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枝豆を食べ過ぎると起こる"意外な不調"とは

  • 2026.2.24

ビールのお供に、小腹が空いたときのおやつに、ダイエット中のヘルシーな間食に。

たんぱく質が豊富で低カロリー、ビタミンやミネラルも含まれている枝豆ですが、「身体にいいから」と食べ過ぎると、思わぬ不調を招くことも。

枝豆を食べ過ぎたときに起こりうる症状や、1日の摂取量の目安、食べ方をお届けします。監修は食品の効果を研究する食品機能学研究に従事している、株式会社ユーザーライフサイエンス取締役会長 大貫 宏一郎先生です。

枝豆の食べ過ぎで起こりやすい不調とは

枝豆は栄養価の高い食品ですが、食べ過ぎると以下のような不調を引き起こすことがあります。

1. お腹の張り・ガスがたまる

枝豆を食べた後、お腹が張ったり、ガスが気になったりした経験はありませんか。これは枝豆に含まれる食物繊維とオリゴ糖が原因です。

枝豆100gあたりには約5gの食物繊維が含まれており、これは野菜の中でもかなり多い部類に入ります。

食物繊維は腸内環境を整える働きがある一方で、大量に摂取すると腸内で発酵が進み、ガスが発生しやすくなります。

また、枝豆に含まれるオリゴ糖(ラフィノースやスタキオースなど)は、人間の消化酵素では分解できません。これらは大腸まで届いて腸内細菌のエサとなりますが、その過程でガスが産生されます。

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2. 下痢や消化不良

食物繊維の過剰摂取は、ガスだけでなく下痢を引き起こすこともあります。普段あまり食物繊維を摂っていない人が急に大量の枝豆を食べると、腸が対応しきれず、便が緩くなることがあります。

また、枝豆は消化にやや時間がかかる食品です。よく噛まずに食べたり、一度に大量に食べたりすると、消化不良を起こして胃もたれや腹痛の原因になることもあります。

3. 塩分の摂りすぎによるむくみ

枝豆そのものに問題があるわけではありませんが、多くの場合、枝豆は塩茹でにして食べます。この塩分が意外と曲者です。

塩茹での枝豆100gには、約1.5g前後の塩分が含まれていることがあります。

日本人の1日の塩分摂取目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされていますが、枝豆を200g、300gと食べれば、それだけで1日の目標量のかなりの部分を占めてしまいます。

塩分を摂りすぎると、身体は水分を溜め込もうとするため、むくみが生じやすくなります。

4. プリン体の過剰摂取による尿酸値上昇

枝豆にはプリン体が含まれています。100gあたり約47〜75mg程度とされており、これは食品全体で見ると「中程度」のレベルです。

プリン体は体内で代謝されると尿酸になります。尿酸値が高い状態が続くと、痛風や高尿酸血症のリスクが高まります。ビール自体にもプリン体が含まれているため、要注意です。

5. ホルモンバランスへの影響(大豆イソフラボン)

枝豆は大豆の未成熟な状態であり、大豆イソフラボンが含まれています。イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分で、適量であれば更年期症状の緩和や骨密度の維持に役立つとされています。

しかし、過剰に摂取すると、ホルモンバランスに影響を与える可能性が指摘されています。

枝豆だけでイソフラボンを過剰摂取することは稀ですが、豆腐、納豆、豆乳など他の大豆製品も日常的に食べていて、女性ホルモンに関連する疾患を持つ方や妊娠中・授乳中の方は、トータルでの摂取量を意識したほうがよいでしょう。

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枝豆は腎臓や肝臓に負担をかける?

「枝豆は腎臓や肝臓に悪い」という情報を目にして、不安になった方もいるかもしれません。

結論から言えば、健康な人が適量を食べる分には問題ありません。ただし、すでに腎臓や肝臓に疾患を抱えている方は注意が必要です。

腎臓への影響は?

