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“2005年放送のドラマ”を彷彿とするテーマ「核心をついてる」「言葉が響く」各話で違った見応えがある【日テレ冬ドラマ】

  • 2026.1.30
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『パンダより恋が苦手な私たち』第2話(C)日本テレビ

『パンダより恋が苦手な私たち』『冬のなんかさ、春のなんかね』と、1月期の日本テレビドラマは、恋愛をテーマにした作品が2本ある。『冬のなんかさ、春のなんかね』が、繊細に描写を重ねることで、複雑な恋愛観を見せていくのに対し、『パンダより恋が苦手な私たち』の語り口は直接的だ。動物の求愛行動を通して、人間の多種多様な恋の悩みを解決していく物語という特徴を持ちつつ、主人公・柴田一葉(上白石萌歌)だけでなく、一葉の職場の先輩や姉の悩みにも触れていくことで、各話で違った見応えがある。

※以下本文には放送内容が含まれます。

動物の求愛行動を知ることは、恋の悩みの解決を助ける?

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『パンダより恋が苦手な私たち』第2話(C)日本テレビ

第1話で、動物の求愛行動をベースにした恋愛コラム執筆の仕事を楽しめるようになった一葉。第2話、第3話でも悩み相談に合わせて、コラムを執筆していく。

面白いのが、読者から寄せられた悩みの解決だけではなく、一葉の周りの人物の悩み解決にもなっている点だ。第1話では、ペンギンの種類によって異なるパートナーを選ぶ基準が一葉自身の悩み解決のヒントになり、第2話ではパンダの求愛行動が一葉の先輩・紺野幸子(宮澤エマ)の背中を押した。第3話は一葉の姉・一花(筧美和子)が、チンパンジーの価値観に救われた。

動物の求愛行動は、あくまで学術的に明らかになった事実でしかない。求愛行動を語る椎堂司(生田斗真)は、恋愛の悩みを解決しようとしているのではなく、興味深い動物の求愛行動を語っているだけ。一葉、幸子、一花が自分たちの恋愛にどんな課題を持っているのかには、正直興味もないのだろう。一葉をはじめとした恋愛に悩んでいる人物たちは、勝手に動物たちから教えを受けているのだ。

動物行動学というモチーフは、人間の不器用さを浮き彫りにする

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『パンダより恋が苦手な私たち』第2話(C)日本テレビ

本作は、動物行動学を通して論じることで、人間の恋愛がいかに複雑かを描いている。これまで、動物行動学を研究する登場人物が出るドラマはたびたび制作されてきた。古くは、2005年に放送され修士課程で動物行動学を学ぶ大学院生が主人公として登場する『不機嫌なジーン』。2018年には、動物行動学を教える講師が主人公の『僕らは奇跡でできている』が放送された。特に、『不機嫌なジーン』は『パンダより恋が苦手な私たち』と同じく、さまざまな動物の生態が紹介され、それと対比するように人間の不器用さが浮き彫りになっていた。

本能に従って生活をしている動物の生態と比較することは、欲望が多様化し単純には生きられなくなった人間の不器用さをはっきりと描くために効果的なのかもしれない。

SNSでは、「毎回、核心をついてる」「椎堂先生の言葉が響く」など、ドラマの内容に感銘を受けている人が多いようだ。

第3話では、若さの価値について恋愛と仕事の両面から言及された。本作は、恋愛を描くドラマでありながら、一葉が社会人としてどのように成長していくかも描かれている。一葉はまだまだやる気の少ない編集者ではあるが、最終的にどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。今後、どのような動物についての知識が、仕事と恋愛のヒントになるのかにも注目していきたい。


日本テレビ系『パンダより恋が苦手な私たち』2026年1月期土曜ドラマ
毎週土曜よる9時から放送

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202