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「ノロウイルス」食中毒、カキ以外の要注意食材とは 専門医が教える感染経路&発症時の“NG行為”

  • 2026.1.25
ノロウイルスの感染リスクがある食べ物とは?(画像はイメージ)
ノロウイルスの感染リスクがある食べ物とは?(画像はイメージ)

冬はノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行する季節です。今年に入ってからも、飲食店や高齢者施設などではノロウイルスによる集団食中毒が相次いで確認されており、SNS上では「怖い」「ノロウイルスやばい。これはきつい」などの声が上がっています。

ところで、「カキを食べるとノロウイルスに感染しやすい」といわれていますが、カキ以外にも注意が必要な食材はあるのでしょうか。ノロウイルスによる感染性胃腸炎とみられる症状が出たときの対処法やNG行為などについて、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック(大阪市天王寺区)院長で総合内科専門医、消化器病専門医、内視鏡専門医の安江千尋さんに聞きました。

手作りの料理を通じた感染が多い

Q.そもそも、ノロウイルス感染症とはどのような病気なのでしょうか。

安江さん「ノロウイルス感染症は、ノロウイルスというウイルスが原因で起きる感染性胃腸炎です。特に11月から翌年3月ごろにかけて流行しやすく、食中毒や集団感染の原因として最も多いウイルスの一つです。

感染すると、突然の吐き気や嘔吐(おうと)、下痢、腹痛といった消化器症状が現れます。発熱はあっても38度未満のことが多く、インフルエンザのような高熱が出ることは通常ありません。症状はノロウイルスに感染後、12~48時間程度で急に始まるのが特徴です。多くの場合、症状は1~3日程度で自然に軽快しますが、嘔吐や下痢が激しい場合は脱水症状を起こすことがあります。特に高齢者や乳幼児、基礎疾患がある人は注意が必要です。

またノロウイルスは、数十個程度のごく少量のウイルスでも感染が成立するほど、感染力が非常に強い点も特徴です。そのため、家庭内や施設内で次々と感染が広がるケースも少なくありません」

Q.「カキを食べるとノロウイルスに感染しやすい」とよくいわれますが、カキ以外にも注意が必要な魚介類はありますか。

安江さん「ノロウイルスというと『カキ』のイメージが強いですが、注意すべき食材はカキだけではありません。特に注意が必要なのは、加熱不十分な二枚貝です。カキのほかにも、アサリやハマグリ、シジミなどの貝類は、海水中のノロウイルスを体内に取り込みやすい性質があります。中心温度85~90度で1分30秒以上しっかり加熱しないと、ウイルスが残る可能性があります。

一方、魚そのものがノロウイルスを持っていることは基本的にありません。問題になるのは、調理や取り扱いの過程でウイルスが付着するケースです。ノロウイルスに感染する原因として多いのが、感染者の手指を介して汚染された食品です。例えば、『トイレ後の手洗いが不十分な人によって作られた料理』『おにぎりやサンドイッチ、あえ物など手で触れる機会が多い料理』『家庭や飲食店での作り置き料理』などが原因になることがあります。

つまり、ノロウイルスに感染するのは、特定の食材が原因というよりも『調理する人の手指が不衛生な状態』が原因で引き起こされるケースが多いです」

Q.もしノロウイルスによる感染性胃腸炎とみられる症状が出た場合、どのように対処すればよいのでしょうか。カキやアサリなど、ノロウイルスの感染リスクが高い食べ物を発症前に食べていた場合、受診時に医師に報告した方がよいのでしょうか。

安江さん「ノロウイルスによる症状が疑われる場合、最も重要なのは脱水を防ぐことです。基本的な対処法として『無理に食事を取らず、水分補給を最優先する』『一度に大量ではなく、少量ずつ小まめに水を飲む』『水やお茶を飲むのがつらい場合は、経口補水液を飲む』が挙げられます。

特に嘔吐が強いときに無理に水分を摂取すると、かえって吐いてしまうため、『スプーン1杯ずつ』『数分おき』など、負担の少ない方法で摂取するのがお勧めです。

また、カキやアサリなどのように、ノロウイルスの感染リスクが高い食べ物を食べていた場合は、医師に伝えるのが望ましいです。診断の参考になるだけでなく、周囲への感染拡大を防ぐための判断材料にもなります」

Q.ノロウイルスによる感染性胃腸炎は症状が軽い場合、受診せずに様子を見てもよい病気なのでしょうか。それとも、受診すべきなのでしょうか。症状が出たときのNG行為も含めて、教えてください。

安江さん「健康な成人で、症状が軽く水分が取れている場合は、自宅で様子を見ることも可能です。ただし、次のような症状に該当する場合は早めの受診をお勧めします」

【ノロウイルスによる感染性胃腸炎で早めに受診した方がよいケース】・水分がほとんど取れない・嘔吐、下痢が半日以上続く・高齢者や乳幼児、妊娠中の女性に症状が出た場合・心臓病や腎臓病などの持病がある・血便や強い腹痛を伴う

また、ノロウイルスの感染時に避けるべき行為もあります。

【症状が出たときのNG行為】・自己判断で下痢止めを使うノロウイルスを体外に排出する妨げになる可能性があります。

・無理に食事を取る

・消毒にアルコールだけを使うノロウイルスはアルコールが効きにくく、次亜塩素酸(塩素系漂白剤)が有効です。

また、症状が治まった後も、数日から1週間程度はノロウイルスが便の中に排出されることがあります。ノロウイルスに感染後は「調理を控える」「手洗いを徹底する」など、周囲への配慮が大切です。

オトナンサー編集部

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