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60店舗→30店舗に激減…開業初年から大赤字、百貨店が2年で撤退した商業施設

  • 2026.1.14
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

兵庫県神戸市の再開発地区、ハーバーランド。観光客で賑わうこのエリアに、開業から30年以上の間に運営主体が4回も変わるという波乱万丈な歩みを見せてきた商業施設があります。

現在は「ハーバーセンター」として地域に根付いているこの建物は、一時はテナントが激減し、先行きが注目された時期もありました。

しかし、現在は地域住民の暮らしを支える「生活密着型施設」として再生を遂げています。

今回は、都市開発の歴史を独自の視点で発信するYouTuberだいまつさんに、現地を歩いて感じた建物の魅力と、その数奇な運命についてお話を伺いました。

ハーバーセンターのあゆみ

神戸ハーバーランドセンタービルにあるハーバーセンターは、1992年に神戸西武として開業した商業施設。ですが、2年で撤退。その後、ハーバーサーカス(1996年開業)、ビーズキス(2004年開業)、ファミリオ(2008年に改称)と運営会社が変わりました。

ビーズキス時代には最大60店舗が入居していましたが、2008年には30店舗に減少。ファミリオ時代にはさらにテナントが減り、わずか4店舗まで落ち込みました。

2011年に現在の運営会社が取得し、2014年にハーバーセンターとして地域生活密着型の施設に転換しました。現在はダイソー、ニトリ、業務スーパー、サイゼリヤなど日常的に利用できるテナントが約20店舗入居しています。地下1階から5階まで吹き抜けのスペースシアターというイベントスペースがあり、400人収容可能で地域のイベントに活用されています。

開業から30年以上が経過し、現在は周辺住民を中心に利用される施設となっています。

バブル期の象徴的空間「スペースシアター」

---現地に実際足を運んでみて、「ハーバーセンター」という施設のどこに特に魅力を感じましたか?

だいまつさん「スペースシアターと名付けられた吹き抜け空間兼イベントスペース、そして動いているところが見えるガラス張りのエレベーターです。いわゆるバブル期の建築らしさを感じられる点が印象的でした」

---具体的にどのようなところにそれを感じましたか?

だいまつさん「地下1階にスペースシアターが設置されており、どの階からでもスペースシアターで開催されるイベントが見えるように最上階まで吹き抜けになっています。そのため施設の4分の1ほどが吹き抜けになっているのです。その分、売り場として使える面積は限られていたのだと思いますが、こうした設計の建物は現在ではあまり見られません。そういった意味で、当時の時代背景を伝える空間として魅力を感じました」

400人を収容可能な規模を誇り、大型モニターも設置されている「スペースシアター」。現在もイベント会場として使用されており、建築当時の意匠を今に伝える存在となっています。

「スイーツのテーマパーク」を核とした時代

---最大60店舗も入っていた「ビーズキス」時代、なぜ30店舗にまで減少し、運営を手放すことになったとだいまつさんは思われますか?

だいまつさん「ビーズキス時代は洋菓子のテーマパークである『神戸スイーツハーバー』を核(核テナント)としていました。非常に高い集客力を持っていたのに、契約期間の3年で撤退することになりました。その後、核となる施設がなくなったことで来館者数が落ち着き、結果的に他のテナントも順次退店していったのではないかと考えています」

---集客の中心を担っていた施設の撤退は、大きな影響があったのかもしれませんね。

だいまつさん「建物自体の立地が、観光客のメイン動線から少し外れているため、スイーツハーバーに行く前に他の施設のカフェで満足されてしまい、うまく客が流れていなかったのかなと推測しています。また、豪華な建物ゆえに維持費や家賃も高く、運営側との折り合いがつかなかった可能性もあるのではないでしょうか」

開業当初は最大約60店舗が入居していた「ビーズキス」(2004年〜2008年)。しかし、だいまつさんが指摘するように、2007年に核店舗の「神戸スイーツハーバー」が契約満了で閉鎖。2008年には「トイザらス」が撤退するなど、大型テナントの離脱が相次ぎました。

これにより集客が低迷し、テナント数は約30店舗にまで減少。こうした状況を受け、運営主体は変更され、施設は新たな形へと移行していきます。

紆余曲折を経た商業施設の今

かつては相次ぐ運営交代や核テナントの撤退といった困難に直面したこの建物。だいまつさんは、今の安定した状況について「地域密着に振り切ったことが功を奏している」と分析します。

現在の神戸ハーバーセンターには、家具、衣料品、生活雑貨、食品など、日常的に利用される店舗が入居しています。観光目的の施設とは異なり、近隣に住む人々の生活に寄り添う構成となっています。

竣工から30年以上。かつて非日常を演出していた空間で、今は市民の日常が営まれている。そのギャップこそが、神戸ハーバーセンターの新しい魅力なのかもしれません。



取材協力:だいまつさん
日本各地の都市開発や商業施設の情報を研究し、YouTubeで発信するバブル遺産マニア。独自の視点で街の変化や歴史を伝えている。
・YouTube:だいまつのどこでも探検隊(@daimatsudokodemo
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・TikTok:だいまつのどこでも探検隊(daimatsu_


参考:
神戸ハーバーランド株式会社
Harbor center

※本記事は投稿者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています