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Bリーグの聖地・横浜アリーナで横浜ビー・コルセアーズが初のホームゲーム。苦難を越え “12,699人”の前で刻んだ新たな歴史【PickUp B.LEAGUE】

  • 2026.3.12

横浜アリーナは、Bリーグ王者を決めるファイナルが幾度となく開催されてきた歴史を持つ。いわば“聖地”だ。
そんな舞台で、クラブ創設15周年を迎えたB1の横浜ビー・コルセアーズが、Bリーグのクラブとして初めてレギュラーシーズンのホームゲームを開催した。
第24節のGAME1(3月7日)には、クラブ最多となる“12,699人”が来場。アリーナは大歓声に包まれた。試合は惜敗に終わったものの、この会場と縁の深い安藤誓哉も過去の記憶を思い起こした様子。
幾多の苦労を乗り越えてきたクラブの晴れ舞台に、感慨深いファンも多かったはずだ。

過去8度のBリーグファイナルのうち、6度の開催

Bリーグの年間優勝クラブを決める「Bリーグ ファイナル」の歴史は、開幕初年度の2016-17シーズンにさかのぼる。

初開催は国立代々木競技場第一体育館。栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)が一発勝負を制して初代王者に輝いた。

それ以降、舞台は横浜アリーナへ移る。2017-18シーズン、2018-19シーズンにはアルバルク東京が2連覇を達成。今シーズンより横浜ビー・コルセアーズに所属する司令塔の安藤誓哉(#3/181cm/PG)も、その優勝に貢献した一人だった。

コロナ禍により2019-20シーズンはシーズンが打ち切りになったが、2020-21シーズンからファイナルは2戦先勝方式となり、千葉ジェッツが悲願の初優勝を果たす。

2021-22シーズンは横浜アリーナの改修工事のため東京体育館で開催され、宇都宮ブレックスが2度のチャンピオンになった。2022-23シーズンには舞台が再び横浜アリーナに戻り、琉球ゴールデンキングスが初のリーグ制覇。
2023-24シーズンは広島ドラゴンフライズ、昨シーズンは宇都宮ブレックスが3度目の優勝を果たした。

今シーズンも、5月23日(土)から26日(火)にかけて2戦先勝方式で10シーズン目の頂上決戦が行われる予定だ。

これまで実施された8回のファイナルのうち、実に6回が横浜アリーナで開催されている。その歴史こそが、この会場を“聖地”と言われるゆえんなのだ。

ビーコル最多の“12,699人” 経営や降格危機を乗り越えた先の美しい景色

画像: ©B-CORSAIRS
©B-CORSAIRS

そんな聖地で、3月7日・8日、横浜ビー・コルセアーズがB1 第24節のホームゲームを開催した。Bリーグのクラブがレギュラーシーズンのホームゲームとして横浜アリーナを使用するのは初めてのことだ。

2011-12シーズンにbjリーグ(当時)へ参入してから、クラブは今年で15周年。河村勇輝(現シカゴ・ブルズ)の加入をきっかけに近年大きく飛躍を遂げたが、その歩みは決して平坦ではなかった。

bjリーグ時代の2012-13シーズンにはリーグ優勝を果たしたものの、その後は経営難にも直面。Bリーグ開幕後もB2降格の危機を何度も経験するなど、苦しい時期を乗り越せてきたクラブでもある。

チーム名「コルセアーズ」の意味は“海賊達”、“海賊船団”。その航海は荒波の連続だったと言えるだろう。
だからこそ、第24節のGAME1で横浜アリーナに詰めかけた12,699人の光景は、選手、関係者、そしてファンにとって特別な意味を持った。

指揮を執って2シーズン目のラッシ・トゥオビHCも「正直に言います。この環境は本当に美しいです」と口にした。

試合前の鐘を鳴らすセレモニーでは、フォークデュオ「ゆず」の北川悠仁さんが登場。横浜から活動を始めたアーティストが、同じ街を本拠地とするクラブの特別な一戦に花を添えた。

画像: ©B-CORSAIRS 試合前の鐘を鳴らすセレモニーに登場した、フォークデュオ「ゆず」の北川悠仁さん
©B-CORSAIRS 試合前の鐘を鳴らすセレモニーに登場した、フォークデュオ「ゆず」の北川悠仁さん

最後まで手に汗握る激戦

試合は最後まで手に汗握る好ゲームだった。東地区8位の横浜BCに対し、迎え撃つレバンガ北海道は同4位。過去にはB1残留争いを繰り広げたこともあったが、今シーズンは日本代表のエースシューター・富永啓生や、元NBAプレーヤーのジャリル・オカフォーら大型補強で戦力を強化している。

それでも横浜BCは1クォーターからダミアン・イングリス(#4/204㎝/PF・C)のインサイドで得点を奪い、キーファー・ラベナ(#15/183㎝/PG・SG)らが3ポイントシュートを射抜くなど、25-25と互角の立ち上がり。

画像: キーファー・ラベナ(#15/183㎝/PG・SG) ©B-CORSAIRS
キーファー・ラベナ(#15/183㎝/PG・SG) ©B-CORSAIRS

2クォーターには「Go Goビーコル!」の大声援が響き渡り、ディフェンスから速攻を連発。52-49とリードを奪った。

後半も接戦は続く。

森井健太(#18/178㎝/PG)、キング開(#23/185㎝/PG・SG)らが富永にタイトなディフェンスを仕掛け、3ポイントシュートを封じる。攻めてはイングリスを中心に得点を重ね、73-71と2点リードで最終クォーターへ。

残り7分3秒、キングのパスを受けた安藤が3ポイントシュートを射抜いて、84-77と7点差をつける。

画像: 安藤誓哉(#3/181cm/PG)©B-CORSAIRS
安藤誓哉(#3/181cm/PG)©B-CORSAIRS

しかし、北海道は強かった。

最後の10分間で富永の長距離砲が着火して、3本の3ポイントシュートを含む15得点の猛攻を見せ、残り3分で逆転。横浜BCもラベナのドライブなどで食い下がったが、最後は98-100で惜敗した。

思い出の横浜アリーナで惜敗。安藤誓哉が語った特別な舞台

試合後の会見では、特別な舞台を勝利で飾れなかった悔しさがにじんだ。

トゥオビHCは「本当にいい試合だったと思います。(バイウィーク明けの)フレッシュな形でアグレッシブにバスケットボールができました。先ほどブースターの皆さんの前で話したように、素晴らしい環境で、10,000人を超えるアリーナでプレーできたことを誇りに思います。本当に2点差で負けてしまったところは悔しいです」と総括。

アルバルク東京時代、この会場で連覇を経験している安藤も特別な思いを語った。

「横浜アリーナは、プレーオフで勝ち上がってファイナルに行かないと(試合が)できない場所。僕としても非常に思い入れのある場所でした。ウォーミングアップのときからね、ここでプレーできたことが少し懐かしくも思っていました。試合は……勝ちたかったんですけど……。本当に2連覇したときの思い出はありました」

チームは、8日のGAME2も72-92で敗れ、横浜アリーナでの勝利はならなかった。

それでも2日間の観客数は合計24,000人を越えた。

かつてbjリーグ時代、優勝後であってもホームの横浜国際プールに数百人規模の日もあったことを思えば、この光景はクラブの歩みそのものだ。

横浜に根付き、多くのファンから愛されるクラブへ。「YOKOHAMA ARENA THE GAME」はその成長を印象づける2日間になった。

次にこの舞台に立つとき、大観衆に報いる白星を海賊たちが届けてくれるはずだ。

他会場の結果

B1は今シーズン最後のバイウィークが明け、第24節からレギュラーシーズンの終盤戦に突入した。チャンピオンシップに進出できるのは、26チーム中わずか8クラブ。各地区上位2クラブとワイルドカード4クラブで争われる。

東地区では、上位2クラブの宇都宮ブレックスとアルバルク東京がいずれもアウェーで2連勝をマーク。とりわけアルバルク東京はディフェンスを武器に、平均得点が90点を超える西地区首位の長崎ヴェルカを70点に抑える見事な試合を見せた。

一方で、西地区首位の長崎ヴェルカは今シーズン初の同一カード2連敗。地区優勝に向けて点灯しているマジック「18」は減らなかった。そして追走する2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズはアウェーで茨城ロボッツに2連勝。69-72で勝利したGAME2は、4クォーターに23点差をひっくり返す底力を見せている。

【結果】B1 第24節

2026年3月7日 / 3月8日
・秋田 98-101 A千葉 / 秋田 74-85 A千葉
・横浜BC 98-100 北海道 / 横浜BC 72-92 北海道
・三河 83-70 富山 / 三河 103-69 富山
・FE名古屋 91-95 三遠 / FE名古屋 69-91 三遠
・琉球 81-78 島根 / 琉球 80-64 島根
・大阪 82-90 千葉J / 大阪 78-94 千葉J
・広島 92-89 越谷 / 広島 99-65 越谷
・佐賀 87-90 宇都宮 / 佐賀 82-87 宇都宮
・茨城 69-97 名古屋D / 茨城 69-72 名古屋D
・群馬 65-67 京都 / 群馬 92-68 京都
・川崎 84-72 滋賀 / 川崎 56-79 滋賀
・長崎 78-93 A東京 / 長崎 70-91 A東京
2026年3月8日 / 3月9日
・SR渋谷 92-82 仙台 / SR渋谷 85-97 仙台

【順位表】B1 第24節終了時点(2026年3月9日)

・CS進出ラインあり。★はワイルドカード
東地区
1位|宇都宮ブレックス|31勝10敗(.756)
2位|アルバルク東京|29勝12敗(.707)
-------------------------------------------CS進出
3位|千葉ジェッツ|29勝12敗(.707)★
4位|レバンガ北海道|29勝12敗(.707)★
5位|群馬クレインサンダーズ|25勝16敗(.610)
6位|仙台89ERS|24勝17敗(.585)
7位|サンロッカーズ渋谷|17勝24敗(.415)
8位|横浜ビー・コルセアーズ|15勝26敗(.366)
9位|越谷アルファーズ|15勝26敗(.366)
10位|アルティーリ千葉|14勝27敗(.341)
11位|茨城ロボッツ|12勝29敗(.293)
12位|川崎ブレイブサンダース|10勝31敗(.244)
13位|秋田ノーザンハピネッツ|7勝34敗(.171)
西地区
1位|長崎ヴェルカ|33勝8敗(.805)
2位|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|32勝9敗(.780)
--------------------------------------------CS進出
3位|シーホース三河|28勝13敗(.683)★
4位|琉球ゴールデンキングス|28勝13敗(.683)★
5位|広島ドラゴンフライズ|25勝16敗(.610)
6位|三遠ネオフェニックス|22勝19敗(.537)
7位|佐賀バルーナーズ|21勝20敗(.512)
8位|島根スサノオマジック|21勝20敗(.512)
9位|大阪エヴェッサ|15勝26敗(.366)
10位|ファイティングイーグルス名古屋|15勝26敗(.366)
11位|滋賀レイクス|14勝27敗(.341)
12位|京都ハンナリーズ|12勝29敗(.293)
13位|富山グラウジーズ|10勝31敗(.244)

文=大橋裕之 / 写真=横浜ビー・コルセアーズ

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