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逃げる自分は許せない?「体育会系」思考にきっとささる!ポジティブな転換を考えてみた

  • 2026.1.28

はーい皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。

読者の皆さんって学生時代、何部だった人?
あたしは実は小学校から陸上競技部ひとすじ。

なかなかにスパルタな環境で、特に中高生の頃なんて、ひたすら怒られながら走らされていた記憶。
(日曜の、小学校からの恩師とのマンツーでの技術トレーニングだけは、楽しくて待ち遠しかったなぁ)

Sitakke
ライター・満島てる子

自分のいた場所を一言で表すなら、「体育会系」というくくりに入るのかしら。
そんな状況下で長い時間を過ごしたせいか、いまだに"マッチョな思考"というか、頑強すぎて柔軟性の無い考え方を捨てきれていない部分もあるみたいで、あたしってば時々反省したりするのよね。

今回はそんな自分の、体育会系的な"マッチョな思考"に同じく悩まされているらしいお方から、お手紙をいただいたようです。
ご紹介します。

読者からのお悩み「現在休職中なんだけど、『アスリート気質』の自分は転職するのも逃げるようでいや…」

Sitakke
Sitakke

あらまぁ大変。
ペンネームまで、今この方の置かれている状況の厳しさを伝えているじゃないのよっ!
この名前で呼ぶのも心苦しいけれど……「限界社会人」さん、お手紙送ってくださり感謝です。

どうかしら。休職したことで、心の平安はいくらかは戻ってきたかしら。

そうかぁ、モラハラ気質の上司に当たってしまったのね。
しかも会社が黙認だなんて。なんてことなのかしら……。

「休んだ方が良い」と助言してくれる同僚がいるというのは、まだ救いだろうけれど。
それでも、あなたが「寝られない・食べられないといった状況」を迎えてしまったというのは、近しいところにいない人間とはいえ、聞いていて普通に心配です。

適応障害に関して優先される対処法は、ストレス因を取り除いていくことだそう。

となれば、今考えているのであろう転職というのは、メンタルの復調がある程度進んだ上でになるでしょうが、ひとつの選択肢としては明るいもの。
積極的に検討していっていい話なんじゃないかなぁと思います。

でも、なるほど。

あなたったら、お手紙からもすぐ察せられるように、根っからの体育会系。
経歴はもちろん思考のパターンまで、確かに本物のアスリートさんなのね。

「体育会系」ってポジティブな側面もたくさんある

Sitakke
お花シリーズ「チューリップ」ピンクの花言葉には「労い」もあります

全国大会や国際大会に出場したことがあるというのは、本当にすごいことです。
そのレベルの大舞台に立てるほどの実力を培うには、修行とでも言うべき訓練と、自己管理が必要になるでしょう。

それらをやり遂げ、結果をこれまで出してきたというのは、種目は別ですが競技スポーツにいそしんでいた人間として、素直に尊敬と言うより他ありません。

そしてなにより。

量も質も桁違いの練習をこなし、勝負に勝ち続けていくためには、強い精神力をみずから育て、しっかり自分のものとすることが必要となるはず。

あなたはきっとそれに成功してきた人ね。
「プレッシャーにつぶされることなくフィールドに立ち続けてこれました」という言葉が、それを物語っているもの。

どんな局面でも折れることなく前を向き、壁を越えていくこと。
これって並大抵の人にできることではありません。

何より、自分自身を限界まで磨きあげ、ギリギリまでその実力を高めるというのは、おのれの輪郭を知り、その最善のあり方を見定めていくことにつながります。

そもそも「何事かに精魂尽き果てるまで取り組んだことがある。本気で生きたことがある」という経験値自体、何者にも代え難い宝。

だってその後何をするにせよ、「まだできる。自分は自分の底を知っている」と、心の幅を見定めながら事に当たることができるんだもの。

体育会系という文化の育ててきた「強い精神」には、そういった意味ですばらしいところがたくさんあるなと、あたしは思っています。

(近頃「体育会系」という言葉は、あまりいい意味では使われていませんよね。強引な根性論とか強制的な仲間意識とかを、どうやらイメージさせるらしく。でも、ここで書いたようなポジティブな側面もあるんだよと、個人的には言いたいときもあるんだよなぁ)

そんな「強い精神」をこれまでずっと育み、維持してきたのであろう「限界社会人」さんの立場からすれば。
なるほど転職というのは「戦わずに逃げる」ことと映ってしまうのね。

そうかぁ。そうなると、自分から選びたい方向性とは、大きく異なるものになってしまうのかしらね。難しいなぁ。

体育会系の世界は、実質戦いの世界です。
勝つか負けるかが大切なわけで、そうなると逃げることはもってのほか。ここのところは、とてもマッチョで頑強。

そういう価値観を旨として、これまで自分の人生を歩んできた相談者さんに、単に「逃げなさい!」と言っても違うよなぁと、あたしとしてはどう言葉をかけるべきか、非常に迷っているところです。

あたしなりのAnswer

Sitakke

さてあたしはというと、自分の中に潜んでいるアスリート気質なものの見方が、時々悪さをすることもあるので(女装仕事の際の、後輩・部下に対する指導のしかたとか、特にね。場合によって「あれは必要だった」と思うこともありつつも、定期的に「やらかしたかな…」と悔やんだりしています)。
マッチョで頑強なこころの芯を抜き去るべく、注力し続けてきた身です。

だから、もし可能なのであれば「限界社会人」さんにも、そのこころの芯を別のものに置き換えてみることにいつか着手してもらえたらと思いつつ。
今はもう少し別の方向性から、あなたが未来へと歩み出せるよう、背中を押させてもらおうと思います。

では、です。
ひとつ、あたしのお気に入りの漫画を紹介させてください。

松井優征作『逃げ上手の若君』(2021年〜、集英社)。通称『逃げ若』。

南北朝時代、鎌倉の栄誉を取り返すべく、時の将軍たる足利尊氏に刃向かい続けた、ひとりのもののふがいました。その名も、北条時行。
10歳に満たない幼年の身で鎌倉を奪還するなど、数々の武勲を立て、世を騒がせた人物です。

この漫画ではこの時行と仲間たちの人生が、コメディカルでありながらもエキサイティングに描かれます。
2024年にはアニメ化も実現。今年なんと第2期の放送も予定されている、人気作品です。

この『逃げ若』と出会って、あたしは「そっか」と、とある発見をしました。

それは、「逃げるって楽しいし、生きていくための強い武器にもなるんだ」ということです。

タイトル通り、この漫画の中での時行は「逃げ」に特化したキャラクターとして設定されています。

当時は勝利を得られない場合、討死や自害といった死をもって、武士としての名誉を保つのが常識でした。
にも関わらず時行は、様々な側面から徹底的に逃げの技術を磨いて、ここぞという佳境を生き抜き、時代を駆け抜け続けていきます。

その姿は、私たちに一種の清涼感をもたらしてくれる。

「逃げよう!」という言葉がこれほどまでに気持ちよく響くものかと、あたしはページをめくりながら驚かされたりしたものです。

この時行の逃げっぷり、「限界社会人」さんにはぜひ見てもらいたいのよね。

「逃げる」ことが前向きそのものに

Sitakke

おそらくアスリートなあなたは、スポーツ漫画よろしくな躍動感、乱世を勝ち抜いていく世界観を気にいるはず。
そして読み進めるうちに、きっと「逃げるって、ありかも」と考えられるようになるんじゃないかと思うの。

時行たちが大切にするのは、「逃げ延びて生き延びて得るもの」です。

しかもそれを求める姿勢は、どこまでも前向き。
戦略的撤退なんて、日常茶飯事。
「生きたがり」であることを恥じと思わず、むしろその道を突き進めていきます。

「限界社会人」さんには、どうかその姿勢を真似して、今後の参考にしてもらいたい。
自分が生き延びるために、ちんけな相手(モラハラ上司やクソ会社)のことはあえて取り合わなくていい。
異なる価値を、未来につながる選択肢を、あなたは逃げ延びて得てもいいんです。

「『逃げ』以外のいい表現があるのであれば、教えてほしいです」と言ってくれたのに、あえて「逃げ」という表現を繰り返し使ってしまったわね。ごめんなさい。

でもあなたはきっとストイックだから、「それは逃げじゃないよ」とあたしが伝えても、どこかで「これ、結局逃げだし許せない」と、転職を選ぶ自分のことを断罪してしまうはず。

だとすれば逆に、「逃げ」というものに少しでもポジティブな印象を持ってほしい。

『逃げ若』はおそらく、そのいいきっかけを与えてくれるでしょう。
何よりきっと、とても楽しい読書体験を、あなたにもたらしてくれるんじゃないかしら。

「限界社会人」さん、あなたは逃げていい。生きていい。

むしろ逃げることこそ前向きそのもの。
どうか2026年、めいいっぱい笑顔で逃げてみて。

大丈夫。あなたの心には鍛え抜かれた、体育会系の精神力が息づいている。
そのタフさがあれば、どんな環境からもきっとしっかり逃げ抜いて、新しい勝利を手にすることができるはず。

「限界社会人」さんが新しい戦いを明るく切り抜け、限界的な状況から逃げ延びてくれるよう。
体育会出身の同士として、あなたのことをこれからも応援していますよ!

ま・と・め♡

というわけで、今回は「逃げる」ということのプラス面について考えながら、言葉を紡がせていただきました!

一見ネガティブな印象で捉えられがちなことの裏側って、よくよく分析するといろんな財産が眠っていたりするよね(「逃げ」のみならず、「体育会系」も然り)。

様々な価値観と上手に丁寧に付き合いながら、少しでも柔軟にしなやかに生きていけるようになりたいなと、自分のことを振り返って改めて思ったりしたわん。

ではではみなさん、また次回。
Sitakkeね〜!

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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。

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