硝子体が動きやすくなり、中にある小さな濁りが影となって網膜に映ることで、『ゴミが浮いて見える』『糸くずが漂って見える』と感じるようになります。これが、いわゆる加齢による生理的な飛蚊症です。

多くの場合は心配のいらない変化で、見え方が気になることはあっても、基本的には治療が必要ないことがほとんどです。」

網膜剥離につながる「危険なサイン」とは?

---飛蚊症の中には注意が必要なものもあると聞きます。どのような症状が出たら網膜剥離を疑い、すぐに病院へ行くべきなのでしょうか?

モイモイさん:

「飛蚊症を『年のせいだろう』と思って放置してしまうと、実際には網膜剥離が進んでいて、受診が遅れることがあります。

特に注意したいのは、昨日までと比べて飛蚊症が急に増えた黒い点だけでなく糸くずや煙、虫の群れのように見えるものが一気に増えた、といった変化です。さらに、光がピカッと走るように見える場合も要注意です。これは眼の中が本当に光っているわけではなく、水のように動きやすくなった硝子体が網膜を引っ張ることで網膜が刺激され、脳が『光が見えた』と感じるためです。

また、視界の端からカーテンのような影がかかる、見える範囲が狭くなる、急に見えにくくなるといった症状があれば、網膜剥離が進んでいる可能性があります。
網膜剥離は痛みがなくても起こりうるため、『痛くないから大丈夫』とは言えません。放置すると視野障害や視力低下が残ることがあるため、飛蚊症があること自体よりも、『急に変わったか』『光や影を伴うか』が重要です。急な増加、光が走る、影が出る、急に見えにくい、のどれかがあれば、早めに、できればその日のうちに眼科で相談したいサインです。」

飛蚊症がある人が見逃してはいけないセルフチェックと近視のリスク

---危険なサインを見逃さないために、日常生活でどのような点に気をつければよいでしょうか?また、近視が強い人は特に注意が必要ですか?

モイモイさん:

「飛蚊症がある方が、網膜剥離の危険なサインを見逃さないために大切なのは、『飛蚊症があるかどうか』ではなく、『いつもと違う変化が起きていないか』を見ることです。

まず、白い壁や明るい空などを見た時に、黒い点や糸くずのようなものが急に増えていないかを意識してください。次に、片目ずつ隠して、視界の端に影や欠けがないか、見える範囲が狭くなっていないかを確認します。両目で見ていると片方の異常に気づきにくいことがあるため、片目ずつ見るのは大事なポイントです。さらに、暗い場所や目を動かした時に、ピカッと光る感じがないかもチェックしたいところです。

また、強い近視がある方は、そうでない方より網膜剥離のリスクが高く、若い年代でも注意が必要です。一般に近視が「ー6」より強い方は強度近視と呼ばれます。強度近視の人は眼球が前後に長く、網膜が普通の人より薄く引っ張られやすいため、少しの変化でも網膜に裂け目ができたり、網膜剥離が起こりやすくなったりします。
普段から飛蚊症がある方でも、『急に増えた』『光る』『影が出た』『急に見えにくい』と感じたら、様子を見るより早めに眼科で確認することを優先していただきたいです。特に強い近視がある方では、『前からある飛蚊症だから大丈夫』と決めつけず、早めの受診が安心につながります。

自分の目の「いつも」を大切に

飛蚊症そのものは加齢による自然な変化であることが多いですが、大切なのは「いつもと違う変化」に敏感でいることです。特に「急に増えた」「光が走る」「影が出る」といった症状は、網膜剥離という放置できないトラブルのサインかもしれません。

今日から、白い壁を見た際や片目ずつ視界を確認する習慣を取り入れ、自分の目の状態を意識してみましょう。もし少しでも「いつもと違う」と感じたら、様子を見ずに早めに眼科を受診することが、何よりの安心につながります。


監修者:モイモイ
眼科医・医療ライター。大学病院での診療経験をもとに、眼科領域を中心とした一般向け医療記事の執筆・監修を行う。専門性の高い内容を読者に伝わる言葉へ置き換えることを得意とし、疲れ目やドライアイなど身近な症状から、早期発見が重要な眼疾患まで幅広く発信。医学的な正確性と読者目線のわかりやすさを両立したコンテンツ制作を心がけている。

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