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医師「緊急で受診するようにして」→実は『腎不全』のサインだった…“加齢のせい”と見過ごしがちな「3つの特徴」とは?

  • 2026.4.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

夜中に何度もトイレに起きる、日中もトイレの回数が気になって仕方がない……。

加齢のせいだと思い込んでいるその頻尿、実は「腎臓」からのサインかもしれません。加齢による生理的な変化なのか、それとも腎不全が隠れているのか。その違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、頻尿の原因となるメカニズムから、生活習慣の注意点、そして「もしもの時」の受診目安まで、泌尿器科医の小内友紀子先生に徹底解説していただきます。この記事を読めば、今の自分の体の状態と、明日から気をつけるべきポイントが明確になります。

加齢と腎不全、頻尿が起きる仕組みの違いとは

---加齢による頻尿と、腎不全による頻尿では、体に起きている変化にどのような違いがあるのでしょうか?

小内友紀子さん:

「加齢による頻尿の場合、尿をためておく膀胱やホルモン、神経など複数の臓器の変化が主な原因となります。一方で腎不全が隠れている頻尿の場合は、尿をつくる「腎臓」の障害が主な原因となります。それぞれ詳しく説明します。

加齢による頻尿において、尿をためておく膀胱の容量が低下します。また、過活動膀胱といって急に尿をしにいきたくなったり、それに引き続いて尿がもれてしまう状態が起きやすくなります。また、抗利尿ホルモンといって、尿を濃縮して体が尿を作りにくくするホルモンがありますが、若い方では夜にこのホルモンの分泌量が増えますが、年齢を重ねるとその分泌のリズムが乱れて夜の尿量が増えてしまいます。腎臓の尿の濃縮能自体の低下もみられます。

腎不全による頻尿でも同様に尿の濃縮能の低下、夜間の多尿、体液・電解質バランスの乱れによる尿量の増加が起きることで、頻尿が起きます。

腎機能を低下させる主な生活習慣ですが、塩分のとり過ぎが最も大きい習慣の一つです。塩分が多いと血圧が上がり、腎臓でろ過を行っている、糸球体にかかる圧力が高まって、糸球体が少しずつ痛んでしまいます。
たんぱく質のとり過ぎもあります。たんぱく質を大量にとることで、尿素窒素などの老廃物が生じて、腎臓はそれを排泄するために働き過ぎてしまいます。プロテインを大量にとることや、肉中心の生活が長く続くと、腎臓への負担がたまってしまいます。
高血圧や血糖が高すぎることを放置することや、痛み止めの薬の乱用にも注意が必要です。」

「ただの加齢」か「腎不全」かを見分ける目安

---加齢による頻尿と腎不全による頻尿を、日常生活の中で見分けることは可能ですか?また、どのような兆候に注意すべきでしょうか?

小内友紀子さん:

「加齢による頻尿と、腎不全による頻尿を通常の生活だけで見分けるのは難しいですが、毎朝の血圧が135/85mmHg以上が続く場合、高血圧は腎機能の原因でもあり結果でもありますので、受診を検討されることをおすすめします。

先ほどもお伝えしたとおり、加齢でも腎不全でも夜間の尿量が増えます。
尿の泡立ちについてですが、尿の中にたんぱくや糖、ビリルビンなどが混じることで、通常よりも泡立ちやすくなります。ただ、勢いよく尿を出すだけでも泡立つこともあるので、泡立ちだけで腎不全ということはできません。
尿にたんぱくが混じっているか心配な方は、ドラッグストアやネット通販で尿検査試験紙といって、細長い試験紙を尿にほんの少しひたすだけで、尿の中の糖や蛋白が簡便にわかるものを売っていますので、そういった試験紙を使用するのもいいかもしれません。

かなり腎不全が進めば、むくみや貧血がでるため、体調が悪くなり日常生活がしんどくなりますが、そこまで進行すると腎臓がもとの状態に戻ることは難しくなります。夜間にトイレに2回以上起きて、日中の眠気を感じるような場合は泌尿器科の受診をおすすめします。

早期発見のために知っておきたいチェックリストと受診のタイミング

---腎機能の低下は自覚症状が少ないと聞きます。どのような人が、どのようなタイミングで受診を検討すべきでしょうか?

小内友紀子さん:

「腎機能の低下は初期にはほとんど自覚症状がありません。自覚症状がなくても以下に当てはまる方は、年1回以上血液検査による腎機能チェックを強くおすすめします。
具体的には糖尿病・高血圧・痛風のある方、肥満・メタボリックシンドロームの方、ご家族に慢性腎臓病・透析患者さんがいる方、過去に尿検査での異常を指摘されたことがある方、痛み止めの薬を長期間内服している方、60歳以上の方になります。

かかりつけの内科で血液検査で血清クレアチニン・eGFR(糸球体ろ過量)、尿検査で蛋白尿・尿潜血を確認します。健康診断や人間ドックをうけられている方の場合は、血液検査の欄に「クレアチニン」や「eGFR」があれば毎年の数値を確認してみてください。大事なのは、腎機能が少し落ちたくらいのタイミングで気づき、それ以上腎機能が悪くならないように、生活習慣の改善などの工夫をすることです。

細かくて数分以上消えない尿の泡が出ている状態が1週間以上続く、顔や足のむくみが数日続いている、夜間2回以上トイレに起きるのが急にでてきた、原因不明の強い疲労感や貧血症状が続く、高血圧の薬を飲んでいるのに血圧が下がらないなどの場合は早めに受診をしましょう。急激な全身のむくみ、呼吸困難を伴うむくみ、意識がぼんやりする、吐き気やけいれんといった症状が出た場合は緊急で受診をするようにしてください。

腎機能は「守る」時代へ。日頃のチェックが未来をつくる

頻尿という悩みは、単なる加齢現象というだけでなく、腎臓からの「助けて」というサインである可能性があります。大切なのは、腎機能が大きく落ちてしまう前に、その変化に気づくことです。

今回紹介したように、血圧の変化や尿の泡立ち、夜間の回数など、日々の生活の中には、自分の体を知るためのヒントがたくさん隠されています。もし気になる症状があれば、放置せず、まずはかかりつけ医への相談や健康診断の数値を再確認することから始めてみましょう。自分の腎臓を守り、健康を維持するためには、日頃のちょっとした気づきと行動の積み重ねが何よりも大切なのです。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。 【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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