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「思わず耳を疑った…」大事故で愛車を失った39歳女性→2年後に“時速60キロ”で爆走し、迎えた最悪の結末

  • 2026.4.23
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

北海道の厳しい冬道で、吹雪のなか愛車を廃車にしてしまった39歳の女性。命の危険すら感じるほどの恐ろしい経験だったにもかかわらず、彼女はその2年後、再び冬道で事故を起こしてしまいます。普通に考えれば、一度あれほどの思いをしたなら、同じような失敗は二度と繰り返さないはずです。

では、なぜ彼女は再び事故に遭ってしまったのでしょうか。そこには、誰にでも起こりうる油断と、人が失敗を重ねてしまう現実がありました。この出来事をたどると、冬道の怖さだけでなく、同じ過ちを防ぐために本当に必要な教訓も見えてきます。

猛吹雪のなかで起きた、愛車を失うほどの大きな事故

北海道で暮らしていた39歳の女性から、先日、思わず耳を疑うようなお話を伺う機会がありました。彼女はかつて、吹雪のなかで車を廃車にするほどの大きな事故を経験しています。ところがその後、再び同じ車種の車を購入し、さらに2年後、その新しい車でも今度はアイスバーンで事故を起こしてしまったというのです。

一度命の危険を感じるような事故を経験すれば、同じような失敗はもう二度と繰り返さないようにも思えます。けれど、彼女の話をたどっていくと、雪国での運転に潜む怖さと、人が慣れのなかで少しずつ油断してしまう現実が見えてきました。

彼女が当時暮らしていたのは、北海道の自然豊かな地域でした。日々の生活には車が欠かせず、買い物に行くにも移動するにも、車は生活の足として欠かせない存在だったそうです。北海道の冬と聞くと、しんしんと雪が降り積もる静かな風景を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、彼女の住んでいた地域はそうしたイメージとは少し異なっていました。とにかく風が強く、雪がただ積もるのではなく、強風によって巻き上げられ、視界を一気に奪ってしまうような土地だったのです。場所によっては道路に雪が吹きだまりのようにたまり、見た目にはわかりにくい危険が突然現れることも珍しくなかったといいます。

そんな過酷な環境のなかで、最初の事故が起きたのは、ある年の2月のことでした。当時、彼女が乗っていたのは初代ヴィッツ。もちろん冬に備えてスタッドレスタイヤは装着していましたが、道路脇には1メートル近い雪が積もり、その日も強い風が吹き続けていたそうです。

地吹雪のなかを走っていたときのことでした。前方は白くかすみ、少し先の道路状況もつかみにくいほど視界が悪くなっていたといいます。さらに、風で飛ばされた雪が道路の一部に吹きだまりをつくっており、どこが通常の路面で、どこに雪がたまっているのかが瞬時には見分けにくい状態になっていました。そうしたなかで車が吹きだまりに差しかかり、視界不良と路面状況の悪さが一気に重なったことで、彼女は大きな事故を起こしてしまいます。

突然コントロールを失うようなかたちで起きたその事故によって、車は無惨にも廃車となってしまいました。また、この事故で同乗者が怪我をしてしまったことや、過去に軽微な交通違反で取り締まりを受けたことがあったため、それらが重なって彼女自身も90日間の免許停止処分を受けることになってしまったのです。

なぜ彼女は、再び同じ車を求めたのか

事故の直後、彼女は運転そのものが嫌になってしまうほど、大きなショックを受けていたそうです。命に別状はなかったとはいえ、車は廃車となり、自身も免許停止処分を受けることになったのですから、その衝撃は相当なものだったのでしょう。とはいえ、車が生活に欠かせない地域で暮らしている以上、いつまでも運転を避けたまま過ごすわけにはいきませんでした。

その後、彼女は必要な講習を受け、免許が手元に戻ってきたのは夏を迎える少し前のことだったといいます。事故からしばらくのあいだ運転から離れていたことで、少しずつ気持ちも落ち着きを取り戻していったと、彼女は振り返ってくれました。

そして免許が戻り、あらためて車が必要になった彼女は、中古車を購入することにします。そのとき、彼女があえて選んだのは、以前とまったく同じ仕様で、色まで同じヴィッツでした。

あれほど大きな事故を経験したにもかかわらず、なぜ再び同じ車を選んだのか。そう不思議に思う方もいるかもしれません。ご本人によれば、当時は車そのものにあまり興味がなく、あれこれ選ぶのが面倒だったという、率直で現実的な理由があったそうです。

