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築25年・3LDKを「相場より500万円安く」購入→入居半年後、40代夫婦が耳を疑った“思わぬ事実”

  • 2026.4.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社での10年以上の売買実務を経て、現在は不動産ライターとして活動しているT.Sです。

中古マンション探しで「相場より明らかに安い物件」を見つけたとき、皆さまならどうしますか。立地も間取りも悪くないのに割安となれば「お買い得だ」と飛びつきたくなるのが人情でしょう。

今回は、相場より約500万円安い“元社宅”マンションを購入したCさん夫婦が、入居半年で直面した大誤算についてお話しします。

「当分は大丈夫ですよ」その一言で契約を決めた夫婦

40代前半のCさん夫婦(子ども2人)が目をつけたのは、築25年・3LDK・2,800万円の元社宅マンション(全50戸)。周辺相場より約500万円安く、営業担当からは「元は大手企業の社宅で、躯体(くたい=建物の骨組み)もしっかりしていますよ」とおすすめされます。

ただ、重要事項説明書には「修繕積立金が築年数に対して不足。将来的に資金不足の懸念あり」との記載がありました。Cさんが「これは大丈夫なんでしょうか」と尋ねると「築古の物件ではよくある記載です。当分は大丈夫だと思いますよ」と言われ、夫婦はそれ以上確認せずに契約を結びます。

積立金が15年間“ゼロ”だった衝撃の事実

入居半年後の総会で「修繕積立金を月額5,000円から2万円に引き上げたい」という議案が出され、Cさん夫婦は耳を疑います。月額が一気に4倍になる提案でした。

「なぜここまで積立金が足りないのか」その原因は、このマンション特有の経緯にあります。

社宅として使われていた最初の15年間は、建物の補修を所有企業がその都度行っており、居住者から積立金を集める仕組み自体がありませんでした。分譲転換後の10年間も月額5,000円と低く据え置かれ、途中の応急修繕にも使われた結果、全50戸の積立残高はわずか約1,200万円。対して大規模修繕の見積もりは約8,000万円にのぼります。

不足分を補うため、各戸から一時金130万円を徴収する案も出ましたが「住宅ローンも抱えて、そんな額は出せない」と反対が続出し否決。最終的に管理組合として金融機関から借り入れ、返済分を上乗せする形で月額4倍の値上げが決まりました。Cさんは「500万円も安く買えたと思ったのに、月々の負担増で逆に損した気分です」と悔やみます。

「管理の空白」を見抜くために

元社宅や賃貸マンションから分譲に転換された物件では、Cさんのケースのように分譲前の期間に修繕積立金が貯まっていないことがあります。築年数の割に積立金の総額が少なければ、将来の大幅値上げや一時金徴収のリスクが潜んでいると考えてみてください。

購入前には、重要事項調査報告書(マンションの管理状況や積立金残高などが記載された書類)で修繕積立金の総額を確認しましょう。さらに総会議事録や、長期修繕計画を仲介業者経由で取り寄せれば、より実態をつかめます。

「相場より安い」物件には、それ相応の理由があります。営業担当の「大丈夫ですよ」を鵜呑みにせず、自分の目で数字を確かめる姿勢が、後悔のない住まい選びにつながるでしょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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