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“視聴者だけが知っている”巧妙な演出「ギャップがすごすぎる」「狂気的」普段の“イメージとは真逆”の犯人役に反響『推しの殺人』

  • 2025.12.11
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(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

ついに犯人が明らかになった『推しの殺人』第10話。犯人と対峙するルイ(田辺桃子)のカッコよさと恐怖心が際立つ回となった。とはいえ、まだ謎は残っている模様。望月(曽田陵介)と知り合っためぐみ(椛島光)の父が、ルイの母親と妹が亡くなる原因となった火事を熱心に調べていた理由も気になる。

※以下本文には放送内容が含まれます。

ついに判明した犯人とルイの対峙

連続殺人事件の犯人も、羽浦の時計を調査会社の下谷(テイ龍進)に送り、『ベイビー★スターライト』に脅迫状を送りつけたのも、すべて河都(城田優)とつながりのある弁護士の矢崎(増田貴久)だった。

麗子(加藤ローサ)に本性を表す形で視聴者側に犯人の正体が明らかになった第9話終盤。第10話は、ルイがどのように犯人の正体に気付くのか、ルイが襲われたりしないか、そんな緊張感が漂う回となった。

ルイは血がついた麗子のハンカチを見つけたこと、麗子の娘・美鈴(灘山翠)の証言から、矢崎を疑うに至る。不法に矢崎の事務所に潜入した結果、そこで連続殺人事件の被害者たちの持ち物を発見。矢崎に連れて行かれた先で、麗子の遺体と対面することになってしまった。そして、矢崎は『ベイビー★スターライト』のメンバーが羽浦の遺体を埋めていたのを見ていたと告白。ルイと矢崎は互いの罪を共有し、弱みを握り合う形になってしまった。

矢崎の罪をすべて知ってしまったルイは、矢崎に殺されるのではないかと怯えつつも、「メンバーが見張っている」とハッタリをかまして事なきを得る。ルイの強さが垣間見えるシーンだった。

矢崎の恐ろしさを表現する増田貴久

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(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

第10話の見どころはなんといっても矢崎という人物の恐ろしさだろう。麗子に手をかけておきながら、何食わぬ顔で美鈴に微笑みかけ、麗子を心配しているフリをして警察の事情聴取に応じていた。視聴者側にだけ犯人であることを知らせ、作中の人物たちは知らないという設定が出来上がったことで、知らない誰かに追い詰められる恐怖ではなく、連続殺人犯が何食わぬ顔で生活している恐怖が表現されていた。

また、テルマ(横田真悠)を無表情で見張っているようなカットもあった。その無表情さは、矢崎にとって女性を狙う行為が日常化していることを示しているようだった。

増田は、これまでドラマ『レンタルなんもしない人』や『古見さんは、コミュ症です。』では、人畜無害なあっけらかんとした役柄やドラマ『ギフテッド』では王道ヒーロー的な役柄などを演じてきた。矢崎が序盤に見せていた人懐っこさや憎めなさは、増田自身のパーソナルイメージやこれまで演じてきた役柄で身につけてきた表現だろう。あの優しげな雰囲気があったからこそ、第9話での豹変ぶり、第10話で何食わぬ顔で過ごしている様子が恐ろしくて仕方がない。増田が演じることで、矢崎の二面性がより際立っているのだ。

SNSでは、「まっすーギャップがすごすぎる」「狂気的な芝居がいい」など、増田の狂気的な芝居に怯えながらも楽しんでいる人が多い様子。

『ベイビー★スターライト』の行く末だけでなく、矢崎が警察に捕まったとき増田がどんな芝居を見せるのかも、クライマックスの見どころとなりそうだ。


読売テレビ・日本テレビ系 木曜プラチナイト『推しの殺人』毎週木曜日よる11:59~0:54

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202