ただ、理由はそれだけではなかったようです。当時を振り返りながら、少なからずその車に愛着もあったのだと思う、と語ってくれた言葉が印象に残りました。単に選ぶのが面倒だったというだけではなく、失ってしまった車や、事故が起きる前の平穏な日常を、どこかでもう一度取り戻したい。そんな気持ちも、彼女のなかにはあったのかもしれません。

天候ではないという安心感が招いた、2度目の過信

以前と同じ色の新しい車との生活が始まり、彼女は少しずつ元の日常を取り戻していきました。事故の記憶は簡単に消えるものではなかったはずですが、それでも時間の経過とともに、運転は再び生活の一部になっていったのでしょう。ところが、そんな日々を送るなかで、2年後の12月、彼女は再び試練に直面することになります。

その日の路面はアイスバーンだったそうです。ただ、空模様は荒れておらず、視界も十分に確保されていました。1回目の事故が起きた地吹雪の日と比べれば、はるかに穏やかな冬道だったと彼女は振り返ります。だからこそ、そのときはどこかで「今日は大丈夫だろう」と思ってしまっていたのかもしれません。

そして、そのときの速度は時速およそ60キロ。彼女は今でも、その数字をはっきり覚えているといいます。

走行中、突然目の前に吹きだまりが現れました。防雪柵と防雪柵のあいだにできた、小さな吹きだまりだったそうです。決して大きなものではなかったといいますが、それを視界に捉えた瞬間、体は反射的にブレーキを踏んでいました。

しかし、その一踏みが決定的でした。次の瞬間、タイヤは滑り始め、車は一気に不安定になります。ハンドルを切っても思うように反応せず、凍った路面の上で車はみるみる制御を失っていきました。頭では立て直そうとしていても、車はもう自分の意思通りには動いてくれなかったそうです。

1回目の事故で、冬道の恐ろしさは身をもって知っていたはずでした。にもかかわらず、そのとき彼女は「吹雪ではない」というだけで、すっかり安心してしまっていたと語ります。視界が良く、空も荒れていない。前回とは条件が違うと思ったことで、危険に対する感覚が少し緩んでしまっていたのでしょう。

頭ではわかっていても、「今日は大丈夫」と思ってしまう瞬間がある。一度大きな失敗を経験した人であっても、条件が少し変わるだけで油断してしまうことがあるのです。このエピソードの生々しさは、まさにそこにあります。だからこそ、この話は決して特別な誰かの失敗談ではなく、誰にとっても他人事ではないように感じられるのかもしれません。

2度の失敗が教えてくれた、冬道との正しい向き合い方

2回目の事故のあと、彼女はその車を手放さず、50万円をかけて修理する道を選びました。ここまでくると、「なぜ買い替えなかったのだろう」と不思議に思う方もいるかもしれません。

当時の彼女は、以前より車そのものにも興味を持つようになっており、買い替えるべきか、それとも修理して乗り続けるべきか、実際にかなり迷ったそうです。ただ、最後に判断の軸になったのは、意外にもとてもシンプルなものでした。「50万円で直るなら直す。直らないなら買う」。決して完璧に合理的な判断とは言えないのかもしれませんが、そうした少し曖昧な基準もまた、当時の彼女らしい、とても人間味のある決断だったように思えます。

そして、当時修理という選択をした彼女ですが、現在はSUVに乗って暮らしているそうです。それは流行や見た目の好みだけで選んだものではなく、あのとき自分を苦しめた吹き溜まりに負けないような力強さを、無意識のうちに求めていたのかもしれないと話してくれました。また、アイスバーンでタイヤが滑り、車が思うように制御できなくなったあの感覚は、今でもはっきり体に残っているそうです。そのため、冬道でわずかでも横滑りの気配を感じると、人一倍敏感に反応するようになったといいます。

2度の事故が彼女に残したものは、決して小さくありませんでした。金銭的にも精神的にも、安いとは到底言えない代償だったはずです。それでも彼女は、あの経験があったからこそ、今の慎重な運転や安全への意識につながっているのだと語ってくれました。

「わかったつもり」でいるときこそ、実は一番危ういのかもしれません。彼女の話を聞きながら、そんなことをあらためて考えさせられました。私たちもまた、自分のなかにある小さな過信に気づき、静かに向き合ってみる必要があるのではないでしょうか。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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