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「ネットは難しそうだから…」銀行で“NISA口座”を開設した60代女性→1年後、発覚した“思わぬ事実”に驚愕【お金のプロは見た】

  • 2026.4.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「ネットは難しそうだから、窓口で相談しながら開設しました。丁寧に説明してもらえて、安心でしたよ」

そう話してくれたのは、1年前に銀行の窓口でNISA口座を開設したAさん(64歳・女性)。ところが投資に詳しい娘さんに購入した商品を見せたところ、「お母さん、これ手数料めちゃくちゃ高いよ」と指摘され、愕然としてご相談に来られました。

銀行窓口で買うとなぜ手数料が高くなるのか

銀行といえば、多くの人が「安心・信頼できる場所」というイメージを持っているのではないでしょうか。ところが投資商品に関しては、その「安心感」が思わぬ落とし穴になることがあります。窓口のスタッフは丁寧で親切ですが、販売する商品は銀行にとって利益になるものが中心になりがちなのが実態です。

銀行の窓口で販売される投資信託は、購入時に2〜3%の販売手数料がかかる商品が主流です。さらに、保有中も毎年差し引かれる「信託報酬」が年1%を超えるアクティブファンドを勧められるケースも少なくありません。つまり、100万円分買った瞬間に2~3万円が手数料として取られ、その後も毎年1万円を吸われ続けるのです。

一方、ネット証券で買えるインデックスファンドは購入時手数料がゼロ(ノーロード)で、信託報酬も年0.1%台の商品が揃っています。

Aさんが購入した商品は購入時手数料2.5%+信託報酬年1.2%。100万円を投資した時点で、まず2.5万円が手数料として引かれ、さらに毎年1.2%が運用残高から差し引かれ続けます。対してネット証券のインデックスファンドなら購入時手数料ゼロ+年0.1%程度。この差は10年間で数十万円規模になります。

NISAの非課税メリットは本来とても強力ですが、手数料で利益が削られ続ければ、その恩恵は大きく薄れてしまいます。

同じ100万円でも、10年後に大きな差が生まれる

では実際にどれくらい違うのか、数字で見てみましょう。年利4%で運用できたと仮定した場合における、10年後の試算です。

銀行窓口の商品(購入時手数料2.5%・信託報酬1.2%)の場合、実質的なコストを差し引くと手元に残る資産は約120万円ネット証券のインデックスファンド(手数料ゼロ・信託報酬0.15%)の場合は約146万円。

同じ元本・同じ運用利回りでも、10年で約26万円の差が生まれる計算です。「丁寧に説明してもらえる安心料」としては、少々高すぎる金額と言わざるを得ません。

NISA口座は移せる。娘と一緒にやってみた手順

「でも今さらネット証券に変えるなんて、自分には無理…」と感じる方も多いと思います。Aさんも最初はそう話していました。ところが娘さんと一緒に手続きを進めてみたところ、思ったよりずっとスムーズだったそうです。

NISA口座は、年単位で金融機関を変更することができます。手順はおおむね次の通りです。

まず、移転先のネット証券でNISA口座の開設手続きを行います。次に現在の銀行に「金融機関変更のための勘定廃止通知書」を請求します。この書類を新しい証券会社に提出すれば、翌年から新しい口座で積立を始められます。

注意点として、現在の銀行NISAで保有中の商品はそのまま移管できません。売却して新口座で買い直すか、非課税期間が終わるまでそのまま保有するかを選ぶことになります。また手続きには数週間かかるため、早めに動くことが大切です。「娘に教えてもらいながらやったら、1時間もかからなかった」とAさんは振り返っていました。

まとめ

銀行窓口での対面相談には安心感があります。ただ、その安心感のコストが年3%超の手数料という形で何十年も積み重なるとしたら、話は別です。

もうすでに銀行でNISA口座を開設している方も、金融機関を変更できます。今すぐ全部やり直す必要はありませんが、まず自分が持っている商品の手数料を確認することから始めてみてください。「知らなかった」を「知っている」に変えるだけで、老後の資産は大きく変わります。


柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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