・カリウムの過剰摂取

枝豆にはカリウムが豊富に含まれています。100gあたり約590mgと、野菜の中でもトップクラスです。

カリウムは余分なナトリウム(塩分)を排出し、血圧を調整する働きがあるため、健康な人にとっては積極的に摂りたいミネラルです。

しかし、腎機能が低下している方は、カリウムを体外に排出する能力が落ちているため、血中カリウム濃度が上昇しやすくなります。

高カリウム血症になると、不整脈や心停止などの深刻な症状を引き起こす可能性があります。腎臓病でカリウム制限を指示されている方は、枝豆の摂取量について主治医に相談してください。

・たんぱく質の過剰摂取

また、枝豆に含まれるたんぱく質も、腎機能が低下している方にとっては負担になることがあります。

たんぱく質の代謝で生じる老廃物は腎臓で処理されるため、腎臓が弱っている状態で大量のたんぱく質を摂ると、腎臓に余計な仕事をさせてしまうことになります。

肝臓への影響は?

健康な肝臓であれば、枝豆を食べることで直接的な負担がかかることはほとんどありません。

むしろ、枝豆に含まれるメチオニンというアミノ酸は、肝臓でのアルコール分解を助ける働きがあるとされており、「お酒のおつまみに枝豆」という組み合わせには一定の合理性があります。

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ただし、肝硬変など肝機能が著しく低下している場合は、たんぱく質の代謝に問題が生じることがあります。

また、肝臓病の種類によっては特定の栄養素を制限する必要があるケースもあるため、肝疾患を抱えている方は、やはり医師の指導に従ってください。

どれくらいが食べ過ぎ? 毎日食べていい? 1日の目安量

では、具体的にどれくらいの量であれば安心して食べられるのでしょうか。

1日の適量の目安は「軽く二掴みまで」

一般的に、枝豆の1日の適量は、さや付きの状態で100〜150g程度(可食部で50〜80g程度)とされています。これは、お皿に盛ったときに軽く一掴み〜二掴み程度の量です。

この量であれば、食物繊維やプリン体、イソフラボンなどの過剰摂取を心配する必要はほぼありません。塩分についても、減塩を意識した茹で方をすれば問題ないレベルに抑えられます。

毎日食べても大丈夫?

適量の範囲内であれば、毎日食べても基本的に問題はありません。むしろ、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルを手軽に摂取できる食品として、日常的に取り入れるメリットは大きいでしょう。

ただし、同じ食品ばかりを毎日大量に食べ続けることは、栄養バランスの観点からおすすめできません。

枝豆の量を少し控えた方がいい人とは

以下に該当する方は、枝豆の摂取量に注意が必要です。

腎臓病でカリウム制限がある方

前述の通り、枝豆はカリウムが豊富な食品です。腎機能が低下している方や人工透析を受けている方は、医師や管理栄養士の指導のもと、摂取量を調整する必要があります。

尿酸値が高い方、痛風の既往がある方

枝豆のプリン体含有量は中程度ですが、ビールと一緒に摂取することが多い方は注意が必要です。

すでに尿酸値が高い方は、枝豆を含むプリン体を多く含む食品の摂取を控えめにすることが推奨されています。

大豆アレルギーの方

枝豆は大豆の一種であるため、大豆アレルギーの方は当然ながら避ける必要があります。症状が軽い方でも、大量に摂取することでアレルギー反応が強く出る可能性があるため、注意が必要です。

甲状腺疾患を抱えている方

大豆製品に含まれるイソフラボンやゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)は、甲状腺機能に影響を与える可能性があります。

甲状腺機能低下症の方や、甲状腺の薬を服用している方は医師に相談することをおすすめします。

過敏性腸症候群(IBS)の方

枝豆に含まれるオリゴ糖は、FODMAP(発酵性の糖質)の一種であり、過敏性腸症候群の方では症状を悪化させることがあります。

IBSでお腹の調子が安定しない方は、枝豆を含む高FODMAP食品を控えることで症状が改善する可能性があります。

枝豆にはどんな栄養が含まれている?

