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父の生命保険金“1,500万円”を受け取った50代息子→「非課税だから安心」のはずが…後に、税理士から言い渡された“恐ろしい事実”

  • 2026.4.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

生命保険には「500万円×法定相続人」の非課税枠がありますが、すべてが非課税になるわけではありません。

相続財産全体で見たときに税金がかかるケースもあります。

この記事では、実際の相談事例をもとに、「なぜ税金が発生したのか」を数字で整理します。

「非課税のはず」が崩れた瞬間

50代の会社員の方からの相談です。

父親が亡くなり、生命保険金として1,500万円を受け取ることになりました。生前から「生命保険は非課税だから安心」と聞いていたため、このお金には税金はかからないものと考えていました。

家族構成は、母と相談者本人、兄弟1人の合計3人です。
法定相続人は3人となるため、「500万円×3人=1,500万円までは非課税になる」と理解しており、「ちょうど枠内に収まっている」と考えていました。

しかし、相続手続きを進める中で税理士に試算を依頼したところ、想定とは異なる結果が出ます。
父親の遺産は、預金が約2,000万円、自宅不動産が評価額で約3,000万円あり、これらに生命保険1,500万円が加わる形になっていました。

生命保険自体は非課税枠内に収まっていたものの、相続財産全体で見ると基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)=4,800万円を超える状態でした。総額は約6,500万円となり、差額の約1,700万円が課税対象となります。

この課税対象額をもとに計算した結果、相続税の総額は約300万円の試算になったといい、その一部を相談者が負担することになりました。「保険は非課税だから安心」という認識だったため、「結果的に税金がかかる」という事実に強い違和感を覚えたといいます。

また、保険の契約内容も確認すると、契約者と被保険者は父、受取人が子という一般的な形でしたが、「非課税枠だけを見て安心していた」ことが今回のズレにつながっていました。

結果として、1,500万円をそのまま受け取れると思っていたところ、税負担を考慮すると実質的な手取りはそれより少なくなる見込みとなり、「想定と現実の差」を実感することになりました。

“非課税”に潜む落とし穴

生命保険の非課税枠は「500万円×法定相続人」で決まります。

ただし、これはあくまで保険金の一部に対する非課税措置であり、相続全体が非課税になるわけではありません。今回のように、他の財産と合算した結果、基礎控除を超えれば相続税は発生します。

つまり「保険単体」ではなく「相続全体」で判断される点が見落とされやすいポイントです。

また、契約者・被保険者・受取人の組み合わせによっては、相続税ではなく所得税や贈与税の対象となるケースもあるため、前提条件によって結果は変わります。

“手取り”を守るための見直し

重要なのは、「非課税枠があるか」ではなく、「最終的にいくら課税されるか」を全体で把握することです。保険だけでなく、預金や不動産を含めた総額で判断する必要があります。

対策としては、まず現在の保険金額と法定相続人の数から非課税枠を確認します。そのうえで、他の資産を含めた相続全体の試算を行うことが重要です。

また、契約形態によって税金の種類が変わるため、受取人や契約者の設定も含めて見直すことで、将来の負担を調整できる可能性があります。「非課税」という言葉だけで判断せず、仕組みを前提に整理しておくことが必要になるでしょう。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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