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幸福感が高いほど「あらゆる死因の死亡リスクが低下」していた

  • 2026.1.30
Credit: canva

「幸福感が高い人ほど、健康的な生活を送っていそう」

そんな直感的なイメージはありますが、では実際に寿命との関係はどうなのでしょうか。

この素朴な疑問に対し、日本人を対象にした前向きコホート研究から、興味深い結果が報告されました。

幸福感が高い人ほど、あらゆる死因を含めた死亡リスクが低かったのです。

研究を行ったのは、青森県立保健大学と、早稲田大学スポーツ科学学術院の研究グループです。

研究の詳細は2026年1月19日付で学術誌『Health Psychology』に掲載されました。

目次

  • 幸福感と死亡リスクの関係を日本人で検証
  • 多くの要因を考慮しても関連は消えなかった

幸福感と死亡リスクの関係を日本人で検証

幸福感は、ウェルビーイングを構成する重要な要素として、これまで主に欧米を中心に研究が進められてきました。

先行研究では、幸福感が高い人ほど死亡率が低いとする報告がある一方で、健康状態や生活習慣を調整すると関連が消えるという結果もあり、見解は一貫していませんでした。

そこで研究グループは、日本の成人を対象に、幸福感と全死因死亡率の関係を前向きコホート研究で検証することに。

対象となったのは、農山漁村地域に住む3,187人です。2016年から約7年間追跡した結果、277人が死亡していました。

分析では、年齢や性別だけでなく、教育歴や婚姻状況、経済状況といった社会経済的要因、さらにBMIや身体機能といった健康状態も統計的に調整しています。

その上で、ベースライン時に「不幸である」と回答した人は、「幸福である」と回答した人に比べ、全死因死亡リスクが有意に高いことが明らかになりました。

多くの要因を考慮しても関連は消えなかった

年齢と性別のみを調整した解析では、「不幸」と回答した人の死亡リスクは約2.7倍に達していました。

さらに、社会経済的要因や健康状態を加えて調整した後でも、死亡リスクは約1.85倍と、統計学的に有意な差が残りました。

注目すべき点は、追跡開始から1年以内に死亡した人を除外する感度分析でも、同様の傾向が確認されたことです。

これは「すでに重い病気だったため幸福感が低かった」という逆因果の可能性を一定程度抑えた結果といえます。

こうした結果から、幸福感は単なる心理状態の反映ではなく、社会的・身体的要因とは独立して、長期的な生存と関連する可能性が示されました。

欧米とは文化や生活環境が異なる日本人データでこの関係が確認された点は、これまでの研究の空白を埋める重要な成果といえます。

幸福感は「気分」以上の健康指標になり得るのか

研究者らは、幸福感が高い状態を維持することが、長期的な健康や寿命に関わる可能性を指摘しています。

ポジティブ心理学に基づく介入や、社会的つながりを促進する取り組みは、メンタルヘルスだけでなく、公衆衛生全体の改善につながるかもしれません。

一方で、本研究では健康指標が自己申告に限られている点や、幸福感の時間的変化を捉えていない点などの課題も残されています。

それでも、「幸福感」という主観的な指標が、あらゆる死因を含む死亡リスクと結びついていたという事実は、健康を考える視点を一段広げるものといえるでしょう。

参考文献

高い幸福感が全死因死亡リスクの低下に関連
https://www.waseda.jp/inst/research/news/83365

元論文

Association of State Happiness With Mortality: Evidence From a Prospective Cohort Study in Japan
https://doi.org/10.1037/hea0001571

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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