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「ただの飾りになっていませんか?」警視庁が“防犯ブザー”に警告…親が知らない「ランドセルの横」が危険な理由

  • 2025.12.26
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

新学期や年度替わりを迎え、子どもの持ち物を改めて確認する機会も多い時期です。ランドセルやバッグに付けたままになっている「防犯ブザー」について、最後に音を鳴らしたのがいつだったか、すぐに思い出せる人は意外と少ないのではないでしょうか。

「防犯ブザーが鳴らない」「とっさに使えなかった」というケースに備えて、警察の公式SNSも注意を呼びかけています。

いざという時に確実に使えるよう、今こそ防犯ブザーの使い方を見直してみましょう。

【鉄則1】「いつでも鳴らせる」場所に装着する

警視庁は12月22日、公式X(旧Twitter)に「防犯ブザーが飾りになっていませんか?」と問いかけるとともに、「大人も子どもも、とっさに大声を出すことは難しいです。“逃げる隙を作る”ために、すぐ鳴らせるように準備!」と投稿しました。

また、大阪府警の公式サイトでは下記のような事例を報告しています。

被害者は、徒歩で自宅に向かって歩いていたところ、いきなり後ろから羽交い締めにされ、口をふさがれました。そのまま路上に押し倒され「静かにしろ」と脅された被害者は、恐怖で悲鳴を上げることもできない状態でしたが、鞄にぶら下げていた防犯ブザーを鳴らしたところ、犯人はその場から逃げていったということです。

大阪府警は「犯人は人に見つかったり、警察に通報されることを極度に恐れているため、目の前で防犯ブザーを鳴らすことは大変有効」と報告しています。

そのためには「いつでも鳴らせるように持つ」ことがとても重要です。

防犯ブザーがランドセルの側面やファスナーの内側にあると、いざという時に手が届きにくいです。兵庫県警の公式サイトでも、ランドセルなら肩ベルトや胸元付近に、リュックや手提げバッグなら外側の持ち手付近に装着するよう呼びかけています。

【鉄則2】定期的な「作動テスト」をルーティンに

防犯ブザーで意外と多いのが「鳴らそうとしたら音が出なかった」というケースです。原因の多くは電池切れや内部の劣化だとみられます。また、長期間使っていないと音量が弱くなっていることも。

兵庫県警の呼びかけでは「月に1回程度の作動確認」が推奨されています。音量が小さいときは電池の消耗が考えられるため、電池の交換をしましょう。

例えば「毎月1日はブザー点検の日」「学期が変わるタイミングでチェック」など、家庭内のルーティンにしておくと安心です。

【鉄則3】「鳴らす練習」をしておく

防犯ブザーは、意識していないと大人でもとっさに使えないもの。日ごろから「どんな場面で鳴らすのか」「引っ張るだけでいい」など、使い方を実際に練習しながら子どもに伝えましょう。

同時に「いたずらや遊びで鳴らさない」「危険な時に使うもの」というルールを必ずセットで教えることも重要です。

また、周囲に見えるように防犯ブザーを持つことも犯罪の抑止力となります。目立つところに付ける、学校から帰宅後に外出する際も忘れずに持ち歩く、とルール化しておくことも大切です。

失敗しない防犯ブザーの「選び方」と「基準」

警察庁では防犯ブザーについて、下記のような性能基準を示しています。

  • 音量は85デシベル以上あること
  • 表示音量の90%以上の音量が連続20分以上鳴ること
  • 引き紐や押しボタンなどの操作は児童が簡単に操作できること

基準を満たした防犯ブザーには、全国防犯協会連合会による推奨マークがついているため、選ぶ際のポイントとなります。

安さやデザインだけで選ばず、「しっかり音が届くか」「耐久性はあるか」「操作しやすいか」などを基準に選びましょう。

スマートフォンが防犯ブザーに!警察公式アプリの活用

最近では、スマートフォンを防犯ブザー代わりに使える警察公式アプリも増えています。警視庁の「デジポリス」や、神奈川県警の「かながわポリス」では、いずれもワンタップで警告音を鳴らすことができる機能があります。

このほか、意外と知られていないのが、iPhoneを含むスマートフォンの「緊急SOS」機能です。緊急時に大音量のアラームを鳴らして、警察や消防に連絡することができます。

電源ボタンを素早く5回押すだけの簡単な操作で「緊急SOS」機能が作動するため、緊急時にとても役立ちます。

対応機能や使い方は、自治体や機種ごとに異なります。どんな操作でどんな音が鳴るのか、設定について日ごろから確認しておくと安心です。

「持たせている」から「使える」防犯対策へ

防犯ブザーは、いざという時に命を守る大切な道具です。しかし、付けっぱなし・確認なしでは十分な効果を発揮できません。

「すぐ鳴らせる場所にあるか」「音はきちんと出るか」「子ども自身が使い方を理解しているか」。この3点を見直すだけでも、防犯対策は大きく変わります。

新年度や持ち物チェックのタイミングで、ぜひ一度、防犯ブザーを手に取って確認しましょう。


参照:
防犯ブザーを持ちましょう(大阪府警察)
防犯ブザーを活用しましょう(兵庫県警察)
防犯ブザーで身を守ろう!(京都府警察)
防犯ブザーは用心棒! もしもの時の守り神!(岐阜北警察署)
性能基準に適合する防犯ブザーのサンプル音について(警察庁)
子どもの安全を守るための防犯ブザーの選び方(群馬県)
防犯アプリ デジポリス(警視庁)
神奈川県警察公式アプリ「かながわポリス」(神奈川県警察)