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全脂肪チーズが認知症リスク低下に役立つ? 驚きの研究結果とは

  • 2026.2.11
Alexander Spatari / Getty Images

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。>>『Prevention』のオリジナル記事はこちら

肥満から心臓病まで、あらゆる問題の原因とされてきた全脂肪チーズ。しかし、驚きの研究結果によると、ブリーやゴーダのようなチーズが認知症のリスクを下げる可能性があるという。この結果は一貫性がないように見えるけれど、専門家は本当に関連性があるかもしれないと述べている。

学術誌『ニューロロジー』に掲載されたこの研究で、研究者は研究開始時点で平均年齢58歳のスウェーデン人約28,000人のデータを分析した。参加者は平均25年間にわたって追跡調査され、その間に3,208人が認知症と診断された。

研究の一環として、参加者は一週間の食事内容を記録し、過去数年間で特定の食品をどれくらい摂取したか、またどう調理したかについての質問に回答した。研究者は、とくに一日50g以上の高脂肪チーズを摂取する人々に注目し、一日15g未満の人々と比較した。

データを分析した結果、高脂肪チーズグループの10%が認知症を発症したのに対し、低摂取のグループでは、13%が同疾患を発症した。研究者が年齢、性別、学歴、食事の質などの要因を調整した結果、高脂肪チーズを多く摂取した人々は、摂取量が少ない人々と比べて、認知症発症リスクが13%低いことを発見した。さらに高脂肪チーズグループの人々は、脳への血流減少や遮断によって引き起こされる血管性認知症の発症リスクが29%低かったという。(この効果は、アルツハイマー病の遺伝的リスク因子であるAPOE ε4遺伝子変異を持つ人には見られなかった。)

データをさらに詳しく分析したところ、ヘビークリームのような高脂肪クリームを一日に20g(大さじ1.4杯)以上摂取する人は、まったく摂取しない人と比べて、認知症リスクが16%低いことが判明した。

一方で、低脂肪チーズ、低脂肪クリーム、高または低脂肪牛乳、バター、もしくはヨーグルト、ケフィア、バターミルクのような発酵乳製品と認知症リスクの関連性は確認されなかった。

これだけ聞くと高脂肪チーズの勝利のように見えるけれど、専門家はチーズをたくさん食べる前に気を付けるべき点があると話す。この関連性の背景と、研究結果から得られるポイントを解説。

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全脂肪チーズが認知症リスクを下げるのはなぜ?

まず明確にしておくべきことが一つ。それは、研究者たちがこのメカニズムを深く追求していない点。彼らは単に、高脂肪チーズ(少量)の摂取と認知症リスク低下の関連性を発見したに過ぎず、「この研究結果は観察研究に基づく」と結論に明記しており、チーズが認知症リスク低下をもたらしたと証明するのは難しい。

それでも、専門家らは関連性が本当にあるかもしれないと話している。「全脂肪チーズにはビタミンA、D、K2といった脂溶性の栄養素が多く含まれています。これらは血管の健康を支え、炎症や動脈プラークの形成を抑制する可能性があります」と話すのは、サンフランシスコ在住の登録栄養士であるソニア・アンジェローネさん。「炎症は認知症と関連しています」

高脂肪チーズは、炭水化物による血糖値の上昇を相殺する効果も期待され、2型糖尿病のリスク低下につながる可能性があります、とアンジェローネさんは話す。(2型糖尿病は認知症の危険因子)。さらに高脂肪チーズは、腸のマイクロバイオームに有益な影響を与える可能性もあります、と彼女は述べる。(腸のマイクロバイオームと脳の健康の間には、強い関連性が見つかり始めている。)

一般的に、一部の脂肪は脳の健康に役立ちます、とアンジェローネさん。「食事から得られる脂肪は、細胞膜の健全性と健康にとって重要な栄養素です」と彼女は話す。

登録栄養士でポッドキャスト「ザ・ケリー・レポート」のホストを務めるケリー・ガンズさんも同意見だそう。「低脂肪が必ずしも脳の健康にいいとは限りません」と彼女は語る。「とくに体にいい不飽和脂肪を排除するような、極端な低脂肪食は脳の健康を損なう可能性があります。一方で、脂肪を精製炭水化物や添加糖で置き換えても、認知機能的なメリットはありません」

とはいえ、ガンズさんはこれらの研究結果を鵜呑みにすべきではないと話している。「この種の研究では、チーズが認知症リスクを低下させたことを証明できず、研究結果はチーズを食べる人々の総合的な食習慣やライフスタイルを反映している可能性があり、チーズ単体の特定の効果を示すものではありません」と彼女は話す。

Burke/Triolo Productions / Getty Images

チーズの摂取量は重要?

この研究は、少量の全脂肪チーズ(50g以下)を摂取する人々に注目したけれど、カリフォルニア州サンタモニカのプロビデンス・セントジョンズ・ヘルスセンターの神経科医であるクリフォード・セギル医師によると、全脂肪チーズの過剰摂取はむしろ認知症リスクを高める可能性があるという。「大量の脂肪摂取は、血中コレステロールの増加を招き、結果として心臓や脳の動脈が詰まる可能性があります」と彼は話す。「そして、虚血性脳卒中や血管性認知症につながる恐れがあります」

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認知症リスクを下げる方法

認知症は複雑な疾患であり、正確な原因はまだ解明されていないけれど、すでによく知られているリスク要因も存在する。「アメリカ疾病予防管理センター」(CDC)は認知症の発症リスクを下げるために以下の対策を推奨している。

・週に150分間、中強度の運動を行うように努力する。
・2型糖尿病の予防と管理に努める。
・血圧を管理する。
・難聴を予防または改善する。
・アルコールと喫煙を制限する、または避ける。

認知症の家族歴がある場合は、医療提供者に相談するとリスク軽減に役立つ個別のアドバイスを教えてくれる可能性がある。また、高脂肪チーズを日々の食生活に取り入れる前に、栄養士や医師に話を聞くのがおすすめ。

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まとめ

ガンズさんによると、認知症予防にチーズの摂取が推奨されるのはまだまだ先だそう。「心臓の健康状態、身体活動、睡眠、慢性疾患の管理など、総合的な食生活や生活習慣に関する要因は、特定の食品よりもはるかに重要です」と彼女は話す。

今回の研究結果は、食事に一定の脂肪が必要であることを再度伝えている。「すべての脂肪や飽和脂肪が同じようにできているわけでも、有害なわけでもありません。これはとくに、乳製品に当てはまります」とアンジェローネさんは話す。ただし、それでも限度はあります、と彼女は強調する。「高脂肪の乳製品はカロリーも高く、体重増加を促す可能性があります」とアンジェローネさん。

セギル医師も、脳の健康目的でチーズを食べることに注意を促している。「医学界はこれまで、アルコール、チーズ、赤身肉、チョコレートの摂取が体にいいとする立場を支持したり、逆に支持をやめたりしてきました」と彼は話す。「健康的な食事について私ができる最善の助言は、すべて適度に摂取することです」

脳の健康にいい食品の摂取に関して、アンジェローネさんは加工度の低い食品を中心とした、野菜や果物、全粒穀物を豊富に含む健康的で多様な食事を重視するよう推奨している。「そうすることで、適度な量の高脂肪乳製品を摂取する余裕が生まれます」と彼女は語る。

translation : Yumi Kawamura photo : Getty Images

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