1. トップ
  2. レシピ
  3. 「おばさんちょうだい!」試食品を何度ももらう子供。違和感を感じ、子供の後を追いかけると…【短編小説】

「おばさんちょうだい!」試食品を何度ももらう子供。違和感を感じ、子供の後を追いかけると…【短編小説】

  • 2026.1.11
「おばさんちょうだい!」試食品を何度ももらう子供。違和感を感じ、子供の後を追いかけると…【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

試食品をとりに来た子供

スーパーで少し高めのロースハムの試食販売をしていた時のことです。

週末で混み合う店内、一人の男の子が何度も私の前にやってきました。

「おばさん、それちょうだい!」

元気な声ですが、その子は受け取ったハムをその場では食べず、手に持ったビニール袋にこっそりと放り込みました。

一度や二度ではありません。五回、六回と繰り返し、「おばさん、もっと!」と催促に来るのです。

(これ、自分でおやつにする量じゃないよね……?)

不審に思った私は、交代のスタッフが来たタイミングで、店を出ていく男の子を少し離れて追ってみました。

見てしまった光景

すると、彼は駐車場に停まった一台の車へと駆け寄っていったのです。

車の窓が開くと、中には派手な格好をした母親らしき女性が座っていました。

男の子がハムの入った袋を差し出すと、母親は中を覗き込んで不満そうに言いました。

「これだけ? もっとたくさんもらってきなさいって言ったでしょ。今日の昼ごはんにするんだから。タダなんだから遠慮しなくていいのよ」

男の子は困ったような顔をして、「でも、おばさんに顔を覚えられちゃったよ……」と俯いています。どうやら母親に命じられて、試食品を「回収」させられていたようでした。

あまりに身勝手な言い分に、私は我慢できなくなりました。私はわざと明るい声を出して、車のそばへ歩み寄りました。

「お買い上げありがとうございます! 試食をあんなに気に入っていただけて嬉しいです。あちらの袋に入っている分、ちょうど一パック分くらいの量になりますので、こちらの伝票をお持ちになってレジでお会計をお願いできますか?」

私は店内の「試食は一人一点。過度な持ち出しは商品代金を頂戴します」という注意書きのメモを笑顔で提示しました。

母親は顔を真っ赤にして、「はあ!? なんでタダのものにお金を払わなきゃいけないのよ!」と怒鳴りましたが、周囲の買い物客が冷ややかな視線を送っていることに気づくと、バツが悪そうに「もういいわよ、いらないわよ!」と袋を私に突き返し、急いで車を急発進させて去っていきました。

子供に罪はありませんが、親の常識外れな行動には毅然と対応して正解だったな、とスカッとした気持ちになった出来事でした。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる