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8階リノベ済み3LDKでも「G出た…」入居から数ヶ月後、30代夫婦を襲った思わぬ落とし穴【一級建築士は見た】

  • 2026.4.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「8階でリノベ済みなら、もうG(ゴキブリ)の心配はあまりないですよね?」

そう考えて、築40年・3LDKのリノベ済み中古マンションを購入したKさん(30代夫婦)。

室内は明るく、キッチンや浴室も新しく、見た目にはほとんど“新築のような住まい”でした。しかも8階なら、地面からも離れているので虫は出にくいだろうと感じていたそうです。

ところが、入居して数か月後、夜のキッチンで黒い影を見かけたといいます。

「リノベ済みだから安心」「高層階だから安心」と思いやすい理由

リノベ済み物件は、床や壁、水回り設備まで新しくなっていることが多く、見た目の印象がとても良いのが特徴です。キッチンも浴室も洗面もきれいだと、「ここなら衛生面も大丈夫そう」と感じやすいでしょう。

また、8階のような高層階では、「地面から遠いから虫も上がってこないだろう」と考えやすいです。たしかに、1階に比べれば地面から直接入り込むイメージは持ちにくいかもしれません。

ただし、Gの出やすさは、今見えている室内の状態や地面からの高さだけで決まるわけではありません。たとえば、次のような経路や理由で入り込むことがあります。

  • 配管まわりのすき間から入る
  • 共用部やダクト、配管を通って移動する
  • 建物全体の古さの影響を受ける
  • 荷物や段ボールに紛れて入る

つまり、「きれいに見える」「高層階だから安心」という印象と、「出ない」ことは別問題なのです。

8階リノベ済み中古でもGが出る“4つの理由”

まず見落としやすいのが、配管まわりのすき間です。キッチンや洗面、トイレでは、配管が床や壁を貫通しています。リノベーションで設備を新しくしていても、この貫通部の処理が甘いと、小さなすき間が残ることがあります。Gはこうしたわずかなすき間も通り道にします。表からは見えにくいため、内見時には気づきにくい盲点です。

次に意識したいのが、部屋は新しくても、建物全体は築年数相応だということです。リノベ済み物件で新しくなるのは、基本的に専有部です。

一方で、共用配管、床下、外壁まわり、ダクトスペースなどは、築40年なら築40年なりの状態を引き継いでいることがあります。室内だけを見ると安心しやすいのですが、建物全体としては“築古”の条件が残っている。この差が、住み始めてからの誤算につながりやすいのです。

さらに、高層階でも建物内部の経路を通って移動する可能性があります。マンションでは、排水管やダクト、共用部の配管スペースなどが縦につながっているため、8階だからといって完全に無縁とは言い切れません。地面から直接上がってくるイメージだけで考えると、この点を見落としやすくなります。

最後に、引っ越し荷物や段ボールから持ち込むケースです。通販の段ボール、スーパーの袋、引っ越し荷物などに紛れて持ち込まれることがあります。「高層階だから安心と思っていたのに、原因は持ち込みだった」ということもありえます。

建物の条件だけでなく、入居後の暮らし方も影響するのです。

購入前・入居前に見たいポイント

では、築古・リノベ済み中古では、どこを見ればよいのでしょうか。内見時には、まず水回りの配管周辺を見ておきたいところです。

あわせて、共用部や廊下、ゴミ置き場が清潔に保たれているか、建物まわりに湿気がこもりやすそうな場所がないか、管理状態が悪くないかも確認材料になります。

特に、次のような点は見ておくと安心です。

  • キッチン・洗面・トイレの配管まわりに不自然なすき間がないか
  • 共用部や廊下、ゴミ置き場が清潔に保たれているか
  • 建物まわりに湿気がこもりやすそうな場所がないか
  • 管理状態が悪くないか

入居前には、シンク下や洗面下の配管まわりをあらためて確認し、すき間が気になる場合は防虫パテなどで塞ぐ方法があります。段ボールは早めに処分し、排水口や水まわりをこまめに清掃することも基本的な対策になります。

入居前にしておきたいことを挙げると、次のようになります。

  • シンク下や洗面下の配管まわりを確認する
  • すき間が気になる場合は、防虫パテなどで塞ぐ
  • 段ボールは早めに処分する
  • 排水口や水まわりをこまめに清掃する

こうした確認は地味ですが、見た目の印象だけでは分からない部分を補ううえで大切です。

「新しく見える」「高層階だから安心」と思い込みすぎないこと

リノベ済み中古の魅力は、内装が整っていて暮らしをイメージしやすいことです。ただ、住み心地を決めるのは、デザインや階数だけではありません。

Gの問題も、単に「部屋がきれいかどうか」「高層階かどうか」ではなく、配管、すき間、建物全体の古さ、周辺環境、管理状態といった条件が重なって起きやすくなります。

築古・リノベ済み中古を選ぶときは、「新しく見える」「高層階だから安心」と思い込みすぎないことが大切です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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