食べ過ぎのリスクばかりを強調してきましたが、枝豆は本来、非常に栄養価の高い優秀な食品です。適量を守って食べることで、さまざまな健康効果が期待できます。

たんぱく質

枝豆100g(可食部)あたり約11〜12gのたんぱく質が含まれています。これは野菜としては突出して高い数値で、植物性たんぱく質の供給源として優れています。

必須アミノ酸のバランスも良く、筋肉の維持や身体の組織修復に役立ちます。

食物繊維

可食部100gあたり約5gの食物繊維が含まれています。腸内環境を整え、便通の改善、血糖値の急上昇を抑える効果などが期待できます。

ビタミンB1

糖質をエネルギーに変換する際に必要なビタミンです。疲労回復や夏バテ予防に効果があるとされています。枝豆が夏に旬を迎えることを考えると、理にかなった食べ物と言えるでしょう。

葉酸

細胞の分裂や成長に欠かせないビタミンで、とくに妊娠初期の女性に重要な栄養素です。枝豆は葉酸を手軽に摂取できる食品の一つです。

カリウム

ナトリウムの排出を促し、血圧の調整に関わるミネラルです。塩分の摂りすぎが気になる現代人にとっては積極的に摂りたい栄養素です(ただし腎機能に問題がある方は除く)。

鉄分

植物性食品としては比較的多くの鉄分を含んでいます。貧血予防に役立ちます。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります。

枝豆の栄養を引き出す食べ方、台無しにする食べ方

せっかく栄養豊富な枝豆を食べるなら、その栄養を最大限に活かしたいものです。ここでは、おすすめの食べ方と避けたい食べ方を紹介します。

栄養を引き出す食べ方

・茹で時間は短めに

枝豆に含まれるビタミンB1や葉酸は、水溶性のビタミンです。茹で時間が長くなるほど、これらの栄養素がお湯に溶け出してしまいます。

沸騰したお湯で3〜5分程度、やや硬めに茹でるのがおすすめです。

・蒸し調理で栄養をキープ

茹でるよりもさらに栄養を逃さない方法が、蒸し調理です。蒸し器やフライパンに少量の水を入れて蒸し焼きにすることで、水溶性ビタミンの流出を最小限に抑えられます。

・冷凍枝豆も栄養価は高い

「冷凍より生の方が栄養がある」と思われがちですが、冷凍枝豆は収穫後すぐに加工されるため、実は栄養価が高い状態で保存されています。

・ビタミンCを含む食品と一緒に食べる

枝豆に含まれる鉄分は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。レモンを絞ったり、パプリカやトマトなどビタミンCが豊富な野菜と組み合わせたりするとよいでしょう。

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栄養を台無しにする食べ方

・塩を入れすぎて茹でる

枝豆を茹でるときに大量の塩を入れると、塩分過多になりがちです。塩なしで茹でて、後から少量の塩を振る方法もあります。

・茹ですぎて柔らかくしすぎる

長時間茹でると、栄養が流出するだけでなく、食感も悪くなります。歯ごたえが残る程度で引き上げましょう。

・大量のマヨネーズやドレッシングをかける

マヨネーズやドレッシングを大量にかけると、カロリーと脂質、塩分が増えてしまい、せっかくのヘルシーさが台無しになります。

・ビールと大量に食べ続ける

前述の通り、ビールと枝豆の組み合わせはプリン体の過剰摂取につながりやすくなります。

監修者プロフィール

株式会社ユーザーライフサイエンス 取締役会長 大貫 宏一郎先生

京都大学にて博士号を取得し、製薬会社、医学部、管理栄養養成大学などで研究者・教育者を経て、現在は、食品機能学研究に従事。食品機能学とは、食品の効果を研究する学問。メタボ等の内科学、認知機能やメンタル等の脳神経科学を中心としつつ幅広い研究を実施。食品だけでなくアロマや健康商材全般にも関与。

保有資格・所属学会
・日本香辛料研究会 役員
・上級個人情報保護士
・第二種電気工事士
・ブラジリアン柔術 青帯

<Text:外薗 拓 Edit:編集部>

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