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目黒蓮や川口春奈も出演 “6年前”から何度も放送される大人気“ドラマシリーズ”、木村拓哉を堪能できる作品

  • 2026.1.31

日本の芸能界を代表するトップスター・木村拓哉。昨年末に公開された映画『TOKYOタクシー』では老婦人を優しく包み込むタクシー運転手を好演していたが、その芝居は年々円熟味を増してきていて、今一番見ていて面白い役者の1人だ。

そんな木村拓哉がこれまでのイメージとは異なる役柄に挑んだのが、この2月には劇場版の公開も予定されているテレビドラマシリーズ『教場』だ。木村は、白髪交じりのロマンスグレーの髪色に、片目が義眼という出で立ちで、ニコリともせずに鋭い目つきで相手を威圧する鬼教官を本シリーズで演じているのだ。

これまで見せたことのない表情を見せる木村拓哉を堪能できる作品として話題を呼んだこのシリーズは、警察学校という、一般には内情を知られていない場所での青春成長群像劇であり、誰が最後まで残れるのかを描くサバイバルミステリーでもある。そんな本シリーズの魅力を改めて振り返ってみたい。

退学届を突きつけられる恐怖、サバイバル・ミステリーの緊張感

物語の舞台は、神奈川県警の警察学校。そこに赴任してきたのは、冷徹な教官・風間公親(木村拓哉)だ。彼が担当する初任科の教場では、生徒たちが早朝6時の起床から激しいトレーニング、そして何より絶対的なルール厳守という極限のストレスに晒されている。

常に監視下に置かれ、ひとりのミスは連帯責任として全員に降りかかる。携帯電話は没収され、外出には許可が必要。そんな“風間教場”に集まった30人の生徒たちは、それぞれに複雑な背景と動機を抱えている。

中には学校で犯罪を犯すものもいるし、復讐のために警官になろうとしている者もいる。風間は、そんな生徒の隠された内面をさらけ出させるように仕向け、警察にふさわしい人選をしていく。

本作の見どころは、風間が生徒たちに容赦なく退学届を突きつけ、「ここを辞めてもらう」と言い放つ緊張感にある。退学届を突きつける瞬間は、何度も作中に登場し、まるで水戸黄門の印籠のようだ。

とはいえ、その退学届を出されたら最後、即退学というわけでもないのが面白いところ。追い込まれて初めて本当の人間性を発揮できる者もいる。風間はあえて生徒を崖っぷちに立たせることで成長を促している面もあるのだ。

そんな緊張感が続くこの物語は、誰が最後まで生き残り、卒業証書を手にすることができるのか、その展開はさながらデスゲームのようなスリルを帯びている。さらに、生徒たちが引き起こす事件やトラブルの真相を、風間が鋭い観察眼で見抜いていくミステリー要素も見逃せない。風間が課す非常識ともいえる試練の裏には、警察官として真にふさわしい人物を選別するという、彼なりの強固な信念が隠されているのだ。

風間の圧倒的な存在感、「義眼の教官」に秘められた謎と慈愛

本作の魅力は何といっても、木村拓哉演じる風間公親のキャラクター造形にある。些細な変化も見逃さない観察眼で生徒の裏の顔を暴き、精神的に追い詰めていくその姿は、まさに“鬼”そのものだ。また、これまでの木村拓哉の外見にはない、珍しくロマンスグレーヘアの髪色なのも新鮮だ。これがとてもしっくりと来ており、年齢を重ねた渋みが出ている。

しかし、その恐ろしいオーラの奥底には、社会の秩序を守る揺るぎない正義感と、厳しい試練を通して生徒たちを育てようとする深い愛情が隠されている。かつては敏腕刑事だった彼が、なぜ片目を失い、義眼となったのか。そしてなぜ、最前線を退き教官の道を選んだのか。その謎が物語の核心として描かれていく点も、シリーズを通した大きな見どころとなっている。

このキムタクは作中、ピクリとも笑わない。常に厳しい目線で生徒たちを追い詰め、時には叱責し、無理難題を突き付けて生徒たちを恐怖させる。終始、冷徹な雰囲気に徹する木村拓哉は、画面にいるだけで異様なオーラを発している。

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川口春奈(C)SANKEI

しかし、その厳しい訓練の課程で驚くほど成長を遂げていく生徒もいる。そんな生徒役には、毎シリーズ豪華なキャストが登場するのも魅力の一つだ。シーズン1では工藤阿須加、川口春奈、林遣都、大島優子らが、シーズン2では濱田岳、目黒蓮(Snow Man)、福原遥らが風間という高い壁に対峙する生徒を熱演した。

現在Netflixで配信中の『教場 Reunion』や過去のスペシャルドラマを経て、物語はいよいよ劇場版へと続く。風間の右目を奪った因縁の相手・十崎波琉(森山未來)との対決、そして風間の過去にどのような決着がつくのか。シリーズの集大成となる展開に期待が高まる。


ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi