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インフルエンザA型とB型では対策が違うの?クリニック理事長林裕章先生にお伺いしました

  • 2026.3.8

インフルエンザA型、B型というけれど、どんな違いがあるの?対策方法も変わってくる?子どもがかかりやすいのはどっち?そんな疑問について、林外科・内科クリニック理事長の林裕章先生にお伺いしました。

ママ広場

お子さまの体調不良は、親御さんにとって何よりも心配な種ですよね。特に冬から春先にかけて猛威を振るう「インフルエンザ」のニュースが流れると、「うちは大丈夫かな?」と身構えてしまう方も多いはずです。

最近では「今はB型が流行っている」「次はA型がくるかも」といった情報を耳にすることもありますが、そもそも「A型とB型の違い」を詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。

今回は、お子さまを持つ保護者の方に向けて、インフルエンザA型とB型の違いや、予防のポイント、そして「これってどうなの?」という素朴な疑問について、分かりやすく解説していきます。

インフルエンザ「A型」と「B型」は何が違うの?

インフルエンザウイルスには、大きく分けてA型・B型・C型などの種類があります(D型もありますが、主に家畜に感染するものです)。A型もB型も『季節性インフルエンザ』の主役で、症状や基本的な対策はかなり似ています。違いが出るのは主に「ウイルスの性質(変化の仕方・広がり方)」です。

インフルエンザA型:変化が激しい「流行の主役」

A型は、インフルエンザの中でも最も一般的で、世界的な大流行(パンデミック)を引き起こす力を持っています。

特徴
ウイルスの形をどんどん変える(変異する)のが得意です。ウイルス表面の『目印』の組み合わせでH1N1、H3N2 のように「亜型(サブタイプ)」に分かれます。そのため、一度かかっても、また違う型のA型にかかってしまうことがあります。しかも人だけでなく、鳥や豚など動物にも広く存在し、その影響でウイルスが大きく変化しやすい(=流行が大きくなり得る)特徴があります。

症状
38度以上の急激な高熱、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感など、全身症状が強く出やすいのが特徴です。

流行時期
例年、12月〜1月の「冬の真っ只中」に流行のピークを迎えることが多いです。

インフルエンザB型:お腹の症状が出やすい「春先の伏兵」

B型は、A型に比べるとウイルスの形が安定しており、大流行はしにくいといわれていますが、年によってB型が優勢になることがあります。

特徴
A型が落ち着いてきた2月〜3月頃に流行することが多いです。

症状
高熱が出ることもありますが、回復までだるさが続いたり、熱が長引いたりすると感じる人もいます。また、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状を伴いやすいといわれています。

流行時期
冬の終わりから春先にかけて注意が必要です。

それぞれかかりやすい人、かかりにくい人はいるの?子どもがかかりやすい方はどちら?

「A型だから子ども、B型だから大人」というようにきっぱり分けるのは難しいです。流行している型が地域や時期で変わるので、「そのシーズンに増えている型に、みんながかかりやすくなる」というのが実際に近いです。

小児は集団生活での接触が多く、どちらの型でも感染が広がりやすいのは共通です。
インフルエンザに対する免疫(抵抗力)は、過去にかかった経験や予防接種によって作られます。お子さま、特に乳幼児や小学生は、まだ人生でインフルエンザに遭遇した回数が少ないため、大人に比べてウイルスへの抵抗力が弱く、A型もB型も区別なく感染しやすい状態にあります。

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「両方かかること」ってあるの?他の種類もある?

「先月A型にかかったばかりなのに、またインフルエンザって言われた!」という経験をされた親御さんもいらっしゃるかもしれません。残念ながら、A型とB型に両方かかる(あるいは時期をずらして連続でかかる)ことはあります。

同時感染
非常に稀ですが、A型とB型に同時に感染してしまうこともあります。

連続感染
A型にかかって免疫ができても、それは「A型に対する免疫」です。その後、別の種類であるB型が流行すれば、免疫がないため感染してしまいます。

A型に関しては、ウイルスの形をどんどん変える(変異する)のが得意なため、一度かかっても、また違う型のA型にかかってしまうことがあります。
「一度かかったから今年は安心」と思わず、シーズンが終わるまでは油断禁物です。

他の種類もある?
インフルエンザウイルスにはA・B・C・Dの型があり、季節性の流行の中心はAとBです。Cは比較的軽い呼吸器症状が多く、Dは主に牛などで見られ、人の季節流行の主役ではありません。

予防接種はどちらを想定しているものなの?

日本の(不活化)ワクチンは「その年に流行しそうな株」を選んで作られます。2025・26シーズンは3価で、

A型 2種類(H1N1株、H3N2株)
B型 2種類(ビクトリア系統株)

の3株が製造株として選定されています(以前は4価が用いられていた時期もありますが、近年は3価が基本とされつつあります)。

ワクチンは「感染を100%防ぐ魔法」ではありませんが、一般に重症化や入院リスクを下げることが大きな目的になります(特に基礎疾患のある方や小児・高齢者)。

つまり、予防接種を受けていれば、A型とB型の両方の対策をしていることになります。 「B型には効かない」ということはありません。

「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」
近年日本でも、注射でなく鼻に噴霧する、弱毒化した、生きたインフルエンザウイルスを用いた「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」(フルミスト®)が認可されました。

鼻(上気道)で免疫を作るため、理屈としては侵入部位に近い防御が期待されますが、効果としては研究や年によって差があり、従来の不活化ワクチンと比べて「どちらが上」ということはいえません。ただ、注射でないことと、小児でも1回の接種で済むところは有利といわれています。

日本における適応年齢は2歳~19歳で、20歳以上の成人は適応ではありません。また、基礎疾患がある・免疫に問題がある・妊娠中(本人)など全面優先されるなど、不活化ワクチンが推奨されるケースもあります。

予防したいとき、A型とB型で対策の違いはあるの?日常生活でできることは?

A型もB型も、主な感染経路は「飛沫感染(咳やくしゃみ)」と「接触感染(ウイルスがついた手で口や鼻を触る)」です。そのため、対策の基本は共通しています。

今日からできる家庭での対策
室内の換気(こまめに、短時間でも)
湿度の管理(50〜60%)
空気が乾燥すると、喉の粘膜の防御機能が下がります。加湿器を活用しましょう。

こまめな手洗い
外出後だけでなく、食事の前などにも石鹸でしっかり洗いましょう。

十分な睡眠と栄養
体の免疫力を高めることが、最大の防御です。

家族内でタオルやコップの共有を避ける
B型に関しては特に「お腹の症状」が出やすいため、家族が感染した際は、トイレの掃除やタオルの共有を避けるといった配慮がより重要になります。

「おかしいな」と思ったら?受診のタイミング

「ただの風邪かな?」と迷うこともあるかと思いますが、以下のような場合は早めに小児科を受診しましょう。

○急に38度以上の熱が出た。
○ぐったりして元気がない、食欲がない。
○呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている。顔色が悪い。
○水分がとれない、尿が明らかに少ない。
○(B型の場合)何度も吐いたり、下痢がひどかったりする。

特に、インフルエンザの検査は「発熱から12〜24時間経過後」でないと、正しい結果が出にくいといわれています。そのため「熱が出てすぐ」よりも、少し様子を見て(ただし夜間や休日に急変した場合は別です)から受診する方がいいという意見もあるようです。
しかし「抗インフルエンザ薬の投与は原則として早いほどよく、特に48時間以内が効果が出やすい」ことからも、特に上記に当てはまるような症状が出現したら早めの受診をお勧めします。

まとめ:落ち着いて「見守り」と「予防」を

A型もB型も、ウイルスとしての性質に多少の違いはありますが、親御さんが行うべき対策に大きな違いはありません。

「今はB型が流行っているから、お腹の調子も見ておこうかな」といった具合に、少しだけ心の準備をしておくだけで、いざという時の対応が変わってきます。

日頃の手洗いうがいを家族の習慣にしつつ、お子さまの様子を一番近くで見守ってあげてくださいね。もし不安なことがあれば、一人で抱え込まず、かかりつけの医師に相談しましょう。

※本記事の執筆にあたり、構成や内容の整理、および分かりやすい表現への推敲に生成AIを使用しています。

執筆者

プロフィールイメージ
林裕章
林裕章

林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。

現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域のかかりつけ医として総合診療を行っている。科学的根拠だけでは語れない、人間の心理に寄り添う医療を実践している。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。

林外科・内科クリニック

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