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三浦大地さんの個展「Arch」がスタート。“ファーストアート”として取り入たくなる、その魅力とは?

  • 2026.3.2
Hearst Owned

今回、個展の会場となる伊勢丹新宿店が大切な場所と語る、現代アーティストの三浦大地さん。高校生のときに、ショーウィンドウに飾られたジュンヤワタナベのデニムドレスを見たことをきっかけに、ファッションの道を志すことになったそう。2026年2月27日(金)~3月8日(日)まで開催中の「“Arch” DAICHI MIURA ART EXHIBITION」についてお話を伺いました。

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――もともとはファッションを学ばれていたということで、アートを創作するにあたり、今までに影響を受けた作品や場所はありますか。

「意識はしていないのですが、身近な生活用品から、果てしなく遠く離れた海外の宗教観まで、すべてがインスピレーション源になっていると思います。今回の作品に関しては、旅先で見た景色の色を意識しています。色使いは旅からインスピレーションを受けることが多いですね。

この個展ではファッションのセクションがあり、その業界を見ていて、面白いと感じたことや気になること、問題点までを、ちょっとポップに表現しています。実は、もともと伝えたいことってあまりないんですよ(笑)。見ている方たちが自由に受け取ってくれたらいいなと思っていて、僕も心地いい、楽しいと思えることを作っているだけなので。見ている方が感じたことに僕が答える、会話のキャッチボールができるように、影響を受けるものを果てしなく広げて、インスピレーションがあまり偏らないようにしています」

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――ショーメやディズニーをはじめ、さまざまなブランドとコラボレーションされていますが、改めてジョシーちゃん人気についてはいかがですか。

「人気があると言っていただいて嬉しいですが、そんなに実感はないんですよ。なぜ、いろいろとコラボレーションさせてもらえるのかを考えましたが、彼女に意思がないからではないかと。僕と近いのですが、着せ替え人形のように、何にでも変貌できるんですよね。

楽しそうにも、つまらなそうにも、真顔にも怒っているようにも見える…。決してポジティブではないけれど、逆にその方が何にでもなれる。何にでも変身できる要素を持っているから、さまざまなブランドと関係が持てるのだと考えています。

もともと、ファッションデザイナーとしてデザイン画を描いているときに、毎回目を描くのが大変でサングラス姿にして誕生したのがジョシーちゃん。今回は「原点回帰」なので、デザイン画を描いて、ファッションに落とし込むライブペイントを計画しています」

――伊勢丹新宿店での3度目の個展であり、2年ぶりとなる大規模個展ということで、これまでの手応えや、今回ならではの意気込みを教えてください。

「1回目は「MODERATION(中庸)」、2回目は「DIALETHEISM(真矛盾主義)」と、今までは哲学寄りのテーマでした。今回も哲学ではありますが、タイトルとしては単純で分かりやすいものするため「Arch(アーチ)」にしました。自分のルーツになる原点回帰をしようと、ファッションや旅、自分のライフスタイルの中にあったものを表現しています。

個人的な手応えというよりも、こちらで個展を3回も開催できることや、たくさんの方に見に来ていただけること、皆さんが支えてくれている実感があります。僕が作り出すものがいいか悪いかは分かりませんが、関わってくれる人たちが喜んでくれるのが嬉しいですね。

意気込みというと難しいですが、創作する苦悩はありませんでした。自分の素の状態、シンプルに自分が心地よく作れるものを作りました。アーチ型は、かっちりし過ぎないからか、気が緩むんですよ。そういう心地いい空間を体感していただけたらと思います。今までで一番会期が長いので、ぜひ遊びに来てもらえたら嬉しいです」

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――グラフィカルな作品からジョシーちゃんのようなポップなイラストまで、作品の幅が広いですが、どうやって創作し分けているのでしょうか。

「創作自体は同時進行です。乾かしている間にこちらをやろう、のように、行き来して作っています。全く違うように見えるかもしれませんが、クリスタル・鉱物を使うか、黒い絵の具で線を引くかという違いで、あまり大きな違いはないんです。むしろ、両方の作品に同じ色を使っていたりして、意外と一緒ですよ。

例えば、創作活動を「家事」に例えると、ごはん作りの合間に洗濯することもありますよね。それと同じ感じです。自分のスタイルは幅が広いので、どちらかだけの個展だと、僕の一部分だけを見せる感じになってしまいます。こんなに振り幅がある個展をやらせてもらっているのもありがたく、心地がいいですね」

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――今回のテーマは「Arch(アーチ)」ですが、アーチだからこそ表現できるのは、どういった点でしょうか。また、個展にいらした方に、どういったことを感じてほしいか教えてください。

「四角がアーチ型になっただけで、“物”から“事”に変わると感じました。四角いアートは「壁に絵が掛かっている」と感じると思いますが、なぜかアーチ型になると、窓や境界線になったり、向こうに何かある気がするんですよね。“悟り”というと大げさですが、物事に気づくとか、進化していく中の境界線のようなことが、アーチをくぐる感覚のようだなと。この作品に触れたことによって、“意識が進む”ようなことが伝えられるのではないかと思っています。

アーチは丸と四角でできていますが、丸の和の精神と四角の概念が組み合わさっているんですよ。世の中が、そういうふうに調和が取れ、平和になったら理想ですよね。直接的に言うのは恥ずかしいですが、この形で表現しています。禅の世界では丸・三角・四角が出てきますが、実はこのアーチの作品も15層にした時に三角形が出現したんですよ。全てが存在して、全てを許容している形。この作品も遠くから見るとグラデーションに見えますが、実はただの単色の層なんですよ。遠くにあるものって綺麗に見えるけど、近くに来たら意外と単純だったりとか、そういったことも表現できています」

――25ans世代に、アートの取り入れ方や選び方のアドバイスをいただけますか。

「自分を信じて、心地いいと思えるものに出合えることが一番いいですよね。皆さん、「選んでいいのかな」「正解なのかな」と、いろいろと考えてしまうと思うのですが、もっとフランクでいいと思います。インテリアや洋服をコーディネートするような感覚で選ぶのと一緒ですね。生活の中にアートがある方が豊かだなと思うので、おうちに飾って「モヤっとしない」ものを取り入れてみてください」

本個展では、アーチ型キャンバスに描かれた平面作品から立体的な作品まで、新作約150点を展示・販売。自分が作品の一部になれるようなユニークな仕掛けもあるので、ぜひ足を運んで体験してみてください。

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「“Arch” DAICHI MIURA ART EXHIBITION」
日時:2026年2月27日(金)~3月8日(日)※最終日18時終了
場所:伊勢丹新宿店 本館6階 催物場
DAICHI MIURA 気まぐれライブペインティング

2月28日(土)・3月7日(土)※各日、実施時間は未定です。

三浦大地さん
ファッションデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、その後、広告やCMなどのディレクション、住居などのデザイン、ブランドプロデュース、イラストレーションなど創作の幅を拡げる。旅がベースのライフスタイルから世界の様々な文化や自然との対峙を経て、環境問題への取り組みや地域活性など社会活動にも力を入れる。2021年に自身のファッションデザイン画から生まれたアイコン「Josie」とクリスタルを用いた全く異なる表現のアート制作を開始。2023年には日本最大級のアートフェア「ART FAIR TOKYO 2023」やスイスの世界的アートフェア「VOLTA BASEL 2023」に出展し、国内外問わず活躍の場を拡げている。

※この記事は、2026年3月2日時点のものです。

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