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枝豆、とうもろこし、海苔巻きを、子どものお誕生日会に出してみたら…。ドイツ家庭でおやつの意識革命が起きた、日本のヘルシーな食文化【日登美のタベコト in Berlin・83】

  • 2024.10.6

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

イケてるパーティフード

先日子どもの誕生日会をしたのですが、我が家は、海苔巻き、季節の果物、茹で野菜(枝豆ととうもろこし)という、毎年同じスナックを用意しています。日本の家庭だったら別に珍しくもないつまみ程度のおやつなのにこちらでは結構大ウケするのです。

我が家のド定番誕生日会スナック。茹でとうもろこし、枝豆、海苔巻き、果物、砂糖不使用ビーガンマフィン。ドイツの子どもでも絶対食べるやつばっかのラインナップ!

まずは寿司。食べ物を持ち寄ったり、パーティーがあると、日本人家族は絶対に「寿司」を期待されます。子ども相手の場合、特にきゅうりなど野菜の寿司の方が好まれることが多いので、海苔巻きが断然人気。しかもフィンガーフードのように食べられるのがパーティー向き。今ドイツでも流行っているグルテンフリーだし、ビーガンでもあって、最高にクールでヘルシーなご馳走、という印象を持たれています。

また、ドイツの人からしたら米を炊くだけでも「すごい料理」をしたな!という評価なので、ご飯を海苔で巻いちゃったりしたらもうマジック。なので寿司はパーティーがあったらいつでも持っていく定番フードなんですが、実はもう一つの定番の「茹で野菜」がこれまた大ウケするのです。

こんな地味なおやつを用意した誕生日会は見たことないとドイツの親におやつ革命を起こした伝説の息子の誕生日会にて(笑)。茹で野菜ーー!って。

枝豆は和食の好きな両親を持つ子どもなら、通なスナックとして知れ渡っているので持っていくと、イケてる感満載。しかもこれまたベルリナーの大好きなビーガン、グルテンフリー、シュガーフリー対応。当たり前じゃないか!と思うけど(笑)、こちらでは子どものスナックといえば、砂糖たっぷりのグミだのチョコだの駄菓子しか用意されていないことが多いので、枝豆が子どものおやつというだけで大人はカルチャーショックを受けます。

地味なおやつばっかだけど、メインのケーキにはたっぷりのチョコレート、カラフルなトッピングも子どもの希望通りに。そのメリハリがね、大事。

極めつけには、茹でたとうもろこし。これが出てきたら大人も子どももノックアウトです。そもそもドイツの人は子どものおやつ=砂糖、甘いもの、ジャンクフード、という考えが一般的なので、甘い野菜なんかがおやつに出たら、びっくりしすぎて二度見すること間違いなし(笑)。しかも食べたら本当に甘くて美味しい。茹でただけで野菜が美味しいなんて生まれて初めて!と感動する親御さんもいます。

とうもろこしを食べる習慣があまりないので、瓶詰、缶詰以外のとうもろこしを食べたことがない人だっているくらい。これはちょっとした食革命ですらあるのです。

誕生日のアクティビティに日本の「パン食い競争」をやったら大人気でした。

そんなわけで見た目が地味な我が家のスナック、はじめは大人も「こんなの子どもが食べるの~?」と半信半疑なのに、砂糖なしでもバクバク子どもたちが食べる姿を見て、「え? これでいいんだ! めっちゃヘルシーじゃん!」と私の周りではおやつの意識改革が起こっていく今日この頃。これがまた、日本の子どもたちにとっては普通のおやつだよ、と教えてあげると、もう日本人を尊敬すらしてくれる勢い(笑)。

お砂糖たっぷりのバースデーケーキは会の最後に。シュガーハイのトラブルを避ける意味でもおやつの工夫は子どもが大勢の時は役立つかも!

確かに、比べてみると、日本の子どもたちって生野菜だけでなく、調理した野菜を(茹でたり、蒸したり)おやつとして食べる習慣があるし、とってもヘルシーな食文化を持っている。実はこれは世界に出て自慢できる子育て、食育の文化なのだと、ぜひ皆さんにお伝えしておきたいと思います。

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