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「脂肪が燃えるらしい」毎朝コーヒー1杯を飲み続けた人の“末路”…→2ヶ月後、30代女性を襲った“思わぬ異変”【管理栄養士は見た】

  • 2026.4.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

「朝はコーヒーだけで脂肪燃焼が促進される」という情報を信じ、朝食を抜いてブラックコーヒーに置き換える習慣を継続。

さらにカフェインの脂肪燃焼効果を期待して、運動前にもコーヒーを飲むようにしていた。 一時的に体重は減少したものの、日中の強い空腹感や集中力低下を招き、結果的に間食や食事量が増加してしまい、痩せにくくリバウンドしやすい状態に陥ってしまった31歳女性のケースをご紹介します。

手軽さと“それっぽい理論”に惹かれて

「朝はコーヒーだけのほうが脂肪が燃えるらしいんです」

そう話してくれたのは、31歳の女性・Mさん。もともとは朝食を抜きがちな生活でしたが、トレーナーから「食べないよりは、何か口にした方がいい」とアドバイスを受けたことも後押しとなり、せめてコーヒーだけは飲むようにしていました。

そんな中、SNSで見かけたのが「空腹時にカフェインを摂ると脂肪燃焼が促進される」という情報。気になって調べてみると、コーヒーに含まれるカフェインには脂肪の分解や燃焼を助ける作用があると知り、「これなら手軽に続けられそう」と、朝食にはブラックコーヒーを1杯とる習慣が定着していきました。

さらに「運動前にコーヒーを飲むと脂肪が燃えやすい」という情報も取り入れ、ジムに行く前にも必ず1杯。食事を減らしつつ脂肪燃焼を高める、いわば“効率重視”のダイエットでした。

実際、始めてから数週間は体重も順調に減少。「やっぱり正しかった」と手応えを感じていたといいます。

順調だったはずが、なぜか止まった体重

ところが1〜2ヶ月ほど経った頃から、減っていたはずの体重変化が止まります。

「最初は落ちたのに、全然減らなくなってしまって…」

もともと朝食を抜く生活に慣れていたMさんにとって、午前中の空腹自体はそれほど大きなストレスではありませんでした。コーヒーを飲んでいれば問題なく過ごせている感覚もあり、「特に無理はしていない」と感じていたといいます。

それでも、体重はぴたりと動かなくなりました。

食事量は抑えているはずなのに結果が出ない。そこでトレーナーからの勧めもあり、栄養相談を受けてみることにしました。

カウンセリングで見えてきたのは、“エネルギー不足による代謝の低下”という状態です。

カフェインには脂肪の分解や燃焼をサポートする働きはありますが、その効果はあくまで一時的で限定的なもの。体そのもののエネルギーが不足している状態では、うまく機能しません。

むしろ、必要なエネルギーやたんぱく質が不足した状態が続くと、体は消費を抑える“省エネモード”に傾きやすくなります。加えて、筋肉量の維持も難しくなり、基礎代謝の低下にもつながっていきます。

脂肪を燃やしたいと思って始めた習慣が、気づかないうちに「燃えにくい体」をつくってしまっていたのです。

脂肪燃焼効果への期待より先に、整えたいこと

カウンセリングの中でまずお伝えしたのは、コーヒー=ダイエットに悪いものではない、という点でした。

実際に、カフェインが脂肪の分解や燃焼を促進する作用や、運動前に摂取することでパフォーマンスや脂肪燃焼作用が高まる可能性については、論文でも報告されています。Mさんが取り入れていた情報自体は、決して間違いではありません。

ただし、ここで多くの人が誤解しやすいのが、「飲めば痩せる」という捉え方です。

カフェインの効果はあくまで“補助的”なもの。体に十分なエネルギーや栄養が入っていない状態では、その働きも十分に活かされません。むしろ、慢性的なエネルギー不足は代謝を下げ、筋肉量の低下を招き、結果として“消費しにくい体”につながってしまいます。

そこでMさんには、朝に少量でもいいので栄養を入れることから始めてもらいました。ゆで卵やヨーグルト、バナナなど、手軽に取り入れられるものにコーヒーを組み合わせる形です。決して、「コーヒーと菓子パン」という組み合わせにならないよう、タンパク質を摂ることを必須としてもらいました。

すると、「午前中の仕事への集中力や活力が沸いた」「日中の食欲が安定した」「無意識の間食が減った」といった変化が見られ、体重も再びゆるやかに動き始めました。

研究結果が示すように、コーヒーはうまく使えばプラスになる存在です。ただし、それ単体に頼るのではなく、“体がきちんと働ける状態を整えたうえで使う”ことが前提です。

コーヒーの「脂肪燃焼作用」にただ期待するよりも、1日の食事全体を「整える」という視点が、結果的にいちばんの近道になるのです。


監修者 工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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