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親を亡くした姪っ子と叔父がふたり暮らし。互いを優しく支え合うふたりの姿に心がほぐされていく物語『かわいすぎる人よ!』【書評】

  • 2026.3.7

【漫画】本編を読む

中学生くらいの年齢になってくると、子どもっぽい事や物への気恥ずかしさや、周りによく見られたい気持ちなどがないまぜとなり、いわゆる思春期や反抗期といわれる成長の証が見えてくる。この時期は親などについ心無い言葉や態度をぶつけてしまいがちなので苦い思い出を持っている人は多いだろう。しかし、『かわいすぎる人よ!』(綿野マイコ/KADOKAWA)の主人公のひとり・メイはとても素直で優しく、およそ反抗期とは無縁の女子中学生だ。

早くに親を亡くしてしまったメイは、叔父に引き取られてふたりで暮らしている。叔父は道行く誰もが振り返るほどの美貌とスタイルを持っているため、自分の容姿に自信のないメイは、彼のことを誇らしく、そしてうらやましく思っていた。この状況だと年頃の多感な女の子ならば「一緒にいたくない」などとなりそうなものだが、メイは一切そんなことはなく、むしろ自慢の叔父として接している。一方の叔父は、親のいないメイに寂しい思いはさせたくないという気持ちもありつつ、素直でまっすぐな性格を持ったメイのことが大好きで、できうる限りの愛情を注いでいく。

そんなふたりの微笑ましい姿に加えて、叔父の仕事仲間や友人、メイの担任の先生やクラスメイト、その母親たち、近所の人など、ふたりの周りにいる登場人物たちのなかには、誰かを傷つけたり貶めたりするようなことをする者が一切出てこないのも本作の魅力だ。だから終始リラックスして読むことができ、気がつくとこの世界にもっと浸っていたいという気持ちになっていた。

叔父思いのメイがかわいいし、彼女のためにときにあたふたする叔父の姿もかわいくてふたりの姿に癒やされる。どこか凝り固まってしまっている現代人の心を優しくほぐしてくれるような物語だ。

文=287XR

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