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朝ドラ“27年ぶり”の映画化「納得の素晴らしさ」「画期的」観る人の“心を掴んだ2年前の”NHK連続テレビ小説

  • 2026.2.16

2024年に放送されたNHK連続テレビ小説『虎に翼』は、とても学びの多い朝ドラだった。伊藤沙莉が演じる寅子は、「はて?」が口癖で、常に疑問に感じたことを口に出す主人公。視聴者は寅子と一緒に、さまざまな疑問に対してスルーしてはいけないと、たくさん学ぶことができた。2026年の今この時こそ、もう一度観たいし、未見の人にはぜひお勧めしたい朝ドラだ。
2026年3月には、スピンオフ『山田轟法律事務所』が放送される。そして、2027年には映画版も公開予定。朝ドラの映画化は、1999年の『すずらん』以来、27年ぶりだ。

※以下、本文には放送内容が含まれます。

NHK連続テレビ小説『虎に翼』

『虎に翼』は、日本で初めて女性弁護士になり、女性初の判事・裁判所長にもなった三淵嘉子を主人公のモデルとし、吉田恵里香が脚本を担当した朝ドラだ。

ストーリー
主演は伊藤沙莉。日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー。困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を描く。
出典:NHKオンデマンド『虎に翼』

週のタイトルは、女性に対する決めつけや、偏見などを基にした慣用表現やことわざに“?”を付け、疑問として提示するようになっているのが印象的だった。第1週は“女賢しくて牛売り損なう?”、第2週は“女三人寄ればかしましい?”といった具合だ。

物語は1931年(昭和6年)から始まるが、当時の女性たちは、現在とは全く比べ物にならないほど、勉学においても仕事においても、男性との差が大きかった。そんな時代に、主人公の寅子は、1つ1つ扉を開いていき、法曹の道を歩んでいく。

法律を学び、弁護士を目指して邁進する、寅子のような“働く女性”だけではなく、“専業主婦”にもスポットを当て、優劣をつけることなく、1人1人が重要だと描いた本作。さらには性的マイノリティや、外国籍の人であっても、1人も取りこぼさずにすくい上げる吉田の脚本は、日本中の視聴者の心をつかんだ。筆者も、毎日『虎に翼』を観るのがすごく楽しみで、夢中になって最終話まで堪能した。

本作は、これまでにはなかった、“歯に衣着せぬ”稀有な朝ドラとして、多くの視聴者から共感を得ることとなった。SNSには「画期的!」「学びが多い」「映画化も納得の素晴らしさ」といったコメントが並んだ。

たくさん学んで感動できるドラマ

『虎に翼』が始まった当初、法曹界が舞台のドラマというのは難しい内容なのかなと、少し身構えたのを覚えている。それは杞憂に終わり、「子どもと一緒に見ても分かりやすくて楽しい」「たくさん感動した」という視聴者が続出するほど、難しいことなどなかった。寅子は「はて?」と疑問を抱く度に、解決しようと奔走する。そして、その先には答えがあるので、とても分かりやすく、ドラマとして楽しむことができるのだ。

毎回、寅子の言動を追い、時に理不尽なことも一緒に体感しながら、現在、私たちが手にしている“自由”は、こんなにも紆余曲折を経て、得ることができたのだと学んだ。寅子のような先人たちが奮闘してくれて、苦労の末に手に入れた“自由”を手放すことがないように祈りたい。

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主演・仲野太賀はヒロインの夫役

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伊藤沙莉 (C)SANKEI

『虎に翼』は、内容もさることながら、主演の伊藤をはじめとするキャストたちも非常に魅力的だ。現在、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主演を務めている仲野太賀は、寅子の夫・優三を演じたが、“朝ドラ史上最高に素晴らしい夫”、“理想的な夫”として賞賛を集めた。

優三は、寅子の実家に下宿する書生で、寅子にずっと想いを寄せていた。恋愛に鈍感な寅子は、優三の気持ちに全く気づいていなかったが、彼の誠実さと深い愛情を知り、愛し合うようになった。寅子に、好きに生きてほしいと願いながら、出征して帰らぬ人となってしまった優三。妻・寅子を全肯定し、後悔しない人生を歩んでほしいと願った優三を好演した仲野は、視聴者の涙を誘い、朝ドラファンから演技を絶賛された。

寅子を見守り、好きなことをさせてくれた両親を演じた岡部たかしと石田ゆり子も、視聴者から人気を得た。特に、石田が演じる母・はるが、寅子に六法全書を買い与えるシーンは感動的だった。
岡部は、現在放送中の朝ドラ『ばけばけ』でも、髙石あかりが演じるヒロイン・トキの父親を快演しているが、『ひよっこ』『なつぞら』『エール』『ブギウギ』にも出演。朝ドラの常連として知られている。

待ち遠しいスピンオフ『山田轟法律事務所』

『虎に翼』は、キャラクターも魅力的。1人1人挙げ出したら、キリがないくらい大勢いるので、スピンオフ『山田轟法律事務所』が作られるほど人気を呼んだ2人をピックアップしたい。山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)だ。
よねは口が悪く、寅子や同級生たちに対して、最初は感じが良くなかったが、打ち解けた後は、寅子にとって大切な友達となった。よねの魅力は、ぜひドラマを観て深く知ってほしい。

轟は“男らしさ”にこだわる、“典型的な九州男児”の学生だったが、寅子たちと親しくなり、考えを改めた。彼は内面に関して、人には話せない悩みを持っていたが、よねに打ち明けたことで、理解し合える間柄となり、共に『山田轟法律事務所』を開業する。

あらすじ:
山田よね(土居志央梨)は、空襲でひん死の重傷を負ったカフェ燈台のマスター・増野(平山祐介)をリヤカーで運んでいた。敗戦に打ちひしがれ、無秩序と差別が渦巻く上野の街で、これまで学んできた法は無力に思え、よねの心は徐々にすさんでいく。生き別れていた姉・夏(秋元才加)と再会するものの、二人の心はすれ違ったまま。そして夏を理不尽な暴力が襲う。よねは犯人を追うが、闇市を支配する勢力のうごめきに増野も巻き込まれ、真相は闇に葬られてしまう。絶望の中、よねは新聞で目にした憲法十四条を怒りに突き動かされるように壁に書き記す。やがて轟太一(戸塚純貴)との再会を機に、よねは法律事務所を開設し、追い詰められた人々の事件に立ち向かっていく。
出典:NHKドラマ情報/『虎に翼』スピンオフ『山田轟法律事務所』

2026年3月20日の『山田轟法律事務所』の放送が待ち遠しい!

『虎に翼』の劇場映画は2027年公開予定

2027年に公開予定の『虎に翼』の映画版も楽しみでたまらない。完全オリジナルストーリーとなっており、ドラマ版に引き続き、主演は伊藤、脚本は吉田が担当する。

劇場映画の内容は、ドラマでは描き切れなかった新たなエピソードや、その後の物語が、時代をまたぐ壮大なスケールで展開すると発表されている。“最後の事件”に挑むという、寅子の雄姿に期待したい。


出典:NHKエンタープライズ・プレスリリース

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP