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パンチくんで大人気『市川市動植物園』安永課長が打ち破る「前例踏襲」の壁、「市役所」が本気でSNSを動かすとき

  • 2026.3.23
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「おはようございます。中の人、安永です。(園長ではなく課長です)」。3月20日、三連休の初日、市川市動植物園の公式Xは明るく頼もしい挨拶で幕を開けました。 パンチくん人気で過熱する園内の秩序を守り、なおかつファンの熱量を削がない。この絶妙な舵取りを担う安永崇課長の発信力こそが、今の「パンチくん旋風」を支えています。

「図書館」から「動物園」へ。積み上げられた知見

安永課長のこの行動力、実は前職の市川市中央図書館長時代にも発揮されています。お堅いイメージのある図書館で次々とユニークなイベントを仕掛け、市民を呼び込んだのです。そこで培われた「公共施設をいかに面白く、身近にするか」という視点が、今の市川市動植物園の広報戦略に色濃く反映されています。

「お役所仕事」を飛び越えるスピード感

本来、自治体が運営する施設において、新しいルールの策定や設備の変更には膨大な「時間」と「手続き」を要します。 しかし、市川市動植物園の対応は驚くほど迅速です。

混雑が予想されれば即座に「バリケード」を補強し、観覧の「10分ルール」を明文化。さらに、新施設「おさるーむ」の建設ではクラウドファンディングを成功させるなど、行政特有の「前例がない」という壁を次々と突き破ってきました。

3/20(金)の入園者数は約3,100人。
「穴場の日」の割には多かったですね。

今日からオープンした共有放餌場「おさるーむ🐒」
広々とした日当たり良好の部屋と迫力の空中回廊!
昨年夏のクラファン達成で作りました。
これからも皆様のお力添えをお願いします!#市川市動植物園 pic.twitter.com/bvD7KYrzv0

— 市川市動植物園(公式) (@ichikawa_zoo) March 20, 2026

週末5,000人をさばく「現場の熱量」

決して大規模とはいえない市川市動植物園に、週末には5,000人近い来園者が訪れることもあります。この膨大な「人出」を大きな事故なくさばき切れているのは、もはや奇跡に近いといえます。

それは、安永課長が現場の飼育員や警備員と情報を共有し、それをすぐさまSNSで公開していることも理由の一つでしょう。

「今、混んでいます」「傘より合羽が助かります」「ルールを守ってください」…。 こうした率直なコミュニケーションが、来園者を「単なるお客さん」から「園を一緒に守るパートナー」へと変えているのかもしれません。

地方創生のヒントがここにある

パンチくんという一頭のサルの物語を、一過性のブームに終わらせない。そのために、組織として「受け皿」を全力で作る。 安永課長の挑戦は、単なるSNS活用術ではありません。

地方自治体は、変わることができる。市川市動植物園の今回の例は、日本の行政広報や地方創生の新しいモデルケースになるのかもしれません。

ライターコメント

「課長です」という自己紹介に和んだ人も多いのではないでしょうか。 週末に数千人が押し寄せるという、ある種の「パニック」になりかねない状況を、ユーモアと毅然とした態度で乗り切る。このバランス感覚こそが、パンチくんを安心して応援できる環境を作っています。私たちファンもまた、その「中の人」の奮闘に応える観覧マナーを持っていたいですね。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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