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3000円のカツカレーも利益は180円…「ニセコ価格」のリアルから見える攻めの戦略

  • 2026.2.15

多くの外国人が訪れることで知られる北海道倶知安町の『ニセコエリア』。物価の高騰が注目されているエリアに足を運ぶと、ニセコ流の「経済の仕組み」が見えてきました。

ラーメン3000円はもはや「スタンダード」に

HBC「もんすけ調査隊」が行っているニセコの物価の定点調査。
全国に衝撃を与えた「ニセコ価格」から2年。現地は今、どうなっているのでしょうか?

調査員が向かうと…ことしも街の通りには、日本人の姿は見当たりません。

Sitakke
視聴者提供

キッチンカーを見てみると、やきそばが3000円、味噌ラーメンも3000円。
今やこの価格が「冬のニセコ」のスタンダードのようです。

それにしても、なぜ観光エリアだけこんなに物価が高いのでしょうか?

過去にニセコで飲食店を経営していた冨田竜海さんはその理由について「高いと言われる店も、基本的に冬の100日間が勝負」と話します。

「仮に相場の倍の価格を取ったとしても、100日間で365日分の売り上げを上げようと思ったら、それでも足りない」

背景にあるのは、異常なまでの「コスト高」。
ニセコひらふ地区の家賃はワンルーム9万円と、今や東京並みです。
アルバイトも2000円や3000円の時給を出さないと集まらないといいます。

利益は180円!

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冨田氏による試算

例えば、3000円のカツカレーの場合。
実は半分以上が「人件費」と「家賃」。利益はわずか180円ほどだというのです。

つまり、札幌で1000円で販売した場合の利益と、大きな差はないというワケ。
もちろん全ての店が、そういうわけではありませんが…。

冨田さんは「富裕層の客に感じるのは『価格=価値』という考え方」と話します。

価格は、得られる満足感の裏返し。

世界のVIPが求めるのは安さではなく、自身のこだわりや要望を満たしてくれる「パーソナルな対応」だということです。## VIPに最高の「価値」を

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数々の賞を受賞した高級ホテル「ザ・ヴェール・ニセコ」。

NISADE|The Luxe Nomadホテルマネージャーのティムシリン倫子さんは「私どものリクルートメントは、経験豊富な人材を取り入れるため、日本の時給だけに着目せずに、世界水準で設定をしています」と話します。

英語や中国語など、複数の外国語を話せるコンシェルジュが24時間体制でゲストひとりひとりをサポート。
こうした高度なサービスを支えるのは、世界各地から集まったプロフェッショナルたちです。

ゲレンデ食もここまで変わる!

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そんなVIPの価値観を満たす新たな施設も誕生しました。

ニセコ東急グラン・ヒラフでは、なんと!スキー場の山頂にレストランがオープン!

羊蹄山を一望できるまるで高級ホテルの様な372席のラグジュアリー空間は、もはやゲレンデ食の概念を覆します。

シェフが目の前で提供するメニューなど、従来のゲレンデショップとは一線を画す空間。

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一皿7500円の和牛ローストビーフは、厳選された北海道産和牛の希少部位を低温でじっくり仕上げることで、分厚いのに驚くほど柔らかく、旨みが凝縮された逸品に仕上げています。

さらに人手不足を逆手に取った最新のAIレジも導入。
商品を置くと、瞬時にカメラが360度から認識し、会計は10秒とかかりません。

レジ打ちのスタッフの労力をほかのおもてなしへ再配分することでもっと楽しんでもらえるようにする狙いがあります。

専属シェフに寿司を…8人で30万円「安い」

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そして夜のニセコで今、VIPに人気なのが、職人が宿泊先に出張して寿司を握るケータリングサービス。

予約は1日2組限定で、食事時間は2時間ほど。
1グループ3人体制で、依頼者に専属で料理をふるまいます。

キンキの焼き物やズワイガニのお造りなど小料理8品に、職人が目の前で握る大トロやウニなど、極上の寿司10貫。
料金は、1人3万8400円。今回は8人前で30万円を超えました。

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しかし、客の反応は意外なものでした。

香港からの観光客は「香港で食べたら、日本より、ずっと高くなると思いますよ」と話します。

実際に、香港の高級寿司店では日本人職人の「おまかせコース」が、3万~7万円前後になる店もあるということです。
それと比べると、ニセコで3万円台で職人を貸し切れるのは魅力的だとのこと。

世界基準なら、これでも割安。
最大の価値は、周囲を気にせず家族だけで過ごせる「プライベート空間」なのです。

「プライベートシェフに来てもらえるのは最高だし何より自分の家のように快適に過ごせる」

このケータリングサービスは2026年に入り料金を1万円値上げしましたが、売り上げは倍増。
店舗型だと生じる賃料も光熱費もかからないため、冬のニセコに合致した仕組みです。

さらに、サービスを行う職人たちにも大きなメリットがあります。

夏は積丹、冬はニセコで需要に応える

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なごみの宿いい田の飯田和矢代表は、夏は積丹で旅館を経営。自ら包丁を握り、料理を提供しています。
そして冬になると従業員を引き連れ、飯田さんも寿司職人としてニセコで腕を振るう…季節に応じて働く場所を使い分けることで、従業員の通年雇用を可能にしたのです。

仕掛け人であるSUSHIJAPANの冨田竜海代表はこれを「理想的なマッチング」だと語ります。

「自分たちのところで雇用をして完結するのではなくて、それぞれ持ってるリソースを共有し合うという形で最大化できる」

ニセコから見えたのは、需要に応じて商品や働き方を変え新たな価値を創造するたくましい姿でした。

【調査結果】質の高いサービスと通年雇用を守る戦略

ニセコ価格の正体は質の高いサービスと通年雇用を守る「攻めの戦略」でした。

「安さ」ではなく「価値」で勝負するこのカタチが北海道観光の道標になるかもしれません。

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年1月30日)の情報に基づきます。

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