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自動車保険で「年間10万円損する場合も…」業界27年のプロが指摘する“意外な落とし穴”

  • 2026.2.14
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

自動車保険は「とりあえず全部つけておけば安心」と思われがちです。しかし、実際にはそれが正解とは限りません。車の価値や使い方、家族構成、貯蓄状況などの違いで本当に必要な補償は変わります。逆に、内容を理解しないまま契約すると、保険料だけが高くなったり、いざという時に役に立たなかったりすることもあります。

そこで今回は、基本補償だけでなく、不要になりやすい特約を整理しながら後悔しない選び方をわかりやすくお伝えしていきます。

自動車保険は「全部入り=安心」とは限らない

補償は多いほど安心に見えますが、その分だけ保険料も上がります。大切なのは、めったに起きないけれど、起きたら困る事故にしっかり備えることです。たとえば、相手への賠償や大きなケガは金額が高額になりやすく、自己負担でまかなうのは現実的でない場合もあります。

一方、小さな修理費や頻度の低いトラブルまで保険でカバーしようとすると、全体の保険料は高くなりがちです。保険は、安心を広く買うというより、大きなリスクをしっかり押さえるといった視点で考えると、ぐっと分かりやすくなります。

保険料が高すぎて家計を圧迫してしまっては、それは本当の意味での安心とは言えません。無理のない負担で続けられることも、保険選びでは不可欠です。

まずは基本補償をしっかり押さえる

まず優先したいのは、対人・対物賠償と人身傷害です。ここは自動車保険の土台となる部分で、基本的には削らないほうが安心です。特に、対人・対物は人や物への補償のため、無制限設定が一般的となりました。

時々、「自賠責保険に加入しているから大丈夫」と言う方がいますが、自賠責保険は対人賠償のみで対物賠償はありません。さらに、補償額も死亡最大3,000万円、後遺障害最大4,000万円、傷害最大120万円が限度額です。これでは、十分な補償は難しく、これらをカバーするためにも無制限での加入が求められます。

次に考える補償が車両保険です。実はこの補償、つけるかどうかで保険料が大きく変わります。条件にもよりますが、年間で数万円、場合によっては10万円以上差が出ることもあります。なんとなく付帯して高い保険料を支払うより、車の価値やローンの有無を見ながら自分に合ったプランを考えていきましょう。

特約は役立つものと重なりやすいものを分けて考える

特約とは、基本の自動車保険に追加でつけるオプション補償のことです。メインの補償だけではカバーしきれない場面を補うためのいわば上乗せの安心といえるでしょう。

弁護士費用特約や日常生活個人賠償責任補償特約など必要なものを選んで追加できるのがメリットですが、内容をよく見ないと補償が重複してしまうこともあります。

以前、私が担当したAさんのケースを紹介します。

Aさんから、自動車保険の試算を依頼され証券を確認しました。すると、家族の自動車保険全てに弁護士費用特約と個人賠償責任特約が付帯されていたのです。

Aさんは、それぞれが違う保険会社で加入しているため特約について知らなかったとのこと。私は、1台の車に付帯すれば記名被保険者、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子などが対象になることを伝えて試算したところ、Aさんの保険料が年間約6,000円安くなりました。

自分に合った補償を無理なく選ぼう

自動車保険は難しく感じて当然です。しかし、大きなリスクから順番に備えること、車の価値や購入方法で車両保険を考えること、特約の重複をチェックすること。

この3つを意識するだけで、内容はずっと整理しやすくなります。自分の状況に合った補償を選んで、安心のカーライフを送っていきましょう。

 

※特約の補償範囲は保険会社や商品によって異なります。ご自身の保険がどこまでカバーしているか、必ず保険証券や約款でご確認ください


ライター:河野みゆき

自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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