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「かえって電気代を増やす原因に」プロが指摘。節約のつもりが逆効果に…「エアコン暖房」3つの勘違い

  • 2025.12.14
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出典:photoAC(写真はイメージです)

寒さや暑さが厳しくなる季節、ついついエアコンの使い方で悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。特に「節電したいけれど、こまめにオン・オフを繰り返すのは逆効果なの?」と疑問に思う方も多いはずです。

エアコンの正しい使い方や設定温度のポイントなど、意外な盲点があることをご存じでしょうか。

本記事では、節電のプロである丸山晴美さんの見解をもとに、エアコンの効率的な運転法とトラブルを防ぐポイントをわかりやすく解説します。節電と快適さを両立したい方はぜひ最後までご覧ください。

エアコンはこまめにオン・オフするよりも「つけっぱなし」が節電になる?

---エアコンの電気代を抑えたいのですが、使わないときにはこまめに消した方が良いのでしょうか?それとも、つけっぱなしの方が節電になるのでしょうか?

丸山晴美さん:

「一般的な節電のポイントは、使わないときはこまめに消すことを習慣化させることですが、エアコンの場合はこまめにオン・オフをすることで、消費電力量を増やしてしまうことがあります。

その理由は、エアコンは設定温度を維持する時よりも、運転を開始した直後に電力を多く消費するため、こまめにオン・オフを繰り返すよりも、つけっぱなしの方が節電になることがあります。

たとえば、ちょっと外へゴミを捨てに行くときや、コンビニへ行くといった数分~30分程度の外出なら、エアコンをつけっぱなしにしても大丈夫。ただし、1時間以上外出するのであれば、エアコンは切っておでかけするようにしましょう。」

室外機にカバーを付けるのは節電になる?その注意点とは

---エアコンの室外機にカバーやシートを付けているのですが、これも節電に効果的でしょうか?

丸山晴美さん:

「室外機にカバーを付けている場合も注意が必要です。室外機全体を覆っている箱型のカバーや通気性の悪いシートを付けている場合、熱がこもりやすくなり、暖房効率が悪くなるだけではなく、故障の原因になることもありますので、カバーは外すようにしましょう。

また、夏場に室外機に直射日光を当てないようにアルミカバーを室外機の上部に付けている場合も要注意です。夏場は室外機に直射日光が当たらない方が節電になりますが、冬は室外機にあたる太陽熱の吸収を妨げるため、暖房効率が悪くなる可能性があるため、アルミシートを付けたままの場合は取るようにしましょう。」

節電のためのエアコン設定温度と運転モードの賢い使い方とは?

---節電のためにはエアコンの設定温度を極端に変えたり、頻繁にオン・オフするのが良いのでしょうか?また効率的な設定方法は?

丸山晴美さん:

「節電のためにエアコンの設定温度を極端に変えたり、頻繁にオン・オフを繰り返したりする使い方は、かえって電気代を増やす原因になる可能性が高いです。その理由は、エアコンは、設定温度に到達するまでの間や、特に運転を始めた直後の室外機やコンプレッサーの稼働時に最も多くの電力を消費します。頻繁にオン・オフを繰り返すと、この大きな消費電力を何度も発生させることになるからです。

また、快適な温度範囲を外れて極端な設定(例えば冷房で16℃、暖房で30℃など)にすると、エアコンは設定温度に到達するために常に最大出力で稼働し続ける必要があり、エネルギー効率が大幅に低下します。エアコンは、冷房は室温が28℃、暖房は室温が20℃になるように設定して、維持すると消費電力量を抑えることができます。

暖房の設定温度は、室温が20℃になるように設定するのが一つの目安ですが、エアコンの温度設定をする際は、自動運転モードやEcoモード(省エネ運転)などにしましょう。そうすることで、エアコン自体が室温を自動的に感知して、最も効率のよい運転をしてくれるため、使いながら節電をすることができます。

また、暖房効率を上げるには窓をチェックしてみましょう。エアコンで温めた空気が窓から逃げたり外の冷気が入ったりしないように、厚手のカーテンで冷気をしっかりとブロックしましょう。カーテンの丈が足りない場合は丸めたバスタオルなどで隙間を埋めるのも効果的です。薄手のカーテンやレースのみの窓の場合は、早めに厚手のカーテンを用意しましょう。

さらに、湿度を上げることも暖かさを感じやすくするポイントです。加湿器を使うのが効果的ですが、濡れタオルを干したり、入浴後の浴室の湿気を取り入れたりするのも有効です。

そして、肌寒さを感じたら無理せずに1枚羽織ったり、レッグウォーマーやネックウォーマーなど身に着けることで体感温度を上げる「ウォームビズ」を取り入れると、少ないエネルギーで暖かく過ごせます。」

エアコンの上手な使い方で節電と快適さを両立しよう

エアコンの節電は「使わない時はこまめに消す」ではなく、使用時間や状況に応じて賢く使うことが大切。

短時間の外出ならつけっぱなしで運転開始時の大量消費を避け、長時間の外出時は切ることが効果的。また室外機のカバーや配置にも注意し、故障を防ぎつつ効率を落とさない工夫が重要です。設定温度は極端に変えず、暖房は20℃前後、冷房は28℃前後で安定させ、自動運転やEcoモードを活用しましょう。窓の断熱性向上や湿度管理、ウォームビズで体感温度を上げる対策も取り入れると、さらに節電効果を高められます。

これらを踏まえれば、電気代を抑えながら快適な室内環境を作ることができ、賢いエアコンの使い方が身につきます。ぜひ今日から実践してみてください。


監修者:丸山晴美
ファイナンシャルプランナー(AFP) 消費生活アドバイザー
22歳の時に節約に目覚め会社員として1人暮らしをしながらも1年で200万円を貯め、26歳で住宅を購入した経験がメディアに取り上げられ、2001年に節約アドバイザーとして独立。食費や通信費など身の回りの節約術やポイ活、資産運用のアドバイスまで幅広く発信。著書・監修書に「大人のおしゃれ手帖」特別編集年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣(宝島社)など多数。


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