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「2,000万円あれば安心」は間違いだった。老後資金を計算して“絶句”…モデルケースを信じた人の“末路”【お金のプロが警告】

  • 2026.2.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

老後2,000万円」という数字を聞いて、不安になったことはありますか。この数字がひとり歩きするようになって久しいですが、そもそも何を根拠にした数字なのか、正確に把握している人は意外に少ないかもしれません。

実際に老後に必要な資金を自分で計算してみると、さらに必要かもしれませんし、そこまで必要ない可能性もあります。老後の生活を考えるのであれば、まずはどのような費用がかかるのか把握することが大切です。

2,000万円という数字は平均的な家計をもとにしたモデルケースに過ぎない

「老後2,000万円不足」の出所は、2019年6月に金融庁が公表した金融庁の有識者会議(金融審議会)がまとめた報告書です。

総務省「家計調査」のデータでは、実収入から実支出を差し引いた不足分が月平均約5万円と示されています。

毎月約5万円の赤字が20年続けば約1,300万円、30年続けば約2,000万円になるという試算を示したものです。

つまり、誰でも必ず2,000万円が必要という意味ではなく、あくまで平均的な家庭を想定した計算に過ぎません。家計調査における赤字額は年によって変動しており、一律に当てはめられる数字ではないということです。

自分の不足額はこうして計算する

大切なのは平均値に怯えることではなく、自分自身の収支で計算し直すことです。

不足額は、以下の式で概算できます。

(想定する毎月の生活費 ー 年金の見込額)× 老後の年数 + 医療・介護などの臨時支出

たとえば、持ち家があって住居費の負担が小さく、年金の範囲で日常生活費をほぼ賄えるとしましょう。その場合、準備すべき老後資金は「医療・介護費」「住まいの修繕費」「家電の買い替え」といった予備費が中心になり、想定より少額で済む場合もあります。

反対に、賃貸暮らしで家賃負担が続くなら、その分だけ必要額は増えます。年金額の目安は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できるので、まずそこから始めてみてください。

物価上昇という見落としがちなリスク

自分の不足額を試算するうえで織り込んでおきたいのが、近年の物価上昇です。

現金や預貯金だけで資産を持ち続けると、物価が上がるにつれて同じ金額で買えるものが少なくなっていく可能性があります。1,000万円を銀行に預けておいても、10年後に同じ価値があるとはかぎりません。

だからといって、無理に投資リスクを取らなくても大丈夫です。大切なのは「全額現金」という固定観念を一度疑い、自分が損をしても許せる範囲で資産の置き場所を考え直すことです。NISAやiDeCoなど、選択肢は以前より広がっています。

独身の老後は2,000万円という数字は当てはまらない?

独身の場合、支出が夫婦世帯より小さくなる一方、年金収入も1人分です。収支が赤字になるかどうか、赤字幅がどの程度になるかは、個別の条件によって大きく左右されます。

また、病気や介護にかかる費用を分担できる相手がいないことも、試算に織り込むべきポイントです。長く働き続けることや住居コストを抑えることが、夫婦世帯以上に有効な対策になります。

まずは自分のケースで老後の不足額を試算してみましょう

「2,000万円なんて無理だ」と不安を抱くより「自分の場合は月3万円の赤字になりそうだ」と捉えれば、打ち手はずっと具体的になります。たとえば「iDeCoで月1万円積み立て、あと2万円分は長く働くことで補おう」といったプランが見えてくるでしょう。

数字の正体を知り、自分の収支で計算し直すことで、不安を具体的な対策に変えやすくなります。まずは年金額の確認と、おおまかな生活費の試算から始めてみましょう。


参考:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(金融庁)

ライター:中野こうき
名古屋市出身。岐阜大学大学院自然科学技術研究科を卒業したあと、2021年にWebライターとして独立。理系ならではの「根拠を大切にする姿勢」と、FP1級取得を通じて培ったお金の知識を組み合わせ、金融・FP分野を中心に100本以上の記事を執筆してきた。「難しいお金の話を、身近に感じてもらえる記事に」をモットーに活動中。



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