1. トップ
  2. 恋愛
  3. 同窓会で元カノを「黒歴史」と笑ったあの夜、本当に消したかったのは自分の10年間だった

同窓会で元カノを「黒歴史」と笑ったあの夜、本当に消したかったのは自分の10年間だった

  • 2026.3.15
ハウコレ

あの場で口にした「黒歴史」という言葉。本当は、誰よりも忘れられずにいたのは自分のほうでした。

同窓会の知らせ

彼女が来る。その情報だけで、同窓会に行くかどうか一週間悩みました。大学1年の冬に「合わないと思う」と振られてから10年。正直に言えば、あのときの傷はまだ消えていません。

あれから何人かと付き合いましたが、長続きしませんでした。どこかで彼女と比べてしまう自分がいて、相手にもそれが伝わっていたのかもしれません。今は一人暮らしのまま、仕事に追われる毎日です。「別に気にしてない」と自分に言い聞かせて、参加の返事を送りました。

見てしまった左手

会場に着いて、すぐに彼女を見つけました。10年前よりずっと綺麗になっていて、穏やかに笑っている。そして左手の薬指に、小さな指輪が光っていました。

結婚したんだ。幸せなんだ。もう自分の手の届かない場所にいる人が、誰かと笑い合っている。その事実がうまく飲み込めなくて、ビールを一気に流し込みました。酔いの勢いか、見栄か、それとも10年分の悔しさか。気づけば友人たちの前で口が動いていました。「いや俺さ、あいつと付き合ってたの完全に黒歴史なんだよね」。笑いながら言ったつもりでした。でも、自分の声がどこか震えていたのを、自分だけが知っています。友人の一人が気まずそうに目をそらしたのが、視界の端に見えました。

暴かれた嘘

彼女の親友が目の前に立ったとき、嫌な予感がしました。あの夜のことを、彼女は知っているはずです。別れた直後、プライドも何もかなぐり捨てて、泣きながら電話をかけて「やり直したい」と縋った夜のことを。

「ねえ、別れたあと夜中に泣きながら電話してきて『やり直したい』って言ってたの、誰だっけ?」。その一言で、周囲の空気が変わりました。さっきまで一緒に笑っていた友人たちが黙り、誰かが小さく吹き出すのが聞こえました。今度は、笑われているのは自分のほうでした。黒歴史だと笑った相手に、10年間ずっと未練を残していた男。それが本当の自分の姿でした。

そして...

同窓会がお開きになった帰り道、意を決してLINEを送りました。「さっきは言い過ぎた。ちょっとだけ会えないかな」。送信してから、心臓がうるさいくらい鳴っていました。本当は謝りたかっただけではありません。もう一度、ちゃんと話がしたかった。10年分の気持ちを伝えたかった。あの頃うまく言えなかったことを、今なら言葉にできる気がしていました。

返信はすぐに来ました。「ごめんね、黒歴史の人とは会わない主義なの」。

駅のホームのベンチに座って、しばらく動けませんでした。電車が一本、また一本と通り過ぎていきます。黒歴史だったのは、彼女との過去じゃない。彼女を忘れられない自分を誤魔化し続けた、この10年間のほうでした。

(30代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる