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心当たりがないのに1年前より「空腹時血糖値」高い…見落としがちな“5つの原因”とは【糖尿病専門医が解説】

  • 2026.3.21
空腹時に血糖値が上がる理由とは(画像はイメージ)
空腹時に血糖値が上がる理由とは(画像はイメージ)

毎年、健康診断を受けている人は多いと思います。食事量や飲酒量を増やしたり、日頃から暴飲暴食を繰り返したりしているわけではないのに、健康診断を受けた際、1年前より空腹時血糖値が高くなっていた経験はありませんか。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。空腹時血糖値が上がる原因や対処法などについて、「三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック」(東京都三鷹市)院長で、糖尿病専門医の田中祐希さんに聞きました。

睡眠不足やストレスも血糖値を上げる原因に

Q.そもそも、空腹時血糖値が上がる原因について、教えてください。

田中さん「空腹時血糖値は通常、血糖値を下げるホルモンの『インスリン』、血糖値を上げるホルモンである『グルカゴン』などで適切な範囲に保たれています。インスリンを作る能力が十分に保たれていれば空腹時血糖値は1デシリットル当たり70~99ミリグラム程度に保たれます。

しかし、加齢とともに膵臓(すいぞう)がインスリンを作る能力が低下したり、体脂肪の増加によってインスリンの効きが悪くなったりすると、空腹時血糖値は徐々に上昇します。1デシリットル当たり100~109ミリグラムの正常高値、110~125ミリグラムの境界型糖尿病域を経て、126ミリグラム以上になると糖尿病域と診断されます。空腹時血糖値が上がる主な要因は次の5つです」

(1)加齢による膵臓のインスリン分泌機能の低下血糖を下げるインスリンは膵臓で作られますが、加齢に伴い、その製造能力は徐々に低下していきます。これは家系の影響も大きく、不摂生や肥満がない人でも徐々に空腹時血糖値が上がるケースは珍しくありません。

(2)肥満、体脂肪の増加による「インスリン抵抗性」の上昇体脂肪が増えていくと、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が上がります。すると、膵臓は血糖を抑えるために余計にインスリンを作らざるを得なくなり、結果的に膵臓が疲弊して、インスリンを作る力の低下にもつながっていきます。

(3)睡眠不足、ストレスによる自律神経の乱れ多忙や不眠、『睡眠時無呼吸症候群』などで睡眠の質が悪いと、自律神経が交感神経優位(興奮状態)となります。リラックスできず血糖値が上がることになります。

(4)日中の運動量の減少日中の運動が多いと、エネルギーとして糖質が利用されるため、1日を通して血糖値が下がりやすくなります。つまり空腹時の血糖値も下がりやすくなります。逆に運動量が以前と比べて減ると、空腹時血糖値も上がりやすくなります。

(5)前日の夕食の脂質量食事中の脂質は、食後6~12時間後に血糖値を上げやすい性質があります。夕食に油分が多い食べ物を取り過ぎると、翌日朝の空腹時血糖値を上げる可能性があります。

Q.食事量や飲酒量が増えているわけではないのに、健康診断を受けた際、空腹時血糖値の数値が1年前よりも高い人がいます。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

田中さん「この場合、加齢とともに膵臓のインスリン機能が低下してきている可能性、転職や転勤で職場環境が変わったことが原因の可能性が考えられます。例えば、通勤ルートが変わることで運動量が減ってしまい、体脂肪が増えてしまうケースがあります。

また、睡眠時間が減っていることやストレスの増加も空腹時血糖値に関係することがあります」

Q.このほか、健康診断の空腹時血糖値が1年で10程度上がった人がいますが、この場合についてはいかがでしょうか。

田中さん「まずは健診前日に脂質が多い食べ物を摂取していなかったかどうかを確認してください。その上で、次回、健診を受けるときは前日の夕食に脂質が少ない食事を選び、脂質の影響を受けない状態で評価できるようにすると良いでしょう。

また1年前と比べて体脂肪が増えていないか確認して、増えている際は食事量が増え過ぎていないか、運動量が減っていないかを見直してみましょう。

その他、睡眠時間が減っているようであれば、睡眠時間の確保を、同居者に睡眠時のいびきや無呼吸を指摘されるようであれば睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみましょう。ストレスが増えていると感じる際は、環境を変えられないか考え、良い息抜きを確保して十分リラックスできる時間を作りましょう」

オトナンサー編集部

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