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大学入試で受験生がカンニング…実は“犯罪”に該当するケースも「魔が差した」が一切通用しないワケ【弁護士解説】

  • 2026.1.24
入学試験中にカンニングすると犯罪に?(画像はイメージ)
入学試験中にカンニングすると犯罪に?(画像はイメージ)

大学入学共通テストが1月17日と同月18日の2日間にわたって実施され、本格的な受験シーズンを迎えました。そんな中、報道によると、同テストでは7人の受験生が不正行為で失格となったということです。失格となった受験生は隣席の人の答案をのぞき込んだり、隠し持っていたスマホでウェブページを閲覧したりするなどの行為をしたといいます。

もしも大学や高校などの入学試験の際に、他人の答案用紙を盗み見たり、隠し持ったメモや参考書などを見たりするなどの不正な行為をした場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

「偽計業務妨害罪」に該当する可能性

Q.大学や高校などの入学試験で、受験生が隣席の人の答案用紙を盗み見たり、試験中に使用が禁止されているスマホや電卓などを使って答えを導き出したりするなどの不正行為をした場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか、

牧野さん「試験中の不正行為(カンニング)は、単に試験が無効になるだけでなく、試験主催者の試験運営業務を不正な手段(偽計)で妨害することになります。そのため、刑法233条の『偽計業務妨害罪』に該当し、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科される可能性があります。

ただし、他人の答案用紙を盗み見たり、スマホや電卓などを使って答えを導き出したりする行為の場合、よほど悪質でなければ偽計業務妨害罪に問われる可能性は低いと考えられます」

Q.では、入学試験中にどのような不正行為をすると、偽計業務妨害罪に問われる可能性が高くなるのでしょうか。

牧野さん「例えば試験中、隠し持っていたスマホのカメラで問題用紙を撮影し、家庭教師やSNSの知人など、外部の人に送信して答えを聞くような行為の場合、試験主催者の試験運営業務を不正な手段(偽計)で妨害したとして、偽計業務妨害罪に問われる可能性が高くなります」

Q.私立中学や国立中学などの入学試験で、受験生が重大な不正行為をした場合はいかがでしょうか。不正行為を行っても少年法の関係で、基本的に法的責任を問われないのでしょうか。

牧野さん「中学受験の場合、受験生は、11~12歳です。試験中に重大な不正行為をしたとしても刑法上、13歳以下の人は処罰されませんが、少年法で保護処分を受ける可能性があります。14歳以上であっても19歳以下の場合には、全ての少年事件は家庭裁判所に送られます。

少年法の処罰は、更生を目的とするため、拘禁刑や罰金ではなく、保護司や保護観察官の指導を受ける『保護観察』、矯正教育を受ける『少年院送致』などの保護処分が原則となります」

Q.過去に試験中の不正行為が原因で刑事責任を問われた事例について、教えてください。

牧野さん「過去に偽計業務妨害罪で摘発された事例は次の通りです。受験生は試験中のカンニングが『魔が差した』では済まされないことを認識する必要があります」

・大学入学共通テストで問題流出(2022年)大阪府の当時19歳の女子大学生が大学入学共通テストの試験中にスマホで「世界史B」の問題を撮影し、SNSで知り合った男性に送信して解答を求めた事件がありました。女子大学生は偽計業務妨害の非行内容で家裁送致され、保護観察処分相当とされました。また、問題の画像を受け取って転送した28歳の会社員の男も略式起訴されました。

・一橋大学の入試問題流出(2022年)一橋大学の外国人留学生向け入学試験で、中国人留学生が数学の問題を撮影し、SNSを通じて外部の人間へ送信し、解答を依頼した事件がありました。警視庁は関係した中国籍の男2人を偽計業務妨害容疑で逮捕しました。

・早稲田大学の入学試験でスマートグラス使用(2024年)早稲田大学の入学試験で、18歳の受験生が眼鏡型カメラ(スマートグラス)を使って試験問題を撮影し、外部に流出させた事件がありました。受験生は偽計業務妨害で書類送検されました。

オトナンサー編集部

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