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「最初から最後まで素晴らしい」「心が広過ぎ」田中みな実“社長の妻、”最終回のワンシーンで“見せた顔”に反響【金曜ドラマ】

  • 2025.12.15

波瑠×川栄李奈のW主演で話題を呼んだ金曜ドラマ『フェイクマミー』の最終回。母親になりすますという“禁断の契約”から始まった嘘だらけの物語は、想像を超える形で“本物の絆”を育み、そして別れの瞬間にあたたかな余韻を残した。理想の母とは何かを問い続けた“ニセママ”の選択に、SNS上でも「感動の最終回」と好評の声が続出。最後に彼女たちが見つけた“家族のかたち”とは何だったのか。

※以下本文には放送内容が含まれます。

理想の母は、誰が決めるのか?“ニセママ”の反論

偽りから始まった絆は、本物になれないのか最終回の『フェイクマミー』が描いたのは、この問いに対する鮮やかなアンサーだった。東大卒のプライドを抱えながらも転職に苦しんでいた花村薫(波瑠)と、ベンチャー企業の社長として多忙な毎日を送るシングルマザー・日高茉海恵(川栄李奈)。

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金曜ドラマ『フェイクマミー』最終話より(C)TBS

ふたりの偶然の出会いから始まった“母親代行”という禁断の関係は、罪をはらんだ契約を超えて、いつしか母性そのもののあり方を問い直す物語へと昇華していった。薫が茉海恵を“脅してニセママになった”と自首したことで、風向きは一変する。学校関係者や世間からのバッシングを一手に引き受けることで、茉海恵と娘・いろは(池村碧彩)を守ろうとした薫。その覚悟は、単なる自己犠牲ではなかった。
彼女は、自らのキャリアを賭けてでも、このふたりの未来を守ると決めたのだ。

しかし、薫の覚悟に対し、茉海恵は真っ向から反発する。お願いだから、いろはを一緒に守って、という願いに込められたのは、もはや“ニセママ”ではなく“家族”への想いだった。娘のため、そして自分のためにも、薫はそばにいてほしい。茉海恵のその願いが、物語の中心にあった“母親とは何か”という問いに、新たな光を当てていく。

薫と茉海恵が選んだ“守り方”

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金曜ドラマ『フェイクマミー』最終話より(C)TBS

クライマックスでは、復学に揺れるいろはをめぐって、学園側との全面対決が繰り広げられる。慎吾(笠松将)は、「愛情や責任が報酬という形で取り引きされてしまったら、それはもう契約にすぎません」と公然と非難。

しかし、それに対して薫が放った「子どもがいるとかいないとか、仕事をしているとかしていないとか、すぐに分断されてしまう私たちの解決法を見つけたかったんです」という反論は、多くの視聴者の胸を突いたに違いない。

仕事に生きれば「子どもを犠牲にしている」と言われ、家庭に入れば「自立していない」と言われる。そんな現代の母親たちが抱えるジレンマを、薫は真っ直ぐに言葉にした。そして、自分自身がその“間”を埋める存在として動いたことこそが、フェイクではない“もう一つの母性”だったのだ。

慎吾とさゆりの結末が教えてくれた、“戦わない”選択肢の美しさ

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金曜ドラマ『フェイクマミー』最終話より(C)TBS

物語は、“勝者”であることにこだわり続けた慎吾の崩壊と再生にも焦点を当てる。買収のために奔走していた彼の足元は、皮肉にも妻・さゆり(田中みな実)の内部告発によって崩れ去った。
しかし、その結末は破滅ではない。“もう戦わなくていい”と示す優しさだったのだ。さゆりに抱きしめられる慎吾の姿は、薫や茉海恵の戦いと呼応しながら、“戦わない”という選択にも救いがあることを静かに語っていた。SNS上でも、彼を優しく抱き止めるさゆりの姿に「心が広過ぎる……」「最初から最後まで素晴らしい」「聖母のような顔つき」という声が挙がっていた。

最終的にいろはの復学が認められたことで、3人はようやく“日常”を取り戻す。本作は、母性の多様さ、家族の再定義、そして“他人同士が本当の家族になれるのか”というテーマに対して、最後まで誠実に向き合い続けた。茉海恵が抱える孤独も、薫が見せた責任感も、どちらも欠けがえのない愛の形だ。そして何より、それを見守り支え合う人々の存在が、彼女たちの選択を“正解”に変えていったのだ。

母親であることは、戦うことでも、対立し合うことでもない。互いを信じ、必要なときには支え、また手を貸すこと。そう語りかけるような最終回の余韻が、いまも胸に残っている。


TBS系 金曜ドラマ『フェイクマミー』毎週金曜よる10時

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_