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正月の“手土産地獄”で悟った…タワマン購入も来客が重なる日に詰む30代主婦の大誤算【一級建築士は見た】

  • 2026.1.14
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

「正月に親戚が来ただけで、玄関に辿り着くまでが一苦労でした……」

そう語るのは、駅前タワマンの高層階を購入したBさん(30代主婦)。

普段は快適なはずの暮らしが、年始の数日だけ別物になる。これがタワマンの“来客シーズンの落とし穴”でした。

エレベーター待ちが“手土産地獄”を加速する

元日前後は、親戚の訪問だけでなく、宅配・出前・帰省の出入りが重なります。するとエレベーターは、朝夕の通勤ラッシュとは別の混雑モードに突入します。

「上りたいのに来ない」「来たと思ったら満員」「ベビーカーや大荷物で一度見送る」――たった数分の待ちが積み重なり、手土産を抱えた来客の体力も、迎える側の気力も削られていきます。

便利なはずのタワマンで、まさか“縦移動がボトルネック”になるとは。Bさんにとって大誤算でした。

オートロックと入館手続きが、迎える側を疲れさせる

来客のたびにインターホン対応、オートロック解錠、場合によってはゲストの入館手続き。

さらに「台車のルール」「通れるエレベーターの指定」「荷物は防災センター経由」など、物件独自の決まりがあると一気に難易度が上がります。

Bさんは「来客をもてなす前に、まず“マンションの手順”で疲れ切った」と言います。

原因は“戸数×運用”のミスマッチ

問題は、エレベーターの台数が多いか少ないかだけではありません。

タワマンでは、戸数に対してどんな“使い方”を前提に設計・運用しているかで、体感の混雑が大きく変わります。

たとえば同じ戸数でも、低層・中層・高層でエレベーターが分かれているか(ゾーニング)、非常用(兼用)エレベーターを平常時にどう扱うか、点検で何基止まるのかといった運用条件で、待ち時間は一気に伸びます。

さらに年始は、通勤ラッシュとは違い、親戚の来訪、帰省、宅配、出前、来客の出入りが同時に発生しやすく、エレベーターの使われ方そのものが変わります。

加えて効いてくるのが、来客導線(エントランス→エレベーター→住戸)と共用部ルールです。

オートロック解錠が二重三重になっていたり、防災センターでの受付やカード貸出が必要だったり、台車や搬入用エレベーターの制限が厳しかったりすると、移動そのものよりも「手続き」で詰まります。

これが重なると、住民だけでなく来客も宅配も同じ場所に集中し、エントランス周りがボトルネックになります。

つまり、普段は「なんとなく回っている」状態でも、年始のようなピークで一気に破綻するのです。

これは設備の欠陥というより、設計段階で想定した利用シーンと、実際の繁忙期の動きがずれていることで起きる“落とし穴”だといえます。

この後悔を避けるために「購入前」に確認したいこと

タワマンの混雑ストレスは、住んでから気合で解決しにくい問題です。だからこそ、購入時点で“ピークの詰まりやすさ”を見抜く確認が欠かせません。

まず確認したいのは、総戸数に対してエレベーターが何基あるかです。

単に台数だけでなく、低層・中層・高層で分かれているか(ゾーニング)、非常用(兼用)エレベーターの扱い、点検時に何基止まる運用なのかもチェックポイントになります。

次に、エントランス〜住戸までの“手続きの多さ”です。

来客時に、インターホン解錠だけで済むのか、防災センター受付やゲスト登録が必要なのか。年末年始は来客が連続するため、手続きが増えるほど迎える側が疲弊します。

さらに盲点になりやすいのが、宅配・出前・引っ越しが集中したときの運用です。

宅配ボックスの数や配置、コンシェルジュ預かりの可否、置き配ルール、台車の制限、搬入用エレベーターの混雑具合。これらは暮らしの便利さを左右します。

内見では見えにくいので、可能なら管理規約や使用細則で“実際のルール”を確認しておくと安心です。

年に数回の混雑を甘く見ない

タワマンは普段の快適さが強みです。ですが正月のように来客・配送が集中する日は、動線が一気に詰まり、迎える側まで消耗します。

「便利なはずの家で、正月だけ疲れ切る」

この後悔を減らす鍵は、購入前に“ピーク日の詰まりやすさ”を確認し、住んでからは動き方を設計しておくことです。

年に数回の混雑を甘く見ない。それが、タワマン生活を快適に過ごすコツです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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