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「赤ちゃんを天国に送ります」念願の第2子だったのに…迫られた決断と消えない自責の念…母が語る「伝えたいこと」【作者に聞く】

  • 2026.2.23
精密な検査をした結果、待望の第二子に染色体異常が見つかった。 画像提供:桜木きぬ(@kinumanga)
精密な検査をした結果、待望の第二子に染色体異常が見つかった。 画像提供:桜木きぬ(@kinumanga)

妊娠や出産には、それぞれ異なる物語がある。体調の変化やメンタルの揺らぎを乗り越えながら新しい命と向き合う日々のなかで、桜木きぬ(@kinumanga)さんは念願の第2子を授かった。しかし、喜びの最中で告げられたのは染色体異常の可能性という現実。本記事では、Web漫画「わたしが選んだ死産の話」に込められた思いや、制作背景について語った言葉をもとに、その葛藤と心境の変化をたどる。

「早くに異常がわかったメリットを活かして」と言われても現実を受け入れられなかった

 死産1話_001 画像提供:(C)桜木きぬ/KADOKAWA
死産1話_001 画像提供:(C)桜木きぬ/KADOKAWA
死産1話_002 画像提供:(C)桜木きぬ/KADOKAWA
死産1話_002 画像提供:(C)桜木きぬ/KADOKAWA
死産1話_003 画像提供:(C)桜木きぬ/KADOKAWA
死産1話_003 画像提供:(C)桜木きぬ/KADOKAWA

長男ウタ君が5歳になったころ、「そろそろ2人目は?」という声を周囲からかけられることが増えていったという。流産を経験した過去もあり、すぐには授かれないかもしれないと思いながらも、いつかはと願っていた桜木さん。園での妊娠報告が続くなか、「その波に乗れたらな~」という思いが現実となり、第2子を妊娠する。

ところが里帰り出産のために受診した婦人科で「この赤ちゃん難しいかもしれません」と告げられる。首の後ろのむくみが厚く見えることから、染色体異常の可能性があると説明されたのだ。確定には羊水検査が必要だと言われ、大きな衝撃を受けながらも「何としても産みたい」と願い、検査までのあいだ染色体異常について必死に学んだという。

「つらいだけで終わらせたくない」と変化した描き方

作品では、羊水検査で18トリソミーが判明し、その後の処置までが赤裸々に描かれている。なぜここまで率直に漫画化したのかという問いに、桜木さんは「始めは、将来子どもが読んでくれたらいいなと思って描き始めましたが、描き終わってみると、ちょっと恥ずかしいなと思っています」と語る。

当初は出来事を記録する感覚だったが、制作が進むにつれて心境が変化した。「描いているうちに、同じような経験をされた方や、今まさにそのような立場になっている方が読んだ時につらいだけでは終わらないようにしたいと考えるようになりました」。その思いが、ラストへ向かう構成にも影響しているという。生まれる前から命の選択を迫られる状況は、読む人の感情を大きく揺さぶる。

描くことで見えてきた自分自身へのまなざし

制作後の心境について尋ねると、桜木さんは率直な言葉を残している。「自責の念が強すぎるという感想をいくつかいただいて、はじめて自責の念が強い事に気づきました。死産の話は他人にほとんど話すことがないので、客観的な言葉を受け取る機会が少なかったんだなと思います」。

作品を通じて自分の経験を俯瞰できるようになり、「今はあまり自分の事を責めないように気を付けられるようになりました。描く前に比べ、思い出してつらくなることが減りました」と語る。死産を選んだ自分を責め続ける桜木さんに、長男ウタ君が寄り添うシーンは胸を締めつける瞬間であり、物語の核となるエモーションだ。

「どんな出産も語り合えるものに」反響とこれから

本作はダ・ヴィンチWebで連載され、大きな反響を呼んだ。「長々とつらい話を読んでいただきありがたいやら申し訳ないやらです。どなたの出産にもそれぞれの逸話があると思います。少し珍しい病気にはかかりましたが、この話も幾多の出産の中の一つのエピソードにすぎません。どんな出産の話も、たとえ残念な結果のお産でも、腫れ物にしすぎることなく周りの人と語り合えたらいいなと思います」と桜木さん。

現在は新連載に向けた準備を進めながら、Xでは日常エッセイ漫画の発信も継続中だという。「今は新連載に向けて準備中です。Xも変わらず日常のエッセイ漫画を載せていきたいです!よければフォローして待ってくれるとうれしいです」と笑顔で語った。

取材協力:桜木きぬ(@kinumanga)

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