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「絶対に信用してはいけません」元警察官が警告。着信画面だけでわかる『詐欺の決定的サイン』とは?

  • 2025.12.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

身近に迫る危険として、特殊詐欺電話が増え続けています。

知らない番号からの着信や、不審な音声メッセージは、なぜ次々と被害を生んでしまうのでしょうか?多くの人が「どうやって見抜いたらよいのか?」と悩んでいます。

今回は、特殊詐欺電話に遭遇した際に、受話器を取る前から察知できるサインや、会話中に注意すべき具体的な違和感のポイント、そして万が一電話を受けてしまった場合の正しい対応法について、元警察官の防犯アドバイザー りょうせいさんに詳しく伺いました。

詐欺電話の入口で冷静に判断し、被害を未然に防ぐ知識を身につけましょう。

怪しい電話番号を見抜く!受話器を取る前に知るべきポイント

---特殊詐欺電話は、受話器を取る前に何か見分ける方法はあるのでしょうか?怪しい電話番号や着信にどんな特徴がありますか?

りょうせいさん:

「近年の特殊詐欺電話には、受話器を取る前の『入口の段階』で気付けるサインがいくつかあります。

まず警戒すべきは、『+から始まる国際電話番号』や見慣れない桁数の番号です。詐欺グループは海外拠点から発信するケースも多く、正規の行政機関や警察が国際番号で連絡してくることはありません。

次に、自動音声を使った“機械的な案内風”の詐欺も増えています。最近は『国民生活センターです』『税務署です』『未払い料金があります』などと名乗り、自動音声でボタン操作を促す手口が目立っています。行政機関が自動音声で“個人に向けた緊急連絡”を行うことは決してありません。

また、短時間に繰り返し同じ番号から着信がある、もしくは複数の違う番号から連続でかかってくる場合も詐欺を疑ってよいです。これは相手が『出るまでかけ続ける』という発信パターンを使っているためです。

『知らない番号にはすぐ出ない』『番号を検索する』『国際番号には常に警戒する』──これだけでも多くの詐欺電話は入り口で遮断できます。出る前の察知が、最も簡単で効果的な防御になります。」

電話中に感じる違和感の正体とは?詐欺特有の「焦らせる言葉」に注意

---電話を受けてしまった後、会話の中で特に警戒すべきポイントは何ですか?どうやって詐欺電話だと気づけますか?

りょうせいさん:

「会話の中には、詐欺電話特有の『違和感のサイン』があります。まず代表的なのは、こちらの感情を揺さぶるための「焦らせる言葉」です。『今日中に対応しないと大変なことになる』『すぐに処理しないと逮捕される』といった期限の強要は、詐欺に共通する典型表現です。

さらに、会話の序盤から個人情報を聞き出そうとする点も重要です。氏名・生年月日・家族構成・口座番号など、本人確認を装って細かく聞き取ろうとしてきます。正規の機関は、電話で個人情報を聞く事はあっても、【口座情報】を聴くことはありません。

また、詐欺犯は説明をさせない傾向があります。こちらが質問しようとすると『時間がありません』『担当に代わりますので…』と、会話の主導権を離しません。これは考える隙を与えないための手口です。

不安を煽る、情報を急いで聞く、質問を遮る──。これらが重なったときは、ほぼ詐欺と考えて差し支えありません。」

詐欺電話を受けてしまったら?焦らず冷静に、まずはその場で判断しない

---万が一詐欺電話を受けてしまった時、どう対応するのが正解ですか?被害を防ぐためのステップは?

りょうせいさん:

「詐欺電話を受けた時、最初にすべきことは『その場で判断しない』ことです。詐欺の多くは、相手に焦りを与え、その瞬間に決断させることで成立します。ですから、まずは電話を切り、落ち着ける環境で冷静さを取り戻すことが何より大切です。

次に、相手が名乗った所属が本物かどうかを、電話とは別の公式窓口で確認することが重要です。相手が『警察』『銀行』『行政機関』を名乗っていても、絶対にそのまま信用してはいけません。電話を切り、公式サイトに掲載されている番号へ自分でかけ直して確認します。ここで詐欺が発覚するケースが非常に多いです。

自分が住んでいる地域の最寄りの警察署、役所などの官公庁は、電話番号を事前に電話帳へ登録しておくのも防犯対策の一つです。

また、電話で言われた内容を家族や知人に共有することも効果的です。ひとりで考えると冷静な判断が難しいため、第三者の視点が入るだけで被害を防げる可能性が高まります。

絶対にしてはいけないのは、その場で言われた通りに操作すること(ATM・電子マネー購入・口座情報の提供など)。『急がないといけない』と感じた時ほど、一度深呼吸して電話を切る。これが最大の防御となります。」

特殊詐欺電話は“出口”ではなく“入口”で見抜くことが最善の対策

特殊詐欺電話は、「知らない番号からの着信を無視する」「国際番号や聞きなれない番号には常に警戒する」といった“受話器を取る前の察知”が最も簡単で効果的な防御策です。

電話を取った後でも、「焦らせる言葉」に惑わされず、個人情報の取り扱いには慎重になり、無理に判断せず冷静に対応することが重要です。

もし不審な電話を受けた場合は、その場で即決せず、一旦電話を切ってから公式窓口に連絡して真偽を確認しましょう。また、家族や周囲ともすぐに情報を共有する習慣をつけることで、より被害を防止できます。

ひとりひとりがこの知識を持ち、実践することが、特殊詐欺から身と社会を守る第一歩と言えます。あなたの周りの大切な人とも、この内容を共有して安心できる生活を築いてください。


監修者:りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。