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警察官の前で立ち尽くす運転士たち。夜の幼稚園で警報音が鳴り響く中、管理者が耳を疑った「驚きの一言」

  • 2026.1.13
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

14年ほど前ですが、私は送迎バスの運行管理会社に勤めていました。幼稚園バスには、園児や保護者が安心できるよう、専属運転士を配属します。そのため、運転士と先生たちの信頼感は厚く、苦情対応もほとんどありません。

しかし、そんな現場でも思いもよらぬ大騒動が起こることがあります。

今回は、幼稚園バスの非常ベルが鳴り響き、警察まで出動した大騒動をお話します。止まらない非常ベルに、驚きの質問をされ、思わず笑ってしまった騒動です。

夜に突然鳴り出した幼稚園バスの非常ベル

運行管理の責任者でもあった私は、いつでも現場の非常事態に対応できるよう、専用の携帯電話を持っていました。ある日、息子と食事を始めようとした瞬間、幼稚園から着信がありました。

「幼稚園バスの非常ベルが鳴りやまない」

時間を見ると19時30分。ちょうど、幼稚園では先生たちが帰宅しようとしていたようです。幼稚園付近には民家が多く、大音量の非常ベルは早く止めなければ大迷惑です。

私はすぐに自家用車で幼稚園へ向かいつつ、専属の運転士へ連絡し、非常ベルを止めに行ってもらうようお願いしました。運転士の快諾に安堵しつつも、念のため幼稚園へ向かうことにしました。

そこで私の目に止まったのは、幼稚園の前に集まっている先生・運転士・警察官…そして鳴りやまない幼稚園バスでした。

なぜ警察が?誰も止めようとしない非常ベル

車を降りて幼稚園へ近づいてみると、2~3人の警察官が幼稚園の前で、先生や運転士に事情を聞いているようでした。事件でもあったのかと思いましたが、どうやら違う様子です。

幼稚園のすぐ裏側には警察署があり、鳴りやまない非常ベルに警察が気づき、やってきたようでした。

「なぜ、誰も非常ベルを止めようとしないのだろう…」

20:00をまわり、さすがに大きな音は付近の迷惑です。話を割って入るのも気が引けたものの、そんな悠長なことは言っていられません。バスのことで付近から苦情がくれば、委託業務の継続にも影響してしまいます。

まるで円陣でも組むかのように立っている、警察官、運転士、先生のもとへ行き、恐る恐る尋ねてみました。

「非常ベルは止めたらダメなんでしょうか?」

園長先生や運転士が私に気づき、安堵を浮かべた表情で私に逆質問してきました。

「どうやったら非常ベルは止まりますか?」

もはや、私の目は点です。

非常ベルを止めない理由…それは「わからないから」だった

私は幼稚園バスの非常ベルを止めて事情を聞くと、幼稚園の先生が荷物を入れようとバスの後部扉を開けたとのことでした。その際に非常ベルが鳴り、今に至ったそうです。

また、幼稚園側も到着した運転士も装置の止め方を知らず、私の到着を待っていたと聞きました。それなら、電話で説明したのに…と思いましたが、それも言いづらく言葉は飲み込みました。

駆けつけた警察官も幼稚園バスの操作はわからず、簡単には手を出せないとのことで、非常ベルは鳴り続けていたようです。

後日、このような事実を受け、講習会を開催し運転士へ幼稚園や通常のバスの操作方法の教育を始めました。「知っている」と思い、わざわざバスの操作を説明していなかったからです。

バスの装置やエンジンの仕組みなど、私自身も懇意にしている整備会社に指導してもらい、運転士へ伝えていきました。このとき、「知らない」と「知っている」には大きな差があり、どんなことでも知っておいて損はないと身を持って感じました。

大人になってからも探求心は忘れない

この一件以来、私たちは全運転士に対し、担当車両だけでなく、代替車両も含めた全車種の主要装置(非常ベル、非常口、消火器など)の操作マニュアルを作成し、定期的な実車訓練を義務付けました。

'知っているはず'という思い込みが、現場では最も危険だからです。

どんなことでも、知っていればいつか役に立つかもしれません。しかし、知らなければ後悔する可能性もあります。だからこそ、私は今でも知識の吸収を止めずに過ごしています。

周囲からは「こんな年になって勉強なんて…」と言われることもありますが、知っていることが誰かの役に立つこともあります。

だからこそ、今でも「どんな小さなことでも吸収したい」と思い、探求心を忘れず仕事や私生活に活かし続けています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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