【システムメンテナンスのお知らせ】1/14(水) 2:00〜4:00 TRILLサイトをご利用いただけなくなります

  1. トップ
  2. 「心地よい温度」が一番危ない? 44℃でも皮膚移植の可能性…NITEが警告する「低温やけど」の真実

「心地よい温度」が一番危ない? 44℃でも皮膚移植の可能性…NITEが警告する「低温やけど」の真実

  • 2026.1.13
undefined
出典:PhotoAC ※画像はイメージです

年が明け、冬も本番。冷え込みが厳しい夜、湯たんぽや電気あんかを活用して暖をとっている方も少なくないのではないでしょうか?

しかし残念なことに、このような暖房器具による「低温やけど」の事例が後を絶たないようです。NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)も、公式WebサイトやX(旧Twitter)で注意喚起を行っています。

「低温やけど」と聞いても、ピンとこない方もいるかもしれませんが、実際には大きな被害に繋がる可能性も高い危険なやけどです。

そこで、今回は低温やけどの実態と、安全に暖房器具を使うための予防法についてご紹介します。

こんな使い方していませんか?実際に起きた「低温やけど」の事例

 

実際にどのような低温やけどの事例が起きているのでしょうか?

NITEが公開している資料には、湯たんぽや電気あんかの使用中に起きた低温やけどの事例が紹介されています。ここでは、そのうちの2つを見てみましょう。

事例1:二重に包んだ湯たんぽでも低温やけどに

ある方は、湯たんぽを専用の袋に入れ、さらに別の袋でも包んで足元に置いて眠りにつきました。「これだけしっかり包んでいれば安心」と考えていたようですが、翌朝起きてみるとふくらはぎに低温やけどができていました。

眠っている間に無意識に足が湯たんぽに当たり、その状態が何時間も続いていたのです。

事例2:電気あんかで重傷の低温やけどに

別の事例では、電気あんかを一番強い設定にして、足に直接当たらないよう注意して配置してから就寝しました。ところが、この日は睡眠薬を飲んでいたこともあり深く眠り込んでしまい、朝になって気づいたときには両脚のふくらはぎの下にあんかが入り込んでおり、重いやけどを負っていました。

深い眠りの中で体勢が変わり、気づかないうちにあんかと密着した状態が長く続いてしまったのです。

共通する原因は「長時間の接触」

2つの事例に共通しているのは、眠っている間に気づかないうちに暖房器具に触れ続けてしまったことです。「気をつけているから大丈夫」と思っていても、寝ている間の動きは自分ではコントロールできません。

なぜ”心地よい温度”でやけどするの?

「長時間触れていたことが原因」と聞いて、「でも、心地よい低い温度なのに長時間触れているだけでやけどするの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

しかし実は、この「心地よい」と感じる温度こそが、低温やけどの危険を見えにくくしているのです。

「低温やけど」を引き起こす温度と時間

低温やけどは、44℃から50℃程度という「温かく心地よい」と感じる温度でも発生します。ポイントは「どのくらいの時間、触れ続けるか」です。

  • 44℃:3時間~4時間
  • 46℃:30分~1時間
  • 50℃:2分~3分

このように、温度が低くても長く触れていればやけどになってしまいます。逆に言えば、50℃でもたった2〜3分でやけどを起こすということです。

気づきにくいからこそ危険

見た目にあまり変化がなく、痛みが少ないことも低温やけどの厄介なところです。「少し赤くなっているかな」「ちょっとヒリヒリするだけ」と感じる程度でも、皮膚の奥では深刻なダメージが進行している可能性があります。つまり、私たちが「やけどだ!」と認識できる前に重い症状が広がってしまうのです。

表面だけが傷つくだけではなく、低温やけどは皮膚の深い部分の組織まで壊れます。そのため、重症化すると皮膚の移植が必要になるケースもあるのです。

意外なものでも起こりうる

低温やけどを引き起こすのは、湯たんぽや電気あんかだけではありません。

  • 使い捨てカイロ
  • 電気毛布
  • 電気カーペット
  • スマートフォン
  • ノートパソコン
  • 暖房便座

など、日常的に使うさまざまなものが原因となりえます。やけどの心配をしていないと、注意も怠りがちになります。「こんなものでやけどするはずがない」というものでも起こるところが低温やけどの怖い部分なのです。

また、大人に比べて皮膚が薄い乳児や小さな子どもは、より短い時間でやけどになる危険があるため、特に注意が必要です。

今日からできる!「低温やけど」を防ぐ方法

では、低温やけどを防ぐためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?ここでは、暖房器具ごとの注意点を簡単にご紹介します。

湯たんぽ

  • 入れるのは布団に入る前だけにする
  • 眠るときは布団の外に出す
  • 体の同じ部分を温め続けない

電気あんか

  • 布団に入る前、寝床を温めるのに使う
  • 眠る際は電源を切る
  • どうしても布団に入れておきたい場合は、体から離れた場所に移動する
  • コード類を手荒に扱わない

カイロ

  • 眠るときは使用しない
  • 肌に直接触れないようにする
  • 体の同じ場所に長く当て続けない
  • ベルトやサポーターなどで押さえつけない
  • こたつの中や他の暖房器具の近くで使わない

その他注意が必要なもの

電気毛布や電気カーペットを敷き布団や掛け布団代わりに使ってはいけません。また、スマートフォンやノートパソコンも、体の同じ場所に長時間触れ続けないよう注意が必要です。

安全に、あたたかい冬を

今回は、NITEが注意喚起を行っている「低温やけど」について、その実態と予防法をご紹介しました。

44℃から50℃という「心地よい」と感じる温度でも、長時間触れ続けることで深刻なやけどを引き起こす可能性があります。特に眠っている間は、無意識のうちに暖房器具に触れ続けてしまうため、注意が必要です。

湯たんぽや電気あんかは布団に入る前に取り出す、カイロは就寝時に使わないなど、今日からできる予防策を実践していきましょう。

また、低温やけどは自分だけでなく、家族にも起こりうるものです。年齢を重ねると温度を感じにくくなるため、ご高齢の方は気づかないうちに長時間触れてしまう危険があります。

小さなお子さんは肌が薄く傷つきやすいため、大人より短い時間でもやけどになることも。そして、持病のある方も注意が必要です。ご家族に心配な方がいらっしゃる場合は、ぜひ暖房器具の使い方を一緒に確認してあげてください。

寒い冬をあたたかく、そして安全に過ごせますように。


参考:
ナイト(独立行政法人 製品評価技術基盤機構) NITE公式(@NITE_JP)公式Xアカウント
「低温やけど」を負った事故(NITE:独立行政法人製品評価技術基盤機構)
就寝時の“足元”暖房にご用心!~電気あんか、カイロ、電気マットの取扱いに注意~(NITE:独立行政法人製品評価技術基盤機構)
Vol.468 1月14日号 「温活グッズの事故」(NITE:独立行政法人製品評価技術基盤機構)
あなたは大丈夫? 冬の製品事故(政府広報オンライン)


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK】