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75歳母を“タワマン5階”に住まわせた結果→タワマン20階息子がかえって後悔した“想定外のワケ”

  • 2026.4.17
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

今回は郊外の戸建てで一人暮らしをする母親のケガを機に、自身が住むタワーマンションの低層階へ呼び寄せた男性のエピソードを紹介します。

骨折を機に決断した「エレベーター1本」の近居

タワーマンションの20階に住む40代後半の男性Iさんは、ある日一本の電話を受けました。

「お母さんが自宅の階段で転倒して骨折した」

母親は75歳で、郊外にある築40年の2階建て戸建てに一人で暮らしていました。Iさんは「もう2階には上がれないだろうし、独居のままでは心配だ」と深く悩みます。そんな折、偶然にも自身の住むタワマンの5階で、2LDK(55㎡)の部屋が4,500万円で売りに出されているのを見つけました。

「エレベーター1本で移動できる距離なら、すぐに駆けつけられる」と考えたIさんは、母親と相談を重ねて購入を決意します。

実家の売却益と貯蓄で実現した現金一括購入

親の住み替えで最も大きな壁となるのが、資金面の確保です。Iさんの場合、母親の実家を売却した利益が2,200万円に上りました。そこに母親の貯蓄を合わせ、諸費用(仲介手数料や登記費用など約300万円)を含めた総額約4,800万円を捻出します。

住宅ローンを組まずに済んだことは、月々の返済負担がない分、大きな安心材料となりました。入居後、段差のないフラットな室内と24時間体制の管理員室がある環境で、母親の生活はすっかり安定します。Iさんも「何かあればすぐに顔を見に行けるので、お互いに安心感があります」と笑顔で語っていました。

低層階のメリットと想定以上に重い負担

母親が住む5階には、低層階ならではの利点もありました。エレベーターの待ち時間が短く、地震時の揺れも高層階に比べて小さく済みます。さらに低層階であっても、ラウンジやジムなどの豪華な共用施設を使えるため、生活の質は大きく向上しました。

しかし年金生活を送る母親にとって、想定外の負担も待ち受けていたのです。毎月の管理費と修繕積立金が約35,000円かかり、固定資産税を月割りにすると約13,000円になります。

合計で月に約48,000円という維持費は、年金だけでは賄いきれず、現在はIさんが毎月一部を補填している状態です。また、購入で母親の手元現金を使い切ってしまったことも、将来への不安要素となっています。

老親の呼び寄せで後悔しないための判断基準

将来的に車椅子が必要になった場合、玄関の狭さや長い共用廊下が移動の負担になるというタワマン特有の課題も残されています。高齢の親を呼び寄せる際は、実家の売却益や余剰資金の範囲内で無理なく購入できるかが現実的な判断基準です。

ただし購入費用だけでなく、将来にわたる維持費のシミュレーションを親子でしっかりおこなっておく必要があります。また、同じマンション内に親が部屋を所有すると、管理組合役員の輪番が回ってくる点にも注意が必要です。高齢の親に代わって家族が代理出席できるかは管理規約次第となるため、購入前に必ず内容を確認しておきましょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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