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〈ACTUS〉勤務・泉哲雄と〈PATINA〉オーナー・泉美貴子の睡眠空間学

  • 2025.12.11
〈ACTUS〉勤務・泉哲雄、〈PATINA〉オーナー・泉美貴子 自宅 寝室

居心地のいい寝室を造るために起きて目に入るものを厳選する

「朝起きた時に最初に目に入るものと考えると、寝室は本当に好きなものしか置きたくない、そんな場所ですね」と話すのはインテリアショップ〈アクタス〉に勤める泉哲雄さん。妻でギャラリーショップ〈パティーナ〉を営む美貴子さんと娘の3人で暮らすヴィンテージマンションの寝室は、20年ほど前にリノベーションした室内のうちの一室。

アートが好きで、写真や器、家具などを家中にディスプレイしている哲雄さんだが、寝室は至ってミニマル。美貴子さんは「もともとすっきりさせたい派なので、物が溢れるリビングでは互いに折り合いをつけながら生活していますが、寝室に関しては価値観を共有できています」と笑う。

〈ACTUS〉勤務・泉哲雄、〈PATINA〉オーナー・泉美貴子 自宅 リビング
リビングで仮眠する時に心地よいのはボーエ・モーエンセンのハンティングチェア。

ベッド周りには、昔子供の読み聞かせのために買ったスウェーデン作家の絵本、ドイツの写真家ヴォルフガング・ティルマンスの写真、〈ハワードミラー〉のアラームクロック、北アイルランドを拠点とする陶芸家デレク・ウィルソンの陶器、イギリスの画家デイヴィッド・フィリップスの絵画などが、それぞれセレクトされて大切に飾られている。

「現代アートも多いので、モダンになりすぎず、少しヴィンテージのものを混ぜながら、なるべくシンプルな空間を心がけています」

〈ACTUS〉勤務・泉哲雄、〈PATINA〉オーナー・泉美貴子 自宅 寝室
羽毛布団はハンガリー産のホワイトグース、寝具は〈アクタス〉の「Quiet」シリーズ。

天井から吊されたペンダントランプはスウェーデンのデザイナー、グレタ・マグヌソン・グロスマンのもの。寝室の照明は部屋全体を明るくするよりも、ほんのりと“灯す”くらいの感じにしたいと哲雄さん。

「理想の睡眠空間を考えた時に、もちろん寝具なども大事ですが、それらは毎日使いやすいかが大切。一方で、フォルムや佇まいの美しさも機能の一つだと思っているので、生活のどういうシーンで目に入るのか、何を寝室に置いたら気持ちに作用するか。そんなことを考えていくと自分にとっての居心地のいい空間ができるのかなと思います」

〈ACTUS〉勤務・泉哲雄、〈PATINA〉オーナー・泉美貴子 自宅 寝室
福岡市内のヴィンテージマンションに住む泉哲雄さんと美貴子さん夫妻の寝室は、8畳ほどのスペースに厳選されたものだけをディスプレイ。壁には昔、娘が描いた絵を飾っている。
〈ACTUS〉勤務・泉哲雄、〈PATINA〉オーナー・泉美貴子 自宅 寝室の手前のスペース
寝室(手前)の床にはサイザル麻を敷き、極力シンプルにすることでほかの空間と差別化を図る。大きなペインティングはジョアンナ・タガダ・ホフベック。手前にはマックス・ラムのスツール。

profile

〈ACTUS〉勤務・泉哲雄、〈PATINA〉オーナー・泉美貴子

泉哲雄(〈ACTUS〉勤務
泉美貴子(〈PATINA〉オーナー

いずみ・てつお/1973年生まれ。インテリアショップ〈ACTUS〉に勤務。
いずみ・みきこ/1972年生まれ。2011年、福岡・薬院に〈PATINA〉をオープン。アートと生活雑貨を扱い、展覧会も開催。17歳の長女(右)と3人暮らし。

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