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「かえって家計を圧迫している」お金のプロが警告。クレカを複数枚持ちした人の“末路”…注意すべき「意外な落とし穴」

  • 2026.2.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「還元率が高いからお得」そう思って、ついついクレジットカードの枚数が増えていませんか? あちらの店舗ではAカード、こちらのネットショップではBカード…と使い分けるのは、一見スマートに見えるかもしれません。しかし、もしかしたらその「お得」が、かえって家計を圧迫している可能性もあるのです。

なぜ、複数のカードを持つことが節約を妨げてしまうのか? そして、本当にお金が貯まるクレジットカードの使い方とは?

今回は、マネーシップス代表の石坂貴史さんに、私たちが見落としがちなクレジットカードの「落とし穴」と、今日から実践できるシンプルな家計管理術について、詳しくお話を伺いました。

ポイント重視が逆効果? 複数枚持ちが招く「見えない無駄」

---「還元率が高いほどお得」と考えて、複数のクレジットカードを使い分けています。しかし、本当に節約できているのか不安になることも。専門家の目から見て、複数枚持ちのメリット・デメリットは何でしょうか?

石坂貴史さん:

「多くの人は『還元率が高いほどお得』と考える傾向があります。しかし本当の節約とは、戻ってくるポイントの大きさではなく、出ていくお金をどのように減らせるかです。クレジットカードを複数枚持つことでまず起きるのは、支出がバラバラになり、全体像が見えにくくなることです。

食費はこのカード、ネットは別のカード、というように分かれると、月にいくら使ったのかを一目で把握できません。把握に時間がかかると、人は確認を後回しにしてしまいます。その間に支出は積み上がります。

次に、年会費という固定の負担です。1枚ごとの金額はそれほど高くないと感じても、複数枚あれば年間では意外と大きな金額になります。たとえば、年会費が2,000円のカードを3枚持てば年間6,000円、5,000円のカードを2枚持てば1万円です。

毎月で見ると小さく感じても、1年分を合計すると無視できない金額になります。さらに、旅行保険や優待特典が付いていても、実際には使っていないというケースも少なくありません。使っていなくても、年会費は毎年かかります。固定費は気づきにくいですが、確実に家計に影響します。

心理面の影響も見逃せません。『この支払いは還元率が高いから得だ』と考えることで、本来なら見送っていたはずの支出に対する抵抗が弱くなります。たとえば、特に急ぎでも必要でもない1万円の家電を、『今日は2%還元だから今買った方が得だ』と判断して購入したとします。1%のカードなら100円分、2%なら200円分のポイントが戻ります。差は100円です。

しかし、その買い物自体が不要だった場合、話は変わります。2%のカードを使っても戻るのは200円だけで、実際には9,800円が手元から減ります。1%のカードでも9,900円が減ります。注目すべきなのは還元率の差ではなく、『そもそも1万円を使う必要があったのか』という点です。買わなければ1万円はそのまま残っていました。

このように、判断基準が『本当に必要かどうか』ではなく、『どれだけポイントが戻るか』にすり替わると、支出を増やす方向に働きやすくなります。クレジットカードの複数枚持ちが節約を妨げる根本は、管理が複雑になることに加え、こうした判断の軸がぶれてしまう点にあります。」

複雑なカード管理が、なぜ家計を狂わせるのか

---複数のクレジットカードを使い分けることで、家計の管理が複雑になり、月末に「あれ、残高が足りない…」となることがあります。これはなぜでしょうか?

石坂貴史さん:

「複数のカードを使い分けることは、一見すると合理的です。

しかし家計管理という視点では、仕組みが複雑になるほど、ミスや無駄が入り込みやすくなります。支出が複数の明細に分かれると、『今月合計でいくら使っているのか』が直感的に分かりません。合計が見えないと、使い過ぎにも気づきにくくなります。結果として、月末になって想定より残高が少ないと気づく場面も増えます。

また、カードごとに請求日が違うと、口座残高の管理も難しくなります。『まだ引き落としが先だから大丈夫』と考えて、追加の買い物をしてしまうこともあります。これは資金の流れが見えていないことから起こる錯覚です。支払いのタイミングが分散するほど、現金感覚は薄れやすくなります。

ポイントを効率よく貯めること自体が目的になると、『今なら多くもらえる』という理由で予定外の支出が増えます。必要性よりも還元率が判断基準になると、節約とは逆の行動になりやすいです。

さらに、クレジットカードの管理が面倒になると、明細を細かく確認しなくなります。小さな無駄は目立ちませんが、年間では大きな金額です。家計は単純であるほどコントロールしやすいという原則があります。この原則が崩れることこそが、複数枚持ちの大きなリスクといえます。」

今日から実践! 家計が劇的に変わるカード整理術

---複数のクレジットカードの管理で悩んでいる読者に向けて、明日からできる具体的な改善策を教えてください。

石坂貴史さん:

「明日からできることは、まず生活費の支払いをできるだけ1枚のカードにまとめることです。食費、日用品、光熱費、通信費など、毎月必ず出ていくお金を同じカードで払います。そうすると、明細を見れば『今月はいくら使ったのか』がすぐ分かります。支出が一目で分かる状態を作ることが、いちばん効果の高い節約です。引き落とし口座もなるべく一つにまとめると、お金の流れがさらに見えやすくなります。

次に、年会費がかかっているカードを確認しましょう。そのカードで年間いくら得をしているのかを具体的に考えてみてください。特典をほとんど使っていない、ポイントも思ったほど貯まっていない場合は、持ち続ける意味は薄いかもしれません。年会費は毎年必ず出ていく固定の支出です。ここを減らすことは、確実な節約になります。

カードを持つ理由もはっきりさせましょう。仕事用と私用を分けるなど、目的が明確な場合だけ複数枚を持ちます。『何となく便利そう』『キャンペーン中だから』といった理由で増やさないことが大切です。枚数が増えるほど、管理は難しくなります。

そして月に一度、利用明細の合計金額を必ず確認します。細かい内訳よりも、まず総額を見ることが重要です。前の月より増えているか減っているかを確認するだけでも効果があります。支出を定期的に見直す習慣が、ポイントの差よりも大きな節約につながります。

ポイントはあくまでおまけです。『支出を把握すること』『固定の支出を減らすこと』『仕組みをシンプルにすること』この3つを意識することが、本当に効果のあるクレジットカードの使い方です。」

賢いクレジットカード活用で、確実な節約を実現する3つの柱

取材を通じて、還元率の高さばかりに目を奪われることが、かえって支出を増やす落とし穴になることが分かりました。本当の節約は、いかに「出ていくお金を減らすか」に尽きます。石坂貴史さんが教えてくれたのは、「支出の把握」「固定費の見直し」「仕組みのシンプル化」という3つの原則。これらを意識してクレジットカードを整理・活用することで、家計は確実に改善され、無駄な支出をなくし、本当に必要なことにお金を使えるようになるでしょう。


監修者:石坂貴史

証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。"