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新築から8年ほど経つRさん宅。家族から「何だかリビングが狭くなったね」と指摘された“意外な盲点”

  • 2026.4.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

新しく買った家具を部屋に置いてみたら全体の印象が変わってしまったということ、ありませんか?家具の配置は部屋全体の開放感を大きく左右します。

今回は、ある事例を通して、インテリアアイテムの上手な配置術を紹介します。

収納力は増えたものの…

自宅の新築から8年ほど経つRさん宅。大きな掃き出し窓から自然光がたっぷり入る広々としたLDKが自慢です。しかし、徐々に物が増えてきて収納しきれないことが気になるようになってきたRさんは、新しい収納家具を購入しました。

選んだのは、高さ2mほどの大型収納家具です。収納力は大幅に上がり、積み重ねてあった雑誌やこまごまとしたアイテムを収納することができました。

すでに持っている収納家具と同じシリーズで買い足したため、丸々あいていた1面の壁に沿って並べると、奥行きの凹凸も出ずすっきり。リビングの中央部分は広くあけて、ソファとラグをゆったりと配置し、家族が集まりやすいレイアウトになりました。

しかし、家族からは「何だかリビングが狭くなったね」との指摘が。

そう言われてみると、以前はなかった圧迫感があります。収納スペースが増えて物をすっきりしまえたことに満足していたRさんは「家具を1つ増やしただけなのに…」と困惑してしまいました。

部屋の開放感を決める「視線の通り道」

部屋の広さや天井の高さは同じなのに、実際より広く見えたり逆に狭く見えたりする理由はいくつかあります。

今回のRさんの場合は、「視線の通り道」がポイントでした。

Rさん宅のLDKは、廊下から庭に向かって、キッチン・ダイニング・リビングと並んでいるいわゆる縦長LDKという間取りです。横幅が狭めである一方で、奥行きが長いため庭まで視線がストレートに通り、開放感が生まれていました。

その開放感が薄れてしまった原因は、新しく購入した高さ2mの収納棚をLDKの手前に配置したことです。

廊下から入った時やキッチンに立った時、背の高い収納家具が手前にあることで視線の通り道が狭まり、圧迫感を生んでいたのです。

1つの空間の中に高さの異なる家具を複数置く場合、その高低差によって背の高い家具の存在感がより強調されやすくなり、視線が通りにくくなる点に注意が必要です。

座った時の視線の高さもチェック

Rさん宅の場合、もう1つ開放感を失いやすい原因がありました。

ダイニングで食事をする時や、リビングのソファに座ってくつろぐ時に、購入した背の高い家具が視界に入って何となく気になってしまう配置になっていたのです。

高さ2mというとほとんどの人にとっては立った状態でも仰ぎ見る高さですから、座るとさらに圧迫感を覚えてしまいます。背の高い家具を置く時は、座って過ごす際の視線の高さを確認し、なるべく視界に入らない位置に置きましょう。

レイアウトが自由にならない時は?

窓の位置や間取りの関係で、背の高い家具を置ける場所が入り口近くしかないという場合は、まず家具を選ぶ時にできるだけ圧迫感が出にくい商品を選んでください。

もっとも簡単なのは、壁の色に近い色の家具を選ぶこと。手前に置かざるを得なくても、壁に同化しているように見えるので、家具そのものの存在感を抑えられます。

扉や背板がないデザインの収納家具を選ぶのも、狭さを感じさせない方法として効果的です。扉付きよりも扉なし、キャビネットタイプよりも棚板タイプのデザインなら、家具本体の厚みを感じにくくなります。

どちらも、家具の存在感を抑えることで視線がすっと奥まで通るようになる方法です。「家具を買い足したいけれど狭く見えそう」と気になっている方は、視線の通り道を狭めない方法を実践してみてください。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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