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お風呂は『追い焚き』と『入れ替え』どっちが安い?→お金のプロが明かす、ガス代の損得を分ける「意外な基準」とは?

  • 2026.2.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

毎日の入浴で気になるのが「残り湯を追い焚きする」のと「新しくお湯を張り替える」のでは、どちらが節約になるのかという疑問。

ガス代の仕組みや加熱効率の違いなど、意外と知らない損得の境界線が存在します。

今回は、金融機関勤務の現役マネージャーで1級ファイナンシャル・プランニング技能士の中川 佳人さんにインタビュー。本記事では、ガス代・水道代のトータルコストや、判断基準となる「温度」と「時間」の目安を分かりやすく解説します。

給湯器の効率よりも「残り湯の温度低下」に注目

---追い焚きと入れ替えのガス代、どちらの方がお得なのでしょうか。差を決定づける最大の要因は、お湯の温度低下と加熱効率のどちらにあるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「追い焚きと入れ替えのどちらが得かについては、『こちらが常に有利』と一概に言える答えはありません。

ガス代だけで見れば入れ替えの方が安くなる場合もありますし、水道代を含めたトータルコストでは追い焚きが有利になるケースもあります。そのうえで、差を決定づけやすい要因は、給湯器の加熱効率そのものよりも、残り湯の温度がどの程度下がっているかという点にあります。

現在のガス給湯器は、新しいお湯を張る給湯時の効率が高く、機種によっては加熱効率が90%前後に達します。一方、追い焚きは残り湯を循環させて温め直す仕組みのため、配管条件や機種によって効率に差が出やすく、給湯よりやや効率が下がる場合があります。ただし、この効率差は家庭ごとのばらつきが大きく、日常的なコスト差を単独で左右する決定打になりにくいのが実情です。

これに対して、残り湯の温度低下は再加熱に必要なエネルギー量に直結します。入浴から時間が経ち、湯温が下がるほど必要なガス量は増えやすく、特に一般家庭では、給湯器の効率差よりも、お湯がどれだけ冷えているかの方が、追い焚きと入れ替えの損得に影響しやすい傾向があります。

このように、追い焚きと入れ替えのどちらが得かは、ガス種や料金単価など複数の条件で変わりますが、実務的には、加熱効率の違いよりも残り湯の温度低下の方が結果に影響しやすいといえます。」

追い焚き判断のボーダーライン 目安は「6〜8時間以内」と「20℃以上」

---追い焚きと入れ替えのどちらが経済的かは、お湯の冷め方や時間帯によって変わると思いますが、判断の目安となる温度差や時間の基準を教えてください。

中川 佳人さん:

「追い焚きと入れ替えのどちらを選ぶか判断する目安は、前回の入浴からの経過時間と残り湯の温度の2点です。経済性を重視する場合、入浴間隔が比較的短く、残り湯が大きく冷えていないかどうかが重要になります。一つの目安として、6〜8時間以内で、残り湯の温度が20℃以上保たれている場合は、追い焚きを選びやすい状況といえます。

追い焚きは水道代がかからない反面、機種や配管条件によっては給湯より加熱効率が下がることがあり、温度低下が大きいほどガス代がかさみやすくなります。お湯の温度が比較的高く保たれていれば、追い焚きに必要なエネルギーは少なく済みますが、時間が経過してぬるくなるほど再加熱に必要なガス量は増えやすくなります。

実務的には、入浴後数時間以内であれば、追い焚きの追加コストは数十円程度に収まるケースもあります。一方、10時間以上放置し、湯温が20℃前後まで下がった場合には、追い焚きのガス代が増え、入れ替えとのコスト差が小さくなることがあります。冬場は、ガス代だけを見ると入れ替えの方が安くなる場合も考えられます。

また、お湯を一晩以上放置すると細菌が増殖しやすくなるため、衛生面からも翌日まで残り湯を持ち越す使い方は避けた方が安心です。入浴間隔が長い場合や湯温が明らかに下がっている場合は、無理に追い焚きをせず、入れ替えを選ぶ方が合理的といえるでしょう。」

明日からできる節約術 家族の入浴時間をまとめて「熱」を逃がさない工夫を

---追い焚きと入れ替えで迷う家庭が、明日から光熱費を確実に節約できる、最も効果的な「判断基準」と「実践のコツ」を教えていただけますでしょうか。

中川 佳人さん:

「追い焚きと入れ替えで迷ったときは、できるだけシンプルに判断することが光熱費の節約につながります。一つの目安として、前回の入浴からあまり時間が空いておらず、残り湯が大きく冷えていない場合は追い焚きを選び、時間が経過して湯温が下がっている場合は入れ替えを選択する、という考え方が参考になります。具体的には、入浴間隔がおおむね半日以内で、残り湯がぬるさを感じない程度に保たれているかどうかが判断材料になります。

追い焚きは水道代を抑えられる一方、機種や配管条件によっては給湯より加熱効率が下がる場合があり、冷めたお湯ほど再加熱に多くのガスを必要とします。時間が経過し温度が下がるほど、追い焚きの経済的メリットは徐々に小さくなります。

実践するにあたって効果が高いのは、家族の入浴時間をできるだけまとめることです。入浴間隔を短くするだけで、追い焚きの回数や加熱時間を減らせます。また、浴槽のフタや保温シートを併用すると、湯温の低下を抑えやすくなり、再加熱に必要なガス量の節約につながります。

さらに、残り湯は翌日に持ち越さず、その日のうちに洗濯の洗い工程などで活用すると無駄がありません。一晩放置したお湯は衛生面に配慮が必要になるため、入浴を集中させ、熱を逃がさない習慣を意識することが、節約と衛生面での安心の両立につながります。」

シンプルに判断!温度と時間を意識した賢い入浴習慣

追い焚きと入れ替えの選択は、残り湯の温度と経過時間を基準にシンプルに判断するのがコツです。

入浴間隔を短くし、フタや保温シートで熱を逃がさない工夫をすることで、追い焚きに必要なエネルギーを最小限に抑えられます。

衛生面も考慮し、その日のうちに効率よく入浴を済ませる習慣を身につけて、賢く光熱費を削減していきましょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